いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

戦後75年の傷跡。 a scar of 75years of a postwar

2020-08-15 19:54:34 | 日記
 (1)戦後75年の夏を迎える。高度経済成長で復興を果して、再び中国ともども日本はアジアを政治、経済でけん引する国となり、日米軍事同盟はアジアに限らずに中東紛争、地域にも存在感を増している。

 戦争体験者が少なくなり、敗戦、戦後は遠くなったという話もあるが、現実は沖縄に米軍基地が集中して地位協定で住民自治、権利は問題にされずにこれに日本政府も手出しもできず、北方4島はロシア支配下に置かれて戦後法的にロシア領になったとのロシアの主張の前に返還交渉は遅々として進まない。

 (2)日本列島南と北から挟み撃ちで戦争の傷跡(a scar of war)と過ごしてきた、今も過ごしている戦後75年だ。日独伊三国同盟で連合軍と戦い、独も伊も戦後を総括して新しい政治、経済、平和の壮大な実験場としてのEUを構成して新しい時代の道を歩んでいるのに、日本は戦後の傷跡を残したまま、あるいはひきずったまま高度経済成長の復興、繁栄の光の影に覆い隠されて75年が過ぎた。

 (3)政治、政府が何もできない、やらない国民として、今は有数の経済国となり社会、生活は比較安定しているからといって、ただ従順でいいのか考えさせられる終戦の日だ。
 79年前に国民を戦争に導いた軍事政権の跡形は戦後民主主義、自由主義体制の中で存在はしないが、戦後の長い自民党保守政権の中には戦前軍事政権の戦争を正当化する意見もあり、政府、政権議員から終戦の日に「戦争で命を奪われた御霊に哀悼をささげる」ための靖国参拝といわれても承服できものではない。

 (4)終戦宣言前の6日広島、9日長崎には原爆が投下され10万人以上の国民の命を奪って、今でも後遺症に苦しむ多くの被爆者を抱えて、安倍政権は国連の核兵器禁止条約の締結にも参加せずに責任を明らかにしようとしない日本だ。

 国民の60%が沖縄に米軍基地が集中していることをやむを得ないと考える世論調査結果もある日本では、戦後は総括されずに戦争、戦後の傷跡をひきずったまま何も変わらない日本だ。

 (5)戦争、戦後が総括されない日本で、保守思想の強い安倍政権、安倍首相は平和憲法改正、自主憲法制定を目指しているが、取り組む順番は真逆だ。今年はコロナ感染社会でとりわけ染み入る静かな終戦の日を迎えている。

 変えるために変わらなければならないのは、小市民的意識(petite bourgeoisie)の国民の方だ。

 

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