(1)米大手EVテスラのイーロン・マスク氏(CEO)が大統領選で共和党トランプ前大統領の支持、支援を表明して、トランプ候補も大統領就任の際にはE.マスク氏を重要閣僚として起用する意向を示している。
(2)E.マスク氏は旧ツイッターがトランプ前大統領が証拠にもとづかない情報をツイッターで拡散しているとしてトランプ氏のアカウントを停止したことに対して、自らツイッターを買収して「X」(新ツイッター)としてトランプ氏のアカウントを復活させて協力姿勢をみせて今回大統領選でトランプ支持、支援を鮮明にしている。
(3)米巨大IT企業は世界に広汎な顧客、デバイスを持ち、情報、利益を独占して仮想通貨の発行も検討して国家機能も所有することになり、既存国家がこれまでの国際秩序、基準、規律維持、保護に動いて欧米日などが巨大IT企業の法規制を強化して対決姿勢を強めている。
(4)E.マスク氏が大統領選でトランプ候補支持、支援を鮮明にして、トランプ前大統領が返り咲きとなって重要閣僚に起用となれば、EV、宇宙事業、IT事業と幅広く事業経営を主導するE.マスク氏が巨大IT企業と既存国家との対決時代にあらたな参戦をして自らの事業、利益拡大を目指す、経営体制を強めて市場経済を支配する意図、戦略がないのか気なるところだ。
(5)あるいは政治家として政界に進出して政治、経済の影響力、利益独占し、トランプ氏に続いて「マスク王国」(E.Musk kingdom)を築く野望がないのか、E.マスク氏のトランプ候補接近にはいくつかの挑戦の意図、戦略も見えてくる。
(6)E.マスク氏の批判を恐れない唯我の独自の道を行く姿勢はトランプ前大統領と同じく、既存世界の国際秩序、基準、規律を崩壊させ、混乱を招くものであり、政治が権力支配独占につながり、経済が市場利益独占につながる手法であり、アメリカ的ではあるが、トランプ候補とE.マスク氏の接近、協力体制は国家、社会の枠組み、理念、思想を超えた行き先異質なものに見える。