大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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自治体政治(大田区)から考える、今回の減税と竹中平蔵氏の新自由主義と

2023年11月05日 | フェアな民主主義

期間限定とはいえ、国が所得税と住民税を、「減税」と言い始めています。                                                                                             

 これは、1年減税しても、社会保障は問題なく執行できる証明です。

 国も自治体の財政も、会計年度独立の原則と言って、その年に集めた税金で、その年の需要(必要)を賄うというのが原則だからです。


 1年減税できるということは、減税で必要な財源は足りているということです。

 減税しても大丈夫なのだから、
 今の税金の集め方、使い方、

 税の取り過ぎ、無駄遣いをもっと問題視すべきです。
 
  


 

しかも、納税義務者だけでなく、扶養家族にも所得税3万円と住民税1万円の減税分併せて4万円を一律で給付し、非課税世帯には7万円給付すると言います。

 

   税金を払っていない人や世帯にも給付するのですから、減税ではなく「給付」です。

 

 竹中平蔵氏は、日本の社会保障制度を整理して、国民全員に一人7万円の一律給付=ベーシックインカムを提唱しています。
 
 今回、非課税世帯ではありますが、奇しくも竹中平蔵氏が提唱するベーシックインカムの7万円と金額が同じ。
 
 私は、ベーシックインカムの準備が始まったとみています。

 ベーシックインカムは、現金給付で、誰もが現金をもらえるから良いと歓迎するかたもいると思いますが、

1.財源は税金です。
2.全員に一律給付なので、所得の再分配にもなりません。
  日本の税制は株の配当や利子補給などで暮らす一部の資産家や高額所得者に低く、それ以外の給与所得者層の負担が大きく、累進性が低いため、社会保障を整理して現金一律給付にすると、所得の再分配機能が薄れます。

 しかも、
 ベーシックインカムが今の給与水準で永遠に給付される保証はありません。

 

 本来すべきは、社会保障政策と雇用政策の是正です。
 

 昨今の政治は、国民の強い反対を受けずに目的を遂行しようとするため、順番を逆にする手法をとることがあります。

 ●増税する前に減税する、
 ●法改正を前提に、特区だからと安心させて一点突破する(特区で一点突破したら法改正せざるを得ないよう法整備しておく)

この場合だと
 国は、国民の大半が低所得化することを想定しているとみるべきだと思います。
 ↑ここがゴール

 そのための対症療法が、現金給付のベーシックインカムだと思います。
 
 そこを言ったら、低所得化を防がない国が批判されますから、内緒にしている・・・、
 低所得化することを容認していると言っても良いかもしれません。

 

 ベーシックインカムの給付は、将来、国民の大半が低所得化することを国が想定しているから、とみるべきでしょう。政治は、構造改革以降、大資本、機関投資家、グローバル資本の利益増大を「規制緩和」でアシストしてきたからです。

 物価高騰のこの時期に、
1.物価高騰に追いつかない程度の賃上げを政治が後押しした形をとり、
2.それにより、小規模事業者の負担を増やし、小規模事業者等が淘汰される方向に誘導、
3.最終的には相対的賃金を下げる

 ベーシックインカムの7万円前提の社会、7万円無しに国民が生きられない社会は、働く世代が夢を見られない社会です。
 

 目先の「わずかなお得」で明日の権利を失うことなく、いまも続く、税金の払い過ぎ、一部の投資家、グローバル資本の利益に税が使われる税金の無駄遣い、お金の流れに声をあげるべきです。


_________________________________________

おまけ

 

たとえば、直近の大田区の税務概要や人口などから(税務概要特別区民税 P11 P20 P23)

納税義務者数が430133人なので、


およその

試算すると、減税額は、所得税(国税分)     430,133人×3万円=129億0399万円
           住民税(大田区収入分)  430,133人×1万円= 43億0133万円
                                                                                                                          ___________
                                                                                                                          172億0532万円

      給付は、 非課税          167,739人×7万円=117億4173万円

減税は 住民税43億円+所得税129億=172ですが、
    納税義務者への減税       172億円
    配偶者と扶養への給付       34億円
    非課税者への給付は意外に多く  117億円なります。

                    151億円
    減税172億円に対し、給付が151億円です。
減税が目的というより、実は給付ではないでしょうか。
実際、厳密な意味での減税対象となる納税者数は大田区で言えば43万人ですが、対象者は8万6千人多い51万6千人



  納税義務者数  430,133人

  扶養      38,842人

  0~15歳人口 47,067人(2023年1月1日)
 
_____________________________

         516,042人


  非課税世帯は 167,739人

________________________________

         683,781人

 

国でも対象者数は、9000万人くらいと言っていますから人口73万人の大田区で、合計683,781人というのは、参考の数としてはまあまあの数字でしょうか。

 

加えて言えば、国は、大田区の住民税収は730億円。減税分は51億円。51億円無くても区政に影響はないと国が見ているということだと思います。

確かに、2022年の大田区の決算をみれば、基金を33億円も増やしています。
消費税収187億円のうち社会保障関係に使ったのは109億円で78億円は社会保障関係に使っていません。


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