(1)シリア内戦で非人道的な(inhumane)化学兵器(毒ガス)が使用された可能性、痕跡があるということで、先月末に国連調査団がシリア国内に入って調査を行った。
オバマ大統領は化学兵器使用に対して迅速に動いて、地中海沖に米軍戦艦を緊急配備して集結して数日中のシリア攻撃を示唆して、事態は緊迫を迎えて国連調査団は予定を早めて調査を終了し8月末にはシリア国外に退去した。
その後米国と行動をともにすると表明していた英国が議会で軍事行動参加が否決されて、さらに米国内でも議会、国民からシリア軍事攻撃に反対の意見が多くを占め、オバマ大統領も無視できずに議会の承認を得てからのシリア軍事攻撃判断に方針を変更していた。
(2)国連事務総長は国連調査団からすぐに調査報告を受けると言明していたが、その後2週間近くになってもシリア国内化学兵器使用の調査結果は公表されないままだ。
調査分析、検証に時間がかかっているのか、オバマ大統領の議会対策の努力、行方を待っているのか、これまた不可思議な国連の静寂だ。
「すぐに報告を受ける」国連事務総長の意気込みどおり、非人道的な化学兵器使用に対して国連が調査結果をもとに折角この問題の平和的解決に向けて積極的にリーダーシップ、調停をとる機会を得ながら、迅速に行動を起こさないのは理解できない。
(3)もともと今回の国連調査団の役割は「どこ」が化学兵器を使用したのかの特定ではなくてシリア国内での化学兵器使用の証拠収集であったから、効果は限定的なものではあった。シリアが化学兵器を所有し、過去に使用したとの報道もあるからだ。
ここにきてシリアの後ろ盾のロシアからのシリアの化学兵器を国際管理(international management of chemical weapon)し全廃する提案を国連も支持しているが、本来は国連こそが調査結果にもとづいて担(にな)うべき責務ではなかったのか。
米国による軍事攻撃回避のシリアもロシア提案を受け入れて、米国もシリア軍事攻撃の方針を転換して外交決着を見守る姿勢に転じて、米国のシリア軍事攻撃、内戦関与はひとまず避けられた。
(4)米国は軍事予算の抑制策から中東紛争には距離を置いてきたが、今回のシリア国内の化学兵器使用可能性にあたっては非人道的な見地から軍事制裁を示唆して、直接兵力をシリア国内に投入せずに戦艦、空軍機による限定的な制裁攻撃方針を示唆していた。
しかし米国がこの限定的であってもシリア軍事攻撃を実行すれば、米国民が危惧するようにシリア内戦はさらに拡大し、ロシア、中国との深刻な対立、国際テロの絶好の標的と米国への国際的な責任圧力が強まって深みにはまり、米国にとって抜き差しならぬ不利益な事態を招いたのは想像に難(かた)くないところだ。
(5)それにしても国連の「音なし」の構えはどうしたことなのだ。シリア国内の化学兵器使用調査結果を早く公表し、当事国、関係国の平和的解決へのイニシアティブ(initiative)をとるべき機会に積極的に国連責任をとらない姿勢では本当に存在も意義もない(国連はシリア政府が化学兵器を使用した状況証拠を提示するとの報道もある)。
シリアの化学兵器にとどまらずに、地球上の核兵器を含めた非人道的兵器の全廃が人類共通の目的でなければならない。
オバマ大統領は化学兵器使用に対して迅速に動いて、地中海沖に米軍戦艦を緊急配備して集結して数日中のシリア攻撃を示唆して、事態は緊迫を迎えて国連調査団は予定を早めて調査を終了し8月末にはシリア国外に退去した。
その後米国と行動をともにすると表明していた英国が議会で軍事行動参加が否決されて、さらに米国内でも議会、国民からシリア軍事攻撃に反対の意見が多くを占め、オバマ大統領も無視できずに議会の承認を得てからのシリア軍事攻撃判断に方針を変更していた。
(2)国連事務総長は国連調査団からすぐに調査報告を受けると言明していたが、その後2週間近くになってもシリア国内化学兵器使用の調査結果は公表されないままだ。
調査分析、検証に時間がかかっているのか、オバマ大統領の議会対策の努力、行方を待っているのか、これまた不可思議な国連の静寂だ。
「すぐに報告を受ける」国連事務総長の意気込みどおり、非人道的な化学兵器使用に対して国連が調査結果をもとに折角この問題の平和的解決に向けて積極的にリーダーシップ、調停をとる機会を得ながら、迅速に行動を起こさないのは理解できない。
(3)もともと今回の国連調査団の役割は「どこ」が化学兵器を使用したのかの特定ではなくてシリア国内での化学兵器使用の証拠収集であったから、効果は限定的なものではあった。シリアが化学兵器を所有し、過去に使用したとの報道もあるからだ。
ここにきてシリアの後ろ盾のロシアからのシリアの化学兵器を国際管理(international management of chemical weapon)し全廃する提案を国連も支持しているが、本来は国連こそが調査結果にもとづいて担(にな)うべき責務ではなかったのか。
米国による軍事攻撃回避のシリアもロシア提案を受け入れて、米国もシリア軍事攻撃の方針を転換して外交決着を見守る姿勢に転じて、米国のシリア軍事攻撃、内戦関与はひとまず避けられた。
(4)米国は軍事予算の抑制策から中東紛争には距離を置いてきたが、今回のシリア国内の化学兵器使用可能性にあたっては非人道的な見地から軍事制裁を示唆して、直接兵力をシリア国内に投入せずに戦艦、空軍機による限定的な制裁攻撃方針を示唆していた。
しかし米国がこの限定的であってもシリア軍事攻撃を実行すれば、米国民が危惧するようにシリア内戦はさらに拡大し、ロシア、中国との深刻な対立、国際テロの絶好の標的と米国への国際的な責任圧力が強まって深みにはまり、米国にとって抜き差しならぬ不利益な事態を招いたのは想像に難(かた)くないところだ。
(5)それにしても国連の「音なし」の構えはどうしたことなのだ。シリア国内の化学兵器使用調査結果を早く公表し、当事国、関係国の平和的解決へのイニシアティブ(initiative)をとるべき機会に積極的に国連責任をとらない姿勢では本当に存在も意義もない(国連はシリア政府が化学兵器を使用した状況証拠を提示するとの報道もある)。
シリアの化学兵器にとどまらずに、地球上の核兵器を含めた非人道的兵器の全廃が人類共通の目的でなければならない。