いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

数字のひとり歩き。 walkijg by oneself of number

2019-07-10 20:10:20 | 日記
 (1)地域政党減税日本の代表を務める河村名古屋市長は、就任時に当時1000万円以上だった市長報酬を市民生活レベル並みの800万円に減額した(したといっても議会の反対を受けてすったもんだのあげく政治取引で特例として実現した)。
 市民生活レベルといっても年収800万円は市民収入としては中の上クラスといえよう。

 (2)参院選の焦点となっている金融庁審議会試算の夫婦で老後30年で2000万円必要との数字も公的年金だけで「現役時代の生活水準維持」に必要な金額としての試算であり、専門家の試算では年収300~500万円未満水準の1900万円必要に相当する。

 これが専門家の試算では平均的年収500~750万円未満で3200万円必要ということになり、実際は3000万円必要という根拠にもなっている。

 (3)数字がひとり歩き(walking by oneself of number)するとよくいわれるが、「現役時代の生活水準維持」(報道)の場合の前提つきで、リタイアすれば生活水準が変わる、変えることはごく当たり前のことであり、行動範囲も狭まれば機会も減り食事の嗜好、量も年とともに変化するものでその度合いはもちろん推し量ることもむずかしい基準だ。

 (4)その間に身体も不自由になり医療費、介護負担も増えてきて、この時代でも現役時代の生活水準維持など考えられない基準でもある。
 老後2000万円ないしは3000万円必要試算はそれだけあれば不自由せずに不安もない金額ということであって、カネはいくらでもあればこしたことはないものには違いないという評価額だ。

 (5)これが平均的中クラスの年収分のものであり、年収300万円未満(老後1800万円必要)から年収1000万円以上(老後6550万円必要)まで幅広く多様な生活水準、事情が背景にはある。

 リタイア後はどれだけ生活を切り詰めて老後に備えるかの前提条件の問題で、金融庁審議会試算の老後2000万円問題は現役時代の生活水準維持を基準とした(そのほかそれぞれの生活事情など考えようもできない)ものでありどれほどの意味のある試算データなのか無用の混乱を招いただけで、それを諮問した麻生金融担当相の真意を問い質したいところだ。

(6)本人は当初これでは「赤字」になると述べて多分に消費増税による年金財源の確保の必要性を言いたかったのか、が然騒ぎが大きくなるとトタンにこの諮問を受け取らないと言いだして政府の方針とは違うと混乱を拡大させた。

 そもそも老後2000万円必要問題の本質、基準、対象も不明確でわからないものを「数字」だけがひとり歩きして将来不安をかきたてる錯誤を招いた。
 報酬800万円の河村名古屋市長はどう考えているのか。

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