いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

予算委員会の正体。 the roots of a budget committee

2019-06-22 20:05:23 | 日記
 (1)予算委員会というのは首相、閣僚と与野党委員が対峙して質問者と答弁者が1対1で討論、対決するという、日本が参考とした議会制民主主義発祥の英国議会のスタイルを思わせるものだ。

 予算委員会といいながら政府の政策すべてが予算の裏付け、執行が必要なものであり、ありとあらゆる政策、政治的問題が対象となって国会論戦の花形であり、メディア、国民の関心も高い。

 (2)その予算委員会が今年は来年度予算案が3月に通過した後、衆院で105日間、参院で79日間(14日現在報道)も開かれていない。今年は4月1日の「令和」発表に4月末から5月にかけて天皇退位、新天皇即位、新元号公布という行事もあり、5月にはこれにともない10連休もあって、さらにトランプ大統領の国賓来日とあわただしい政治日程もあり国会休会状態が続いていたが、与党自民党も閣僚の失言続きで来年度予算案成立後は参院選を控えて影響をとどめようと開催に応じない事情もある。

 (3)前述したように政府の政策はすべて予算の裏付け、執行がともなうもので、予算に直接かかわる事項かどうかではなく政策課題であればすべてが予算委員会で審議されるものであり、昨年からの閣僚の不適切発言、政府機関のデータ不正などによる安倍政権のたるみ、ゆるみが続出している状況で、来年度予算も通過してこれ以上政権の痛手を回避しようという与党の思惑がみえるものだ。

 (4)ここにきて老後2000万円試算、金融庁報告書の受け取り拒否、イージス・アッショア調査データ不備など国民にかかわる重要問題、課題が浮上している中で政府は関係各委員会で審議が可能との考えを示しているが、各党が論客委員をそろえて問題、課題を関連付けて多角的に政府の政策、方針、姿勢を全体、総体的にただす予算委員会の審議は必要だ。

 国民の前で政策の論議を行わないのは、政府、国会の責任放棄であり議会制民主主義の放棄、怠慢、堕落である。

 (5)野党は予算委員会も開催されない中で党首討論に応じて、凡戦論議に終始して政治の堕落を示したが、老後2000万円試算、イージス・アショアデータ不備と解明すべき重要問題、課題は国民生活に直接影響を及ぼすもので、このままですますことなどできない政治責任の問題だ。

 今夏の参院選は主権者国民にとっては重要な判断が求められる選挙だ。憲法改正に政策課題に向き合わない政治、政府、国会に対して誰がまじめに取り組み説明責任を果すのか見極める重要な判断が求められる。

 

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党首討論の堕落。 corruption of debate of the party leader

2019-06-21 20:07:01 | 日記
 (1)党首討論も民主党政権時代は野田首相と当時野党の自民党安倍総裁とのやり取りで、野田首相が消費増税に協力するなら解散総選挙に応じる構えをみせてこれに顔色を変えて安倍総裁が念を押すという緊迫した場面もあり、その年の12月に解散総選挙が行われて自民党が圧勝して安倍政権誕生につながった伯仲の議論もあり熱を帯びたこともあった。

 (2)安倍政権になって安倍1強、弱小野党時代が続いて党首討論もあまり問題にされずに開かれることもなく、まれに開かれても議論がかみあわずにそれぞれが理論、主張をくり返すだけで、安倍首相から党首討論のあり方の見直し論まで出て低調を極めている。

 たかだか45分間で野党5党首との党首討論ではまともな論戦など期待できないもので、本来茶番であり安倍首相からいわれるまでもなく党首討論のあり方について検討、見直しは必要だ。

 (3)政治は老後2000万円試算、イージス・アショアのデータ不適切、イラク仲介外交・タンカー攻撃など質す重要問題はあるのに、予算委員会も開かれずに議論がかみあわない党首討論でお茶をにごすでは政治の堕落(corruption)もひどいものだ。

 その党首討論は老後2000万円(諮問した報告書不受理)が中心となって討論が行われたが、安倍首相も加勢して他人事のように金融庁の試算報告を批判してやり玉に挙げて問題の核心があきらかにならずに、野党が安倍内閣の責任を厳しく問う内閣不信任案にも言及せずに民主党政権時代のような緊迫した討論場面はみられない。

 (4)野党としては今夏の参院選に合わせて安倍首相が衆院を解散して衆参同日選に打って出ることを警戒して、党首討論でも解散にあえてふれない党首討論となった。わずかヒト桁台の支持率の野党として現役議員も少なく候補者選びの準備、対策が整わずに解散総選挙となれば不利になるとの判断が働いている。

 軒並みヒト桁台支持率の野党として失うものなどない捨て身の選挙は望むところでもあるが、さらに党勢が後退して政党としての要件にまで追い込まれては元も子もないという危機感がある。

 (5)これで白熱の党首討論などはなから期待せよというほうがおかしくて、政治の堕落を象徴する低調な党首討論に終始した。
 安倍首相としては老後2000万円問題などで国民の反発も強く一時うわさの風が吹いた衆参同日選回避に向かわざるを得ない政治状況に追い込まれて、それでも参院選での改憲勢力3分の2以上維持もむずかしなることも考えられて、野党としては闘う政治状況は有利に働いている中で解散を警戒しているようではますます国民から見放されて、国民からしても不満の持っていく場所のないジレンマ、政治不信が募るばかりだ。

 (6)野党としてはこういう時こそ政策論争で独自性、革新性を主張して、国民に訴える度量を示すことが求めらる。与野党とも政治責任から逃れてはいられないだろう。

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イージス・アショアの正体。 the roots of aegis ashore

2019-06-20 20:03:57 | 日記
 (1)自動運転車というのは衛星の位置情報を活用して正確な軌道を自動運転するが、これが数センチ違っても事故につながる危険情報が技術的には考えられる。
 防衛省が進めるイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)の候補地選定の仰角データ、縮尺、標高などのデータに実際と違う誤り表記があったことがわかり、これにより選定地のひとつに選ばれた秋田県で反発がひろがっている。

 (2)イージス・アショアは発射されたミサイルを強力電波でとらえて地上に到達する前に迎撃するシステムで設置周囲の地形により好不適があり、あまり高い山が周囲にあっては電波効果がなく正確な地形データは重要な判断要素となる。

 この地形データの正確性が誤っていては候補地適格性の判断の基本、説得性が崩れることになる。その誤った防衛省のデータによるイージス・アショア配備候補地の秋田県では、お詫びの住民説明会で説明側の職員が説明中に「いねむり」をしていたことが参加住民から指摘されて秋田県が反発をさらに強めて設置協議「白紙」の意向を示している。

 (3)日本の安全、防衛を担う防衛省がいくつもの重要データの誤りによる候補地選定にそのお詫び説明会での「いねむり」職員とくれば緊張感、責任感、統率能力もみられないデタラメ防衛体制の片りんをみせつけた。

 この傾向は昨年国会審議から引きずる政府、職員の不適切対応であるが、その後の反省もなく今回一気に防衛省イージス・アショア問題で露出した。

 (4)イージス(迎撃ミサイルシステム)は発射ミサイルの感知のため強力な電波を発生するもので、これまでは陸上では地域住民、生活への電波影響障害、健康被害問題もあり海上艦船で対応していたが、北朝鮮のたび重なるミサイル発射で日本上空を通過して太平洋に落下する事態を受けて政府、防衛省では常時配備が可能な陸上型のイージス・アショア配備計画を進めていた。

 (5)冒頭のように防衛省配備計画の候補地選定にはいくつもの重要データの誤りがあって反発を受けているが、そもそも候補地に選ばれた周辺住民にとっては常時イージス・アショアの強力電波の影響を受けて健康、生活上の問題も指摘されており、別のところにも本来的な問題がある。

 確かに北朝鮮のミサイルは日本上空を通過しており、国民の安全、防衛の対策、対応は必要だが、この狭いに日本国土にイージス・アショアがふさわしいのか戦略的にも考えなければならない。

 (6)現在は米朝首脳会談を受けて北朝鮮の日本上空を超えるミサイル発射は行われていないが、国際社会とりわけ米国の影響力による外交戦略による安全、防衛の確保も考える必要がある。

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香港デモ。 power of demonstration of Hong Kong

2019-06-19 20:02:35 | 日記
 (1)香港の幹線道路を完全に埋め尽くした人民のデモ写真はすさまじい怒り、抗議、熱気が伝わってくる。香港政府に逃亡犯条例改正案の撤回を求める人民デモは200万人(報道)ともいわれてとどまるところがない。

 香港政府はデモを受けて同条例改正案の裁決を一時延期したが、中国政府の関与意向に反発する人民デモはさらに撤回を求めて闘う気構えだ。

 (2)中国政府は香港政府の支配、統治を強めて、中国政府の息のかかった香港政府は中国からの政治犯など逃亡犯を中国司法当局に引き渡す条例改正案を裁決して中国政府への協力姿勢を示そうとしていた。

 通常、国際ルールでは政治犯など元の国へ引き渡せば危害、迫害を受けることがあきらかな場合は、引き渡しを拒否できる人権、人道主義が認められているが、香港政府はそれに反して中国引き渡しの条例改正案の裁決だった。

 (3)香港政府は中国政府寄り人事権で中国政府に顔を向けて意向に従う姿勢だが、香港人民は中国政府の香港支配に人権抑圧体制に抵抗して、中国政府が「嫌い」だという圧倒的な200万人デモだ。

 政治は「建前論」で日中政府は尖閣諸島領有権問題で対立しながら表向きは政治、経済での相互利益、協力関係を構築しつつあるが、現実に抑圧支配される人民はそうはいかない。
 
 (4「現実論」として中国政府の香港支配体制、人権抑圧政策に対して怒り、抵抗し、対抗姿勢を鮮明にしている。米国政府は中国の人権抑圧問題に対して非難し、関心を示しているが、中国政府は国内問題として不当干渉として問題にしない姿勢だ。

 日本政府は旧日本軍によるアジア占領支配問題の影響もあってか中国政府の人権抑圧政策に対してははっきりとした意思表示をみせすに、アジア経済をともにけん引する両国関係の協力を目指す姿勢が強い。

 (5)中国政府は今回の香港政府の条例改正案の一時裁決延期には理解(報道)を示しているが、200万人デモを受けて香港政府が同条例改正案の撤回を決めているともいわれて、中国政府の危機意識、出方が注目される。

 香港は英国の植民地支配から中国に返還されたが、共産党一党独裁支配体制ではなく特別行政区として香港政府による政治体制にあり、これまでも中国政府の関与、干渉には人民の反発、抵抗は強い。

 (6)今回の人権問題に関する香港人民の200万人ともいわれるすさまじいデモの中国政府「嫌い」をみせつけられて、傀儡(かいらい)香港政府、中国政府としては支配体制の見直しに迫られて、1国2統治制度のむずかしさをみせられている。

 中国政府としては南シナ海領有化海洋進出で香港、台湾への圧力を強めており、「国内問題」にも難題を抱えることになる。香港人民の中国政府「嫌い」が中国政府の香港関与、人権抑圧政策問題を浮かび上がらせて、パラドックス(paradox)として国内政治不当関与の主張、国際政治の非力、建前がむなしくみえてくる。

 (7)中国とともにアジアをけん引する日本の立場、位置について考えさせられる200万人香港デモの「怒り」、「抗議」の熱気だ。

 

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政局論。 the political situation

2019-06-18 19:30:17 | 日記
 (1)年金の老後2000万円問題が急浮上して消えた年金問題のトラウマの安倍政権としては今夏の衆参同日選挙は遠ざかったが、昨年からの政府、政治の不始末窮状をみれば今夏の参院選は国民からの糾弾(お灸)の選挙となる公算が強いので、また憲法改正には否定的な意見も多く弱小野党に期待できない国民の判断とすればこれで衆参で憲法改正勢力3分の2以上維持は限りなく遠のいたとみることができる。

 (2)安倍首相としてはこれまで国政選挙で負けなしの幸運が続いていたが、どこまでを敗北ラインとするのか考え、設定はあるが安倍首相が目指す宿願の改憲に向けて衆参での改憲勢力3分の2以上が崩れることは「敗北」といえて、安倍首相の党内求心力に影響が出て10月の消費税10%引き上げの判断にも影響が出て引き上げても、先送りしても安倍首相に対しては国民あるいは党内勢力からの批判にさらされて政治、政局は不安定感を増して安倍以後に動きが加速することも考えられる。

 (3)当然、安倍4選という独壇場は消え去って政治目標を失った政局は安倍首相の任期終了を待たずに安倍以後に焦点が移る可能性は高い。これまでの有力候補者に菅官房長官を推す声もみられて政局は一気に流動的になり、党内混乱を招き政策にも影響が出ることが考えられる。

 (4)そこで弱小野党がどう動くのか、今夏の参院選は安倍政治糾弾選挙で野党にはそこそこの成果はみられるだろうが勝利といえるものではなくて、弱小野党の試練は続きこのままでは参院選までは政治状況には大きな変化はみられないだろう。

 野党は参院選挙対策としての1人区の1本化調整に走っているが、やはり政策論争としての革新的、独自的、創造的な自民党と対極する政策が求められる。

 (5)そのための老後2000万円問題であり、国家財政累積赤字1000兆円超えであり、プライマリーバランス実現の政策、少子高年令社会の社会保障、医療、介護、年金問題に対する長期ビジョンにもとづいた持続可能な(sustainable)政策提言論争だ。

 09年民主党政権での国民に圧倒的な支持を受けた公共事業の見直し、高速道路無料化、高校授業料の無償化、事業仕分けなど革新的な政策も財源不足、準備不足、理論不足で政権自己否定に追い込まれて国民の失望をかった。

 (6)野党はいつまでもそれで意気消沈していてはいつまでたっても安倍政権のゆるみ、たるみの独走を許すだけで、これで政治が国民の期待に応えるものなのか野党としての責任も大きい。

 支持率で自民党に大きく水をあけられているのだから、未来志向の今度は財源、理論にもとづいた革新的な政策提言、論争で国民に訴えるべきだ。

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