超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

クロス・マネジ 第19話「小松の思案」 感想

2013-02-04 09:22:04 | クロス・マネジ(WJ系)












分かるなあ・・・。









頑張ってる、とか努力してる、っていうのは自尊心を保つ為には有効な手段ですけど
それが単なる自己満足に思えてくると途端に空しくなりますよね。
こんなに頑張っても結局・・・って気持ちも分かる
行為に意味を求める感情も
この漫画は一貫して「頑張っても報われるかどうかは分からない、けどそれでも頑張るのは美しい」っていう
そういうテーマ性で以ってここまで来てる気がして、
それこそ少年誌特有のガムシャラ感だなあって手応えを感じます
「やればできる」ではなく「できなくてもやる」の精神で描かれてる作品と言うかね。
そこに最もグッと来るのは間違いないんですけど
それに加えて現実性を重視したドラマ作りが個人的には堪らない
今週のお話なんて本当に一切の改変なくドラマ化出来そうな感じですもんね。
非常に写実的というか、
本当に有り得そうな学生生活をスパッと切り取った感覚が素直な体温で読めて素晴らしい。
心の迷い的な部分を描きつつも最終的にはポジティブな結論に辿り着けるこの作者特有の方法論が好きです。
それもまた櫻井が深空に教えてもらった教訓でもある訳で、きちんと積み重ねが効いてるのも好印象
例え櫻井の粘り強い指導のお陰で強くなった説得力を携えても
こういう「練習」のシーンを欠かさないこまめな部分はこの漫画独自の長所でしょうね
次の相手が一番盛り上がる試合になるとは思うので、その点でもワンクッション置くのは正解かな
今週も期待以上のクオリティで個人的には大満足でした。

同時に、小松さんの掘り下げも行われてましたね。
他の部員は大体櫻井が才能や適正を見抜いて配置した感じなんですけど
彼女は自ら付きたいポジションを選んだという思ってた以上に能動的なキャラクターでした
自分から猛特訓を望む姿勢も含めて実は相当立派なキャラなんじゃないかと
途中で「やっぱやーめた」ってなるのは悔しいから
でもそこに拘るのは果たして正しいのか
そしてゴーリーとして未熟な点もそこが原因だったようです
何も考えてないようで、実は一番考えすぎちゃってたキャラ・・・それが小松さん
だけど櫻井の「難しく考えすぎ」って言葉で迷いだったり雑念が吹っ切れて素直に実力が発揮出来るようになった。
こう考えるとめっちゃ美しい流れだなあ・・・とも思いますが、成果が出てないようで
やっぱり特訓の地力は付いていたんだと感じます
だから彼女はメンタル面に難があったタイプな訳で、それを解決したのは他ならぬ櫻井って思うと
実は櫻井の尽力が功を奏したお話としても成り立つのでその意味でも無駄がなくて素晴らしかったですね。
近道をしようと焦っていたけど、それが逆に回り道になっていたというそういうお話。
でも、最後の顛末を観てるとそれもまた完全に無駄ではないですよね。
遠回りをしたからこそ得れた達成感と情熱。
彼女がゴーリーとして活躍する場面が今からすっごく楽しみです。この応援したくなる感じが最高な作品です。


個人的にちょくちょくバックナンバーも読み返すんですけど、
実は最初のボロ負けした試合で彼女だけが唯一泣いてたり
能登さんが一時退部したときも呼び戻しをしなかったり割と繊細な一面が目立つキャラでもありました
図太そうで案外センシティブなんだなー、っていうか。そういう描写があったからこそ
個人的には今週のお話見て「小松さんらしいなー」とか思えたり
やっぱ積み重ねが強い作品と言う印象ですね
それに加えて小松さんもまた一面的ではない良さがきちっと提示されたのは非常に良好だったかなと

一歩一歩強くなる、堅実に練習や努力を重ねる作品でしたが
ここ数週で更に詳しい部員のポテンシャルが提示、掘り下げされた事で
どんどんと強豪校と渡り合えそうな可能性も感じられて
少年漫画的にワクワク出来てとてもよろしいですね
これが先週コメントでももらった「変に駆け足だったり勇み足だったりって感じもしない」って事なんでしょうね。
今パッと浮かんだので引用させてもらいましたが(笑 全体の底上げはある程度済んだと思うので
次は一人一人をきっちり補強していく方向性にもなりそうでそれもまた期待ですね。
最初は上手く行かない事柄の方が多かったけど、
だからこそ地力が付いてどんどんと良くなっていく今がとても充実しているように思える。
それもまた初期の軋轢や失敗があったからこそ「ようやく・・・!」ってしみじみと感じられるんでしょう。
そういった地に足の付いた作りが自分好みな本作、是非続いて中堅になってくれる事を祈りつつ。
(先週の早見先輩の小松ゴーリーに対する疑問も今週で上手く繋がってたり、
 そういう連載ならではの良さが最大限に出てる部分が大好きです)

久々に扉絵も描かれてた事がとても嬉しい(笑 扉絵好きなんで。10話以来かな?
WJ全体の雑記も書いてるのでお暇があればそちらもよろしく。







最後に掲載順の事でも語りましょうか(笑
うーん、ちょくちょく位置が変わるギャグ漫画と違って
ストーリー漫画だから沸騰も本物だろう、って予想してたんですが甘かったようです
まあ裏を返せばこの漫画でも順位が上がる可能性はあるんだ、っていうのを知れた分良かったのかな?
ただこの手の努力型の泥臭い作風って一旦作中の雰囲気が明るくなると
そこからどんどん勝利や躍進を掴んで行くタイプだと思うので
その点でも人気沸騰には期待しておきたい

前期の絶望的な状況からなんとか生き残れた実績があるので、ファンの方も諦めずにアンケ出しましょう
同志の方が寄せて下さるコメントが頼もしい今日この頃です。いつもありがとうございます。