いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

人種問題の政治争点化。 a racial problem of a disputed point of politics

2020-08-28 20:30:14 | 日記
 (1)大坂なおみ選手が出場中の米国テニス大会で4強入りした後、警官による黒人迫害事件に抗議を示して以後の試合をボイコットすると表明(ツイッター)した。米大リーグも抗議の意味で3試合が中止となった。

 米国では警官による黒人男性拘束の首圧迫死に次いで、今度は警官の背後からの銃撃で黒人男性が重傷を負うという事件が続いた。
 大坂選手はツイッターで「(何度も繰り返され)同じことを言うのは疲れる。いつになれば終わるのでしょうか。」と結んでいる。

 (2)米国建国以来の銃社会、人種問題は歴史、伝統、社会の価値観の問題として不幸がくり返されながらも、決してあらためられることのない米国問題だ。トランプ大統領が社会格差、分断対立を煽(あお)る先導をしているとして批判されているが、たとえば銃規制は前民主党オバマ大統領が法規制に乗り出したが絶大な政治力、集票力を誇る全米ライフル協会などの反対で成立することはなかった。

 民主党バイデン大統領候補は副大統領候補に黒人女性のハリス議員を指名したが、対決する共和党トランプ大統領の国民分断、対立を煽ることに対するアピールもあるのかもしれないがやはり民主党支持層の多い黒人票取り込みが狙いのようにもみえる。

 (3)銃規制も人種、黒人差別問題も米国建国以来の歴史、伝統、社会の継続の中で「政治」問題化するのを避けてきた特殊事情がみえる。トランプ大統領の偏見政治をあらためようというなら民主党バイデン候補は銃規制、人種、黒人差別問題を大統領選の「争点」(a disputed point)にして政治問題化すべきだが、理解は示しながらも銃規制、人種、黒人差別問題解決に向けた政治的アプローチをとろうとしないところにこの問題の米国政治、社会の限界がある。

 (4)建国以来の米国歴史、伝統、社会に深く根差して継続されてきた「文化観」というものは簡単には改革、覆(くつがえ)すことなどできない価値観、判断のむずかしさがある。

 ケネディ元大統領は国が国民に対して何をするのかではなく、国民が国に対して何ができるのかを問うた。キング牧師は「私には夢がある」と人種、黒人差別偏見社会の撤廃を強く迫ったが悲劇はくり返されて、米国の分断、対立社会は一向に解決に向かうことない。

 (5)米国政治、社会の限界と書いたが、政治が政治的アプローチが変わらなければトランプ大統領ではもちろんのこと、バイデン候補でも何も変わらないだろう。人種問題は黒人だけの問題ではなく、どこでも抱える問題であり、国際政治の争点として取り組み解決すべきことだ。

 

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