超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

MONOBRIGHT「Remain in MONOBRIGHT~白ポロより愛をこめて~」@渋谷CLUB QUATTRO 13.4.3

2013-04-17 21:26:20 | ライブレポ














2週間前の事ですが、MONOBRIGHTのライブに参加して来ました。












4人体制に戻って初のワンマンライブ・・・という事でしたが
個人的には5人体制の方が音に厚みもあってMCも盛り上がって楽しかった記憶があるんですよね
そこから考えると若干元のモノブライトに戻ってしまうのでは、という不安がありました
またグダグダ過ぎるMCで雰囲気緩くなったら嫌だなあ、と(笑

しかし、蓋を開けてみればあの濃ゆい時代を駆け抜けたからこその突き抜けたパワーと
決してグダグダになってない空気を読んだMCの数々に素直に感心してしまいました
こういう言い方はちょっと偉そうなのかもしれませんが
みんな着実に成長を遂げたんだなあ、と
特に松下さんの鬼気迫るギタープレイと桃野くんのテキパキしたMCの円滑さはスゴイ出来だったと思う
もう以前の中途半端な雰囲気のモノブライトはそこには居なくて
完全に脱皮して一回り大きくなった彼らがそこに居ました
それが、何より嬉しかったです。

そしてこのツアーはベストアルバムのツアーという事で今までの総括的なセトリになってましたが
個人的にソングライティングに関しては天才レベルだと思ってる桃野くんの才能が浮き彫りになった公演でもあり
次々に繰り出される多彩なアプローチに終始魅了されてしまった一夜でもありました
憎悪と不穏が漂う楽曲から底抜けにアッパーなナンバーまで
手を変え品を変え存分に楽しませてもらい
アガり切った名演だったと思います。
今のMONOBRIGHTには信頼だけでいい、と感じた進化に満ちたワンマンに仕上がってました。凄かった。










一曲目はデビュー曲の「未完成ライオット」から。
続く「紅色ver.2」ではベースの主張が激しくこの時点である程度のクオリティアップを確信
「英雄ノヴァ」でお客さんの興奮を更に煽りつつ、ここまではまだ余裕があった印象で
程好い熱さで適度に楽しめてたと振り返って思う

しかし次の「ムーンウォーク」は驚くほど最新のアンセムとしてお客さんに定着していて
その馴染みの早さに多少ドキドキさせられつつ「WARP」で序盤から極まるテンションを見せ付けられる
既に程好く温まっていた空気が一気にヒートアップの一途を辿りつつある事を実感しながら
間奏等で聴かせる松下さんのギターの迫力は小気味良くもガツンと来る感覚で
「頭の中のSOS」と共に滑らかで艶のあるサウンドを存分に披露
予想以上の手応えを感じつつ序盤は終了


中盤の皮切りは哀愁が漂う「あの透明感と少年」から、相変わらずの儚い空気に浸りつつ
普遍的な名曲感溢れる「旅立ちと少年2」に爽やかな気分にさせてもらい、
「孤独の太陽」で堂々たる風格のバラッドを思い切り打ち付けられる。
思春期性溢れる楽曲の連発は、
どうやら最初からそういうブロックに分けて構成されていたようで
そういう抜け目の無い部分も散漫さを感じさせなくて非常に良い試みだったと思います

これがとにかく凄かった!「幽霊」。
「君を恨みたい」、と実は男の方が濃いであろう(笑 憎悪の念が渦巻くステージングに圧倒された
ひたすらに赤い照明、ほぼ直立不動で情念を撒き散らす桃野くんの鬼気迫る様子
無機質な佇まいが逆に興奮を煽ってた印象でこの日随一の出来栄えだったんじゃないかと思う
ここまで突き抜けた情念を鳴らせるバンドになってる事がたまらなく嬉しかったです。
自分好みで(笑

そして一番の名曲だと思ってる「雨にうたえば」は恍惚の仕上がりでした
半永久的に聴いていたくなる壮大で滑らかなサウンドにひたすらに魅せられた至福の時間帯
ペーソスがずっと垂れ流しになってるような感覚は本当に凄いと思います
この曲は今後もちょくちょく演って欲しい楽曲の一つですね。
生で聴くと更に衝撃が・・・。

これもすこぶる良かった「DANCING BABE」!
桃野くんがキーボードを担当して若干スカスカになった音がやっぱり新鮮で気持ち良かったですね
いつも以上にファンキーに仕上がってたギターサウンドも絶品でした。


後半戦はとにかくこの日一番のアグレッシヴさを見せ付ける流れに
新曲「REVOLUTION」で新機軸を見せつつ「デイドリームネイション」でトリップ感を演出
バッキバキのフロントマン二人の絡み合いサウンドが印象的だった「アナタMAGIC」の強度に
超久々の「SGS」の有り得ないくらいの盛り上がり(笑
と、瀧谷くんの使い方に痺れつつ
(こういうアッパーな曲調の間に彼の言葉を入れてシュールさを演出する方法論)
磐石の狂騒を味わせてくれた「この人、大丈夫ですか」(ストーカーソングなのに定着しすぎ 笑)、と
モノブライトのパンクな一面が存分に出た「JOY JOY エクスペリエンス」と「踊る脳」、
観客の盛り上がりも正に天井知らずで飛び散る汗がやたらに頼もしい

でも、最後の最後は「涙色フラストレーション」で終わるというのもまた勢いだけじゃない
叙情的な部分も見せてのエンディングという事で個人的に感動させてもらった
感情が伝わる歌とシックな雰囲気に酔い痴れつつ本編は終了
突き抜けたパンク性と
踊れる音楽の気持ち良さと
普遍的な名曲感溢れる楽曲に
バッキバキのリズムを聴かせる楽曲
更には憎悪溢れるナンバーもいくつか披露、と
本当によりどりみどりにオートマティックにソングライティングの多彩さを味わせてもらった抜群の出来でした
桃野くんの才能はもう少し認められた方がいいのかもと少し感じたりもしましたね。


アンコールではこれまた沁みる出来だった「旅立ちと少年」に始まり
これまた超絶に、まるで別バンドみたいに格好良かった「R+C」の渋い雰囲気に心打たれました
いやほんと2009年に観たライブでもこの曲聴いた覚えがありますけど
格好良さの次元がまるで違うからなあ・・・
ピリピリするようなロックサウンドの旨味を存分に味わいつつ
最後はモノブライト史上でも特に王道感が強い幸福なアンセム「ハートビート」にて終了
「あなたに会えて良かった」と何度も必死に歌う桃野くんの姿が印象的だった最後の熱演でした。
本当に一段階パワーアップした姿をしっかりと確認出来て素晴らしい夜だったな、と
改めて5周年&ベストおめでとうございます。
次の動向にも期待、ですね。











セトリ
1.未完成ライオット
2.紅色ver.2
3.英雄ノヴァ
4.ムーンウォーク
5.WARP
6.頭の中のSOS
7.あの透明感と少年
8.旅立ちと少年2
9.孤独の太陽
10.幽霊
11.雨にうたえば
12.DANCING BABE
13.REVOLUTION
14.デイドリームネーション
15.アナタMAGIC
16.SGS
17.この人、大丈夫ですか
18.JOY JOY エクスペリエンス
19.踊る脳
20.涙色フラストレーション
encore
21.旅立ちと少年
22.R+C
23.ハートビート









セトリを眺めてるだけでも豪華、ほぼ代表曲ばかりのセトリなんですけど
でも一番出来が良かったと思えたのはベスト未収録の「幽霊」・・・という事で
非常に懐の深さと
改めてソングライターとしての質の高さを往々にして感じた文句のない出来栄えの一夜でした

多分5人から4人になった事で音の厚みはきっと逃れられない問題だったろうけど
そこを乗り越えて個々が突き抜けることで獲得したパワーが一番感動的であったかな、と
また再び4人と白ポロに戻った彼らの動向はこれからも気にしていたい
そう思わされた記念碑的な一夜でした。

既に今後のライブもバンバン決まってるのでまた近い内に触れに行きます。楽しみ。