いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ツイッター会談のこの軽さ。 this lightness of twitter conference

2019-07-02 20:11:38 | 日記
 (1)トランプ大統領がG20後に韓国訪問で非武装地帯の板門店で北朝鮮の金正恩委員長と会い、そのまま境界線を越えて2人で北朝鮮側に足を踏み入れた。三度世界の耳目を集める金正恩委員長の子どものようなうれしそうな顔が印象的だった。

 事前に書簡を交わしていた報道もあり、いわれるように当日トランプ大統領がツイッターで板門店で金正恩委員長と会うことを呼びかけてそれに金委員長が応えたというのはできすぎの演出であり、にわかには信じられないが、2人の関係は両国首脳の重い責任関係というよりは祖父と孫のようなありふれた日常関係の出来事のようにしか映らない。

 (2)G20も協議の成果よりはせめてもの世界の主要リーダーが一堂に集まることが大事なのだと書いたが、板門店でのトランプ大統領と金正恩委員長との「会談」もこんな設定でまともな話し合いができるはずもなく、メディアが騒ぐほどのこともないただ会っただけのパフォーマンスでのことだ。

 米朝首脳会談はこれまで2回開催されているが、どれもが打ち合わせ、準備不足で米朝政府、機関の人材不足の影響があらわれており。北朝鮮では2回目会談が予定された昼食会がキャンセル、物別れとなる結果を受けて関係者の処分が行われたという憶測も聞かれた。

 (3)結局はトランプ大統領と金正恩委員長のともに政治経験、政治力の不足がそのまま結果にあらわれているという、世界が注目する米朝首脳会談にしては内容が伴わないもので、それでも「2人」があっていることがせめて北朝鮮の核実験、長距離弾道弾ミサイル発射(日本上空を通過)が行われない結果となっていることが幸いといえるものだ。

 (4)そこで今後も米朝実務者協議を進めて北朝鮮の非核化が進み実現するのかといえば、首脳会談に自信のみえないトランプ大統領が非核化プロセスは急がないと表明して、米朝首脳会談の成果に期待を持たせない姿勢をみせるだけでは北朝鮮の非核化実現はむずかしいものだ。

 そもそも核保有先進国が後発核保有国の非核化だけに圧力をかけても正当性はなく、これまでの米朝首脳会談でもトランプ大統領のブラフ(bluff)はあっても北朝鮮が非核化に向かう気配はなく、事態はそれぞれの国益をどこまで許容するのかの落としどころの探り合いというところだ。

 (5)やはりトランプ大統領と金正恩委員長の政治経験、政治力不足が2人の首脳会談の「限界」を示すもので、今後も大きな進展など期待できずにトランプ大統領は来年の再選をにらんでの話題作りであり、金正恩委員長は北朝鮮のリーダーの地位持続を目論んでのそれぞれの自己都合の中で動くしかない「限界」の関係が続く。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする