アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

奄美・加計呂麻島の旅③

2018-12-31 16:30:03 | 小さな旅
    加計呂麻島二日目は、また曇り空。まだ一度も青い海と空の景色を見ていない。海宿5マイルの朝食は、夕食同様、じんわりと身に染みる味のご飯とおかずと味噌汁でした。パパイヤの酢の物が珍しかった。 

    さて、この日は、はじめて海に入る日。little life に向かいます。

    宿のある伊子茂から、little life のある嘉入までは、20分ちょっと。ジェットコースター道路と言いたいくらい起伏の激しい道でした。でも、対向車も後続車もほとんどない道なので、気は楽。
   
    いくつかの山を越えて着いた嘉入の集落は、島のほかの集落同様、数軒の平屋の小さめの家はあるのに、歩いている人や子供は皆無。私の家のあたりも人を見かけることはほとんどないのですが、国道には車が通り、集落はもっとずっと広がっています。やはり、かなりの過疎地です。

     宏美さんと再会を喜び合った後は、いよいよ海へ。嘉入の浜からカヌーで海に乗り出します。

      カヌーというのは総称で、宏美さんご夫婦の指導で私たちがこぎ出したのは、シーカヤック。左右交互にブレードというはねのようなものがついたパドルを使うのですが、水しぶきが上がり過ぎたり、水中にちゃんとオール?が沈んでなかったりと、多分ほとんど用をなさなかったのとおもいます。でも、私の乗ったカヤックには宏美さん、友人のカヤックには宏美さんのご夫君・博之さんが乗って、すいすいこいでくださったので、私たちは彼らが指さす方角にある小さな島や、水中のサンゴ礁をゆっくり眺めることができました。広い海原の散歩、楽しかった。

      30分ほどこいだあと、海からしかたどり着けない浜に到着。浜に近づいたころ、宏美さんが「あ、イノシシだ!」と叫びました。見ると、うりんぼうらしい小動物が、山側の茂みから浜辺に走りでてきました。「うりんぼうがいたらそのあと親イノシシが出てくるから、気をつけなきゃ」と宏美さんが言った途端、同じ方角から大きめのイノシシが走ってきました。大きいと言っても、島のイノシシは少々小ぶりらしい。わたしは、稲武でイノシシの爪痕をいやというほど見ましたが、実物を見たのはこの時が初めてでした。

       浜辺には、サンゴがいっぱい。海宿の浜にも嘉入の浜にもありましたが、こちらはことのほか多い。

       ムラサキオカヤドカリとかいうめずらしい貝も。オカヤドカリは島に多いそうですが、天然記念物なのだとか。
       こちらはビーチロック。コンクリートブロックのかけらが海を漂い、流れ着いたものかとおもったら、自然にできた石なのだそう。

       昨日もあちこちで見た植物。この浜には、ことのほか多い。アダンという植物だそうです。いかにも南国っぽい実です。

       やっと少し、日差しがでてきて、青い海が見られるようになりました。

        博之さんが浜で作ったトマトソースのパスタ。お昼ごはんです。

         満足げなわたしたち。私が加計呂麻島に行きたいと思った最も大きな理由は、宏美さんがブログやフェイスブックで紹介している南の島ののどかな生活の一端を経験したかったから。その一つが浜辺での食事。しかも、わたしたちとあと一組のlittle lifeの常連客の他は、だれもいません。贅沢な時間を過ごしました。

         常連の方は若いご夫婦。奄美が好きになって、移住してきたという彼らは、年にかなりの回数加計呂麻島にわたり、カヤックに乗って素潜りを。魚は彼らが釣ったもの。あとで宏美さんが「上から、アカハタ、スジハラ、アオチビキ、隠れているのはフエダイの一種」と教えてくれました。昨晩の宿で出てきたキホタといい、この魚といい、南の海の魚は色がカラフル。

         シュノーケリングだけなら泳げなくても大丈夫というので、近視用のゴーグルの購入もお願いし、その気満々でいたのですが、いざウェットスーツを着て海に入る段となると、急に緊張。その時のこわばった顔がこちら。シュノーケリング経験済みの友人は余裕の笑顔です。
 
         午後の指導は、博之さん。ゴーグルを海水で濡らしたヨモギで拭き、唾を塗る。曇らないための準備を整え、ひれをつけてもらって、いざ水の中へ。京都にいたころは時々プールに通ってはいたものの、十分に泳げるとまではいえない私。こちらに来てからは1度しかプールに行っていないので、なかなか緊張がほぐれず、ともすればシュノーケル?から水を飲むはめに。でも、博之さんのやさしく丁寧な指導で、何とか沖合に。といっても、浜から数十メートルでサンゴ礁の群生する場所に行けるのが加計呂麻島の特徴だそうなので、そんなに遠くまで行かずに美しい海中の世界に出会えました!
        
         黄色や紫、緑のサンゴのあちこちに、深い割れ目があり、そこは真っ青だったり真っ暗だったり。比較的浅いところにあるサンゴ礁から別のサンゴ礁のあるところまで行くのに、深い海溝のような場所があり、そのあちこちから色とりどりの魚が湧き出るように泳いでいました。

      
      浮き輪につかまって前に進みながら(その浮き輪を博之さんに引いてもらった)、彼が説明してくれたたくさんの魚の名前。ほとんど忘れてしまいましたが、あとで宏美さんから、魚の特徴と名前を教えてもらいました。

    「イソギンチャクに暮らしていたオレンジのお魚は「クマノミ」
白い尻尾で体がやや黒く、手のひらサイズ、たくさん群れていたお魚は「アマミスズメダイ」
岩陰に潜み、目が大きいく赤いお魚は「アカマツカサ」
黄色い体で細長く、群れているのは「アカヒメジ」(黄色いけど「赤い」と名がつくのは刺激すると赤くなるから)
シマシマの綺麗な模様のお魚は「ニジハギ」
浅いところにいた綺麗な模様のお魚は「ムラサメモンガラ」
浅いところの綺麗なブルーの小さなお魚「ルリスズメダイ」」

    クマノミとルリスズメダイはおぼえています。ルリスズメダイはことのほかきれいでした。海蛇が泳いでいるのを見た時は、ちょっとぞっとしました。

     40分ほどで浜に引き返しました。二人が流木を集めて火を焚いて、コーヒーを入れてくれました。想像以上に体が冷えたので、あたたかい焚火はありがたかった。

     陽が傾きかけたころ、浜を後にして嘉入の浜に戻りました。二人の住む小さな古民家の周りは、南国の植物でいっぱい。

      こちらは月桃の葉と思って写真を撮ったら、あとで宏美さんがカルダモンの葉だと訂正してくれました。

      ほんとの月桃はこれ。宏美さんから届いた1月現在の写真です。月桃は、草餅を包むのに使ってあった葉っぱです。

      月桃の実は、このきれいな赤い実。以前、ドライフラワーとして買ったことがありますが、もとはこんなにきれいな赤い実だったとは! 形もおもしろい。
 
      野菜畑にはイノシシの掘り返した跡が。

      バナナはほったらかしでもできるそう。

      パパイヤも。うらやましい。一休みののち、宿へ。

       前夜とは違う魚のお刺身でした。刺身があまり好きでないという友人の分も、平らげました。手前の洋風の煮ものに入っているのは島のタケノコ。

       パッションフルーツの酵素ジュース入りの酎ハイをいただきました。

     


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