(1)政治に行き詰まり非常戒厳令を宣布し軍、警察を国会に差し向けた韓国尹大統領に、「重大な違法行為だ」として憲法裁判所は罷免の決定をした。自らの政治的立場、位置を守るために本来北朝鮮など外敵からの攻撃に対処するための戒厳令(martial law)を行使することは次元の違う話しであり、認められなかった。
(2)トランプ大統領は3日に大統領令にもとづき例外のない相互関税の発動を発表した。米大統領が議会の承認を得ずに行政命令を実行する大統領令は戒厳令と同じようなもので、トランプ大統領はこれまで100以上の大統領令に署名して議会から関与されない政治手法で自らの実業家主義を実行に移している。
(3)大統領令に署名しなくても通常業務、権限として行政機関に指示して実行できるものも見受けられるが、大統領令に署名して実行するところは議会、国民に一切口出しさせないという強い戒厳令的独断、独裁政治といえる。
相互関税の発動には米国著名経済学者も「完全に狂っている」と酷評し、日本メディアの社説は一応トランプ大統領は民主主義の手続きを経て誕生した指導者だとしているが、国民支持率は低下している。
(4)冒頭尹大統領も国民に選ばれた大統領ではあるが、憲法裁判所に罷免された。トランプ流戒厳令(自動車25%課税、相互関税)は米経済学者にこきおろされ、身内の共和党内からも異論がでているといわれる。
韓国事情と違うところは対外国からの米国貿易赤字是正、解消を名目とした相互関税ということで、世界からカネ、投資を米国に集めると主張しており国益優先(米国第一)とみられることだ。
(5)ケタの違うGDP世界一の米国経済で世界からカネ、投資がさらに米国に集まり市場にあふれると高インフレ、狂乱物価高が懸念されて(トランプ大統領も承知していると言っている)国民の反発に対してどう今度は動くのか、秩序崩壊、無視のトランプ流戒厳令、タリフマンの政治として理解を超えた動向が問題だ。