(1)パリ五輪が始まった。開会式では韓国選手団の入場で「朝鮮民主主義人民共和国」(北朝鮮)の国名がアナウンス(報道)された。100か国以上が参加する五輪でこれまでの通称と違って正式国名を告げるとなると、五輪開催運営する側も気を遣う、間違えてはいけないと(そういう心理的現象もある)かえって間違えることもあるのだろう。
(2)国名なので取り違え、読み間違えがあってはならないが、仏のアジアへの関心の向かう先の違いが出たともいえる。仏マクロン大統領は世界経済を一方でけん引するアジアでも中国への依存、関心を強めており、日本、韓国に対しては来日もG7サミット開催ぐらいで関心は薄い。
(3)日本が長年関与している太平洋地域の島しょ国首脳会議が日本で開催されたが、ハワイに近いと思っていた島国が豪州、ニュージーランドに近い島国だったりしてこちらも関心の薄さは仏と同じだと自覚させられる。
(4)何十年前になるのかバンドTulipが英国を訪れた時(アビーロードスタジオでのレコーディングとは別の時期)に、P.マッカートニーさんがスタジオでレコーディングしていることがわかり、会えることになって、財津さんと姫野さんがスタジオのピアノ(姫野さんが弾いた)でポールがベースで合わせて即興でセッション(ビートルズのレディマドンナ)を行うことになって、日本から来たミュージシャンと紹介したらポールが日本てどこにあるのか(where is japan)と言った話を読んだことがあり、当時は日本は欧州からは遠い国だった。
(5)日本はGNP,GDP2位の経済国であり、G7の主要国として首脳会議を開催して存在感は出てきていたと思うが、同じように欧州からは韓国は遠い国であり、朝鮮半島の北朝鮮問題は米国、日本を含めた同盟国問題という認識なのだろう。そういうことを認識させられたパリ五輪での韓国の北朝鮮国名での紹介、アナウンス(英語、仏語ともに)だった。
(6)グローバル社会といわれる世界だが、何を基準にそう呼ばれるのか考えさせられて、言葉がひとり歩きして実体がつかみ切れていない、追いついていない世界情勢であり、世界の現実はあまり変わっていないことを知らされて、ウクライナ戦争もガザ侵攻も一地域の利害対立でしかない現実観だ。