いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

逆説的国家政治論。 paradoxical theory of state & politics

2024-07-15 20:36:48 | 日記
 (1)銃規制に反対するトランプ前大統領が大統領選選挙集会の演説中に銃撃されて負傷した。政治というのは、国民が政治家を利用あるいは活用して国家を統治、支配する行為であり、国家、政治に理想(utopia)、楽園(paradise)というのはないという現実だ。

 (2)過半数の国民の利益であり、既得権益確保が国家、政治であり、米国ではそれが人種差別であり、銃社会であり、経済格差社会であり、日本では政治とカネ社会だ。仮に政治がいくら人種差別撤廃、銃規制を主張しても政治とカネの腐敗根絶を訴えても、それは理想、楽園であって、過半数の国民の支配、統治する利益、既得権益ではなく実現はしない。

 (3)どこにでも理想、楽園はあるが、現実の国民が国家を統治、支配する政治は中国では共産主義一党独裁であり、中東、西アジアは宗教、民族であり、欧州は伝統的歴史観だ。こういう見方は一見、国家、政治が国民を支配、統治する現実主義とは逆転して逆説的(paradoxical)にみえるが、そうとも言えない。

 (4)米国では銃社会で事件、犯罪、悲劇が起きるたびに大統領は非難し、銃規制の必要性を訴えるが、国民、社会からはあまりそんな声は伝わってはこない。銃規制が国民の利益、既得権益とは違っており、政治には反映されない国民の国家、政治の支配、統治の現実性だ。
 こう理解しないと米国の銃社会、銃による事件、犯罪、悲劇がくり返される、そのために銃規制が完全に進まない社会思想を説明することがむずかしいことがわかる。

 (5)トランプ前大統領は銃撃後に車に退避する時に二度、三度と右こぶしを振り上げた。自らの健在を示すとともに、それでも米国の銃社会の「必要性」、それが米国の理想、楽園であることを示したともいえるのではないか。

 (6)冒頭、銃規制反対のトランプ前大統領が銃撃されるという、パラドックスな現実的でないことが起きたのだ。

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