いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

開き直りと孤立論。 a defiant attitude and isolation

2024-08-15 20:03:44 | 日記
 (1)岸田首相が退陣表明した。別に驚くことでもない、当然のようにその時が来たと思う。岸田内閣支持率が20%を切り低迷を続けてかってなら危険水域といわれ、世論調査で国民の70%が辞めてほしいと回答している中で、岸田さん(首相退陣を表明したのでそう呼ぶ)には首相を続ける意味がなかった。

 (2)岸田さんには政治、経済、社会で変化、変革のむずかしい時代で政治力で打開、突破する力強さがなかった。メディアのコラムで岸田首相には3年(1期)も首相をやれば十分という「開き直り」がみられるとのコメントもあったが、「開き直り」でこれまで首相を務めてきて9月の自民党総裁選が近づいて「当然のように」退陣表明となっただけだ。

 (3)国民のための「開き直り」ならよかったが、自分のための「開き直り」で政治をやられた国家、国民、社会にとっては不幸であり、それならもっと早く決断する機会、時期はあった。3年1期はやり遂げたかったのであろう。
 政治的課題解決で独断、独善的な手法が続き、一見決断の早い首相のイメージはみせたが、政府官僚、自民党組織を動かす多様能力は感じられずに、政治が「点」で進んで、「線」として理念、信条、思想でつながりのないその場しのぎの思いつきでしかなかった。

 (4)円安で2年続きの税収増で突如国民に還元するとして今年6月に1回限りの国民一人当たり4万円の減税を実施したが、支持もなく関心もないまま過ぎて「点」で終わってしまった。このあたりで岸田さんには矢折れ、刀尽き、力尽きた感があったのではないか。
 岸田さんが就任当初打ち出した成長と分配の好循環はその時代の経済、社会、国民生活には必要な理念、政策であり、安倍元首相の大企業、富裕層優遇政策から転換する発想でもあったが、3年たっても具体化せずに理念倒れに終わってしまった。

 (5)政策実行的には孤立無援のところがあって、目立って、首相としての人を動かす力強さに欠けた。安倍元政権では長く外相を務めて、その後党政調会長を経験して、ひたすら当時の安倍首相からの禅譲を期待しての待ちの姿勢で政治的には弱く、安倍第2次政権7年半の最長期間の中でその機会、声もなく菅前政権が続いての後にようやく岸田首相、政権誕生となった。人の好さは感じられた。

 (6)当時としても党第4派閥で勢力は小さく、それなら小泉元首相のように国民支持を背景にして自民党をぶっ壊す力強さはなく、もし政治家として首相も3年やれば十分との「開き直り」があったのなら、もっと「開き直って」国民のための政治を実行すべきであった。見誤って、国民には後ろ向きだった。

 

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