いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ワクチンと政治安全性。 vaccine and political security

2020-08-06 20:38:49 | 日記
 (1)新型コロナウイルスなので治療薬、特効薬はなく、世界的なワクチン開発製造でしのぎを削っている。安倍首相は一時、開発中のワクチンを今年中に実用化できる意向を示したが専門家からは早くて来年中頃以降との見識、見方が出て、新型ワクチン開発は国威発揚の場ともなっている。

 (2)新型ワクチンは効果性とともに安全性、副作用のないことが確保されることが条件であり、臨床試験(治験)をくり返しての効果性、安全性、副作用の有無について医学的な承認手続きを経ての実用化だ。

 安倍首相が何を根拠に今年中の新型ワクチン実用化を表明したのかわからないが(その後米国開発企業から6千万人分ワクチン提供契約)、単なる政治的期待込み発言では混乱を招くだけだ。

 (3)WHOによれば世界各国で20以上のワクチンの治験が実施され最終段階に進んでいるものもあるといわれ、ロシアでは8月中に承認され10月から医療従事者などに集団接種する方針だ。

 ただし、プーチン大統領が承認手続きの簡素化や短縮化を指示して、治験の最終段階が省略されるとみられる報道もある。

 (4)新型ワクチン開発が国威発揚に利用されて開発を急ぎ、効果性、安全性、副作用が省略されては政治の信任度、信頼度、信用度を損ない、失うもので、人類の生命、健康、安全を担うワクチン開発となると政治のプロパガンダ(propaganda)のように自由に都合の良い論理だけで通用するものではない。

 (5)世界の自由主義、民主主義、資本主義と対峙する共産主義、社会主義は一党独裁的国家主義が優位性、優秀性を強調するため成立過程を隠して自国主義に都合の良い結果主義を求めて、情報の不透明さが国際社会から不信、不安、疑念を持たれることが多い。

 ロシアの新型ワクチン開発でも米メディアからは「科学的データが公表されておらずに、安全性や効果を検証できない」との指摘もあり、プーチン大統領の承認手続き省略が指示されたといわれることもあわせて8月承認、10月から集団接種計画も政治のプロパガンダとの指摘は強い。

 (6)安倍首相の一時の今年中のワクチン実用化も似たような出たとこ勝負の希望的観測話であり、新型ウイルス開発の国連、WHOの指導性、主導性関与が問題だ。なにはともあれ、世界で1855万人が感染し(5日現在)、70万人が死亡する(同)新型ウイルス感染防止のためにワクチン開発は急務であり、来年7月東京五輪開催の必要条件でもあり、効果性、安全性、副作用のない新型ウイルス開発の段取りを踏んだ承認、治験、実用化に国威発揚でない、過度に競争主義、プロパガンダでない世界が総力を挙げてのものでなければならないことである。

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