いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

原油高対策。 counterplot of high crude oil prices

2021-11-27 20:21:20 | 日記
 (1)コロナ社会で一般診察を控えた影響で20年度医療機関では経営が悪化(-6.9%)したが、コロナ補助金でわずかに(+0.4%)好転回復した。(厚労省調べ)政府のコロナ補助金制度が生かされた事例だが、20年から21年度予算に30兆円使われずに繰り越されたカネが生かされていればもう少し経済、社会、国民生活に改善がみられた。

 (2)今、原油高の影響で世界経済は物価値上げで国民生活を圧迫し始めている。コロナパンデミックで世界的に経済、産業、社会が停滞して石油が余りだし、産油国でつくるOPECプラスは石油価格の維持のために原油生産を減産して対応していたが、各国でのワクチン接種が進んで経済、産業、社会も動き出して世界的に石油不足が顕在化して、一気に石油価格の高騰となり物価値上げに結びついて国民生活への負担増となった。

 (3)これに合わせて産油国が原油生産を引き上げてくれればいいものだけれど、米国などの産油国への原油増産の要請にもコロナ後の経済展望がまだ見えにくい現状で産油国は原油増産に踏み切らずに世界的な原油高、物価値上げが続いている。

 思惑はふたつ、ひとつは気候変動枠組み会議(COP26)で将来のカーボンニュートラル実現に向けてCO2排出主要国が削減目標を打ち出す中で、欧州、中国など車市場ではガソリン車製造を中止してEVへの転換を打ち出しており原油、石油資源は将来展望がひらけずに、産油国としては資源価値の高い今のうちに原油、石油価値、利益を最大限有効に活用したい意向が考えられる。

 (4)これに対して米日中印英韓は共同して各国所有の石油備蓄を市場に放出する決定をした。米国で国内消費量の3日分、日本で2日分という石油量で、ほとんど物価値上げ抑制には影響しないもので専門家、市場からも効果は否定的だ。

 産油国に対する消費国の結束圧力を示して市場、国民向けにアピールしたものと思われるが、折角COP26ではCO2世界排出主要国がそろって化石燃料削減、廃止、カーボンニュートラル実現目標で結束しておいて、原油高、物価値上げとはいえ石油備蓄を市場に放出するという方法論(methodology)は気候変動、カーボンニュートラルに対する反対行動となるもので、いつまでも石油依存社会から抜け出せずに改善しないことになるメッセージでしかない。

 (5)冒頭のように政府補助金制度が効果を上げていることもあり、国内企業もこれまで最大の内部留保を蓄えており、政府も予算を使いきれずに繰り越し、積み残しも多く財政支出対策をとることで石油備蓄放出ではない政府、企業が一体となって財政、資金効果的原油高対策を考えるべきだ。

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