いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

解体的な出直し。 deconstructive start-up

2024-03-07 21:01:56 | 日記
 (1)自民党が17日の党大会の運動方針案で「解体的な出直し」(deconstructive start-up)を図ると明記(報道)する。「解体的な出直し」論というと小泉純一郎元首相時代の「自民党をぶっ壊す」というフレーズを思い出すが、趣は全く違う。
 今回の「解体的な出直し」論は、解党的ではなく派閥パーティ券裏金問題を受けて派閥からカネと人事を切り離して派閥を政策集団として残すというもので、派閥の完全解消は含まない。
 現在も麻生派は従来の派閥形態を維持しており、将来にわたって派閥が復活する見込みは十分に残したものでこれで「解体的な出直し」となるのか、「解体的な出直し」とは何を意味するのかはさっぱりわからない。

 (2)国会では岸田首相が今国会中に政治資金規正法を改正して議員も相応の責任を取る方針を示しており、野党は企業・団体の献金禁止を盛り込む意向をみせているが自民党は難色を示している。
 企業・団体の献金、支持は政党論としては自由であるが今問題になっているのは「政治とカネ」の不正処理の問題であり、これまでも企業・団体の献金には決別を示しては復活をしてきており、これこそ「解体的な出直し」が必要な事態だ。

 (3)企業・団体の献金は自民党の重要な資金源であり、一方で企業利益、既得権益保護と結びついて大企業中心の経済優遇政策とつながる癒着(ゆちゃく)構造を生んできた。自民党は「解体的な出直し」といいながら企業との癒着構造の企業・団体献金は残すという自民党基本構造体は維持するでは「解体的な出直し」論がボケで見える。

 (4)小泉純一郎元首相時代は弱小派閥の小泉首相が派閥力学に抗して国民的人気、支持の高さを背景にして、党総裁選では議員より「党員」支持の圧倒的力で文字通り「自民党(的既得権益)をぶっ壊し」て選ばれたものだ。
 民間にできるものは民間にまかせる「小さな政府」を目指して郵政民営化実現を主要政策として、同法案が参院で否決されると賛成している衆院を解散して総選挙で国民の信を問うという掟破りの行動に出た。

 (5)自民党をぶっ壊す破天荒な論理、行動であったが、国民の高い支持と結びついて郵政民営化に反対もあった自民党政治をぶっ壊すものとなった。もちろん問題もあったがわかりやすく「自民党をぶっ壊す」とはそういうことでもあったのだ。国民が支持した。

 (6)今回の自民党の「解体的な出直し」論は言葉は勇ましいが既得権益保護、形を変えた派閥論は残したままの自民党解体論であり、リノベーション(renovation)であり「解体的な出直し」とはとても見えない。

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