いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

イラン核合意の波風。 disturbance of a nucleus agreement in iran

2019-07-11 19:29:24 | 日記
 (1)イランという国家も中東の地政学的位置、影響の中でほんろうされてきた歴史を持ち、ホメイニ師が国外追放から帰国を果たしてイスラム法国家体制のもとにイスラエル擁護の米国対立を鮮明にして(米国大使館人質)核開発にも着手してきた。

 その間により温厚な現実主義のロウハニ大統領が登場して、核開発中止を求める米英仏独など主要6か国と国内に貯蔵する低濃縮ウランを濃縮度3.67%に抑える核合意(a nucleus agreement)を結んだ。

 (2)低濃縮ウランを核兵器開発に使用するためには濃縮度90%に高める必要があり、核合意レベルでは核開発はほど遠いものだ。
 核合意ではどうして全面非核化が実現しなかったのか、濃縮度ウラン3.67%は医療用あるいは原発用として利用可能(報道)といわれているが、そこのところの経緯はわからない。

 米国がトランプ大統領登場によって北朝鮮の非核化を迫って、イランの核合意に対して不公平合意だとして核合意からの離脱を表明したのも全面非核化合意でなかったことが背景にあるのだろうか。

 (3)トランプ政権によるイラン核合意からの離脱によりこれにイランが反発して核合意を破棄(核開発の再開)する対抗措置に出て、イランと米国の対立が拡大していた(ホルムズ海峡での日本海運のケミカルタンカーが攻撃され、英国タンカーの拿捕騒ぎも起きている)。
 イランは核合意による濃縮度ウラン3.67%を超えて5%(報道)に高めて20%に拡大する意向を示している。

 これでも核兵器開発に必要な90%にはほど遠いが濃縮度ウラン20%まで高めると90%はすぐ手の届く範囲のものといわれて、核開発が現実として可能なものとなるものだ。

 (4)イランの核合意違反が米国トランプ政権の核合意からの離脱によるものなのか、そもそもイラン核合意が核兵器開発の可能性を残した不公平合意だというトランプ大統領の懸念の結果なのか、どちらが先でこうなったのかはわからないが結果としてイランが核合意レベルを遵守せずに濃縮度ウラン5%まで高めたことはトランプ政権の懸念が現実のものとなったものであり、英仏独など核合意継続国にとっては苦しい立場に追い込まれることになる。

 (5)これにトランプ大統領がイラン攻撃指示を10分前に中止してさらなる追加制裁を表明しており、イランでは食料価格が2倍(報道)にはねあがり、国民生活を直撃しているといわれる。

 イラン国家体制も温厚、現実主義のロウハニ大統領ではなくイラン最高指導者のハメネイ師が統治して米国トランプ大統領への不信、対抗措置を表明して対話を拒否しており、予断を許さない状況が続く。

 (6)米国トランプ政権が不公平合意としてイラン核合意から離脱したからこうなったのか、そもそもイランが核開発の可能性を残した核合意だった結果なのかどちらが先の対立の巡り合わせだったのかわからないと書いたが、イラン核合意の濃縮度ウランレベル3.67%が招いたイラン核開発の余地の波乱、波風だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする