いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

2000万円序説。 introductory remarks of twenty millions yen

2019-06-14 20:02:54 | 日記
 (1)「老後2000万円」問題は金融庁試算で人生100年時代に「95才まで生きるには約2000万円が必要」としたことに麻生金融担当相が「赤字」になると述べて、これに野党が政府の「100年安心」の年金改革の整合性を問うという、言いたいことはわかる(老後2000万円が必要で財政財源の不足が生じてさらに消費税引き上げが必要)がその後の言っていることが核心を外してわかりずらい構図になっている。

 (2)さらにわかりずらくしているのが、麻生金融担当相が「諮問」した審査会のこの報告書の受け取りを拒否するという自己矛盾(self contradiction)だ。批判を受けて急遽報告書の受け取りを拒否したものだが、何のための「諮問」なのか初歩的なミスの政治不統制の混乱だ。

 金融庁がそもそも「老後2000万円が必要」と試算を発表した意図は何だったのか、今さら社会保障、年金改革対策が将来にわたって財政圧迫するものだと強調したかったわけでもないだろうし、受給年令をどんどん先送りして果ては70才まで働いてさらに負担を求めるような政府のこれまでの少子高年令化時代への適切な対策、対応を欠いて問題を先送りしてきた不作為政治のツケを国民投資(税負担)に押し付けるだけの無責任政治だ。

 (3)通常、「老後2000万円」が必要との試算が出てそれを政府がどう保障していくのかの問題になるところを麻生金融担当相の「赤字」発言が出て、「赤字額は自身が保有する金融資産より補てんすることとなる」として「30年で約2000万円の取り崩しが必要になる」(報道)として政府の「100年安心」の年金改革の保障実現性を自ら否定する矛盾を露呈した。

 財務省は財政圧迫を受けてこれまで消費税引き上げを推進することを主張しており、消費税10%引き上げの必要性のメッセージと受け取る。

 (4)かっての団塊世代が支えてきた社会保障、年金制度、財源は、その団塊世代が給付を受ける時代になって今度はそれを支える層の少子化により社会保障制度を補てんすることになり、受給年令の先送り、受給額の抑制となって当初の約束された年金制度は履行されずに国による保障違反というべき無計画、無責任性だ。

 現状の社会保障政策、財源問題をみれば政府の「100年安心」の年金改革は「空手形」であり、国民のほとんどは安心して老後をまかせられるとは思っておらずに近年は年金生活者の生活保護者が増えて(報道)いる現実社会だ。

 (5)この問題をもっとわかりずらくしているのが安倍首相、政府が「30年で2000万円の赤字であるかのような表現は国民に誤解や不安を与える不適切な表現だった」(報道)と説明していることだ。

 金融庁の試算が国民にどういう「誤解」(misunderstanding)を与えて「不適切」(unsuitableness)だったのか、安倍首相が「(年金改革の)100年安心はうそでない」と強調しても問題核心を外したレトリック(rhetoric)問答に終始して国民をあざむくものだ。

 (6)金融庁の試算の意図、意味が何であるのか、政府内の「誤解」と「不適切」の自己矛盾の中で分析、解析、目標による国民にわかりやすい年金制度、対策の説明責任が求められて必要なのは言うまでもない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする