超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

心ノ底二灯火トモセ/eastern youth

2011-05-19 02:18:51 | 音楽





eastern youthのニュー・アルバム「心ノ底二灯火トモセ」を聴いた。





凄い元気が出てくるというか、頑張ってみようかな、って気持ちになるというか。
昔の勢いよくガッと攻める方向からは間違いなく変わってる
それは「365歩のブルース」からなんだろうけど
前作と今作併せて
その方向性が完成した感じも凄くしていて、これはこれで熟成された表現だなあと思うわけです。
単純な刺激よりも、ジワーッと染み入るような、それでいてガムシャラな音を追求してる感じ。
どっちかどうって話ではなく
今のイースタンも大好きだし
現にこのアルバム、かなりお気に入りですね。それはきっとイースタンと共に歳を取ったというのもあると思う。
中学生の頃からファンだったイースタンユース、バンドと一緒に自分も歳を取ったのだという自覚がある。
だからこそ、より一層この作品の楽曲が沁みるのだろう、とも。良いアルバムだと思う。


前作は割としっかりした音作りだったが、この作品は通常よりもいびつな音作りである。
ザラザラした手触りの音は最近のイースタンから考えると新鮮だし
アレンジに関しても中々凝った作りになっていて。
「砂を掴んで立ち上がれ」とか
「午前0時」は特に面白いと思いますね。今までになかったテイスト。
もうアルバムも結構な枚数になりますけど、意外に今までとの差別化は上手だったりしますよね。
そんな中で「ドッコイ生キテル街ノ中」「直情バカ一代」と王道もきちんとあるのも抜かりなし。
冒険してる部分と通常営業の部分のバランスが良くてその意味でも面白いアルバム。

で、やっぱり、その
歌詞が異様にくたびれてんだな。以前とは比べ物にならないくらい。
昔も昔で反骨精神の塊でしたけど
今作とかはもう、目に見えて傷付いてる様が浮かぶというか、相当に参ってる状態を描いていて。
それは人によっては無様にも醜くも映るだろうけど、でもそれは限りなく人間臭くもあり。
自分自身も賢くも器用な生き方も出来てないので
こういう歌詞の変遷は納得というか
直で来るというか・・・。
そんな中でも、吉野寿の詞はしっかりと前を、目の前を見据えていてそれもまた凄いと思う訳です。
何が何でも生き抜いてやろうって気概を感じる。
そんなの相当に意志が強くないと無理でしょう。
そこに夢中になってしまうんだな。
きっと。




格好付けようとしても、結局格好悪くなってしまうなら、格好なんて悪いままでいい。
その代わり、何度でもこの世界に、時代にしがみついてやる。
いずれ一泡吹かせてやる。そんな意地の悪い、諦めの悪い大人のロックアルバム。効きました。




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