いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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憲法と排他主義ー憲法記念日に。 the constitutional law and exclusionism

2024-05-05 20:14:59 | 日記
 (1)バイデン大統領が「日本は排他主義だ」と言った記事があった。4月の岸田首相の国賓待遇の訪米後の発言で、岸田首相は訪米ではトヨタの米国内EVバッテリー工場を例にして日本の米国内投資を強調して相互に米企業による日本国内投資の促進を期待する表明をしていたので、バイデン大統領に日本は排他主義だと言われてもつながりがよくわからない。

 (2)どうやら4日の紙面でバイデン大統領が1日のワシントンでの演説で「(日本は)外国人嫌いで移民を望まないから(経済的な)問題を抱えている」(報道)と発言したことに関連してのもののようだ。日本の憲法記念日を迎えて、気になる発言であった。

 (3)排他主義で思いつくのは、戦前の日本の軍国主義で旧日本軍によるアジア植民地支配であり、戦後の高度経済成長では自動車産業中心に輸出産業が世界市場に進出して米国基幹産業の自動車企業に対抗し、席捲し一時GNP、GDPで米国に次いで世界2位の経済国になったことが思い起こされる。

 (4)バイデン大統領の日本は排他主義発言も米大統領選での移民受け入れ問題でトランプ陣営と政策、意見が対立しており、日本にも移民受け入れに積極的に門戸を開いてほしい意向が背景にはあるようだが、最近の日米同盟関係強化からは異質な発言だ。

 (5)そこで日本の憲法記念日を迎えて日本国憲法第9条の何ともおかしな条文を思い起こす。戦後日本国憲法は第9条で「戦力を保持せず」に、「交戦権を放棄する」条文を「平和憲法」として国民の多くも支持してきた。
 日本が戦後79年他国と戦争もなく平和(戦争のない状態をいう)を維持して経済成長してきた大きな要因と考えられている。

 (6)しかしそれは「平和憲法」によって守られてきたものではなく、沖縄を象徴するように国内に米軍基地を多く持ち、国民、県民生活は地位協定で米軍の治外法権化が進み、日米同盟(米国の核の傘)によって守られてきたものだ。
 主権国家が戦力を保持せずに交戦権を放棄するでは国家、国益、国民、社会を守ることなどできない。

 (7)現在では憲法第9条の戦力を保持せずに交戦権を有しないは、集団的自衛権行使によるもので他国の攻撃から日本を守る自衛のための個別的自衛権にはあてはまらないという解釈を国民の多くが支持している。
 しかし第2次世界大戦の敗戦国として戦後連合国側の米国に支配占拠された中での憲法制定では、文言を素直にみれば日本は米国の属国、占領支配下による日本に戦争をさせないための第9条の条文と考えられもする。

 (8)だから米国は戦後日本国内の米軍基地負担を強いて、日米同盟で日本を守る戦後体制を敷いた。日本の保守思想主義、政治家は米国に押し付けられた憲法だとして憲法改正を目指しており、自民党の憲法草案では自衛隊を国防軍として改め、党内には核兵器保有論も根強くある。

 (9)バイデン大統領の頭の中に、そういう日本の近代化の中に戦前の排他主義の思想が感じられることがあってはならない。直近の世論調査でも憲法改正には国民の過半数(52%)が反対を示している。
 
 
 



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