(1)今年はどこもかしこも「減税」(a tax reduction)だ。日本の参院選は与党は2万円給付だが野党は揃って消費税「減税」、食料品0%(時限的)を主張している。米国トランプ大統領は大統領選で約束した大企業優遇政策を織り込んだ大型「減税」法を成立させて、財源として低所得者への負担の大きい社会保障費を削減する。
(2)米国は共和党が優勢な連邦議会での民主党政権では年末になると米国政府の債務不履行(default)がたびたび問題になり、簡単に追加予算が議会を通らずに政府職員の給与も払えない事態を迎えることがある。
トランプ大統領は当時イーロン・マスク氏をトップに政府効率化省をあらたに設置して、一部政府機関を廃止して対外国支援、援助を中止したり、政府機関の大幅人員削減を進めてきた。
(3)一方で世界に例外なく高関税を発動して米国にカネ、投資を集める政策を進めている。高関税は米国内の国債、金融市場の下落につながり、トランプ大統領も関税発動の一部実施を延長している。
現在の米国議会は上、下院とも共和党優勢(勢力伯仲だが)で政府の債務不履行にも追加予算が比較通る体制にはなっているが、大企業優遇の大型減税法に政府機関、人員削減で対応することが国民の反発を招いており、世界的支援、援助の影響もありトランプ流儀でスンナリ行くのかはわからない。
(4)日本は物価高が続き賃上げは実現しても物価高に追いつけずに、与野党からは参院選物価高対策として給付、減税論が出てきており、米国では所得税、チップ税廃止などの大型減税法成立で減税論議が盛んだ。
トランプ大統領は米国貿易赤字を理由に米国が世界から搾取されていると主張して、高関税を発動して国内企業の立場、利益を守り大型減税法で擁護する政策を進める。
(5)米国の政府予算の仕組みはわからないが、よくあるように年末に政府予算の債務不履行に見舞われることがあれば大型減税法が批判されることにもなり、関税発動がどう進展しているのかわからずに先行きが読めない問題はある。
(6)トランプ大統領は選挙戦で約束したことは内容がいい、悪いは別にしてその後確実に実施するのに比べ、日本の政党は選挙公約はほとんどが関心を集める将来の目標であり、実施されないことが多い。