大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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大田区の地下も通る リニア中央新幹線大深度地下に関する意見 大深度地下法の公共・公益性の論点

2018年06月15日 | 住民自治・地方自治

大田区の地下をリニア中央新幹線が通ります。

○東京都大田区上池台一丁目、上池台二丁目、東雪谷一丁目、東雪谷二丁目、 石川町二丁目、田園調布二丁目、田園調布三丁目、田園調布四丁目、 田園調布五丁目地内 (地下60mから地下103m)


普通の鉄道なら、関係する住民に対し事前に説明があり、補償がありったりしますが、大深度地下の利用が認可されれば、基本的には何も補償されません。

重大な個人の権利の侵害ですが、大深度地下利用の認可を前提にしているのか、対象住民への説明もありませんでした。しかし、大深度地下の認可はこれからです。

問題の多いリニア中央新幹線の大深度地下利用について、意見を言えます。
申込に際して意見を詳しく書きなさいとあるので、参考まで奈須りえの意見を書きました。公聴会の申し込み締め切りは6月18日です。

https://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/b670d2589e8d97d52dcbe7329fdc1913

 

 


 

 

 

大深度地下法は、公共性が認められた事業について、公益性や事業者の能力などに照らし合わせて認可します。

申込者を選別すると国交省が言っていたので、嫌な感じです。
公聴会は、事業を進めたい事業者=JR東海がいて、それに対して異議を唱えるための場です。
(もとは国有鉄道だった)財力をもったJR東海に対し、異議を唱える住民は個々の小さな力です。大深度地下の土地収用が、公権力の過剰な行使にならないか、行政が住民に寄り添い点検をする場が、公聴会であるべきだと思います。


奈須りえはこういう意見をもって申し込みました。選ばれたかどうか、結果もご報告しますね。


1、JRという営利事業者が行う事業における、そもそもの公共性の有無が検証・立証されていない

リニア中央新幹線を作ることで、東海道新幹線による大動脈の二重系化もたらし東海地震など東海道新幹線の走行地域に存在する災害、リスクの備えとなる。というが、東海道、東海道新幹線、航空路、東名・中央自動車高速道路などすでに、東京大阪間は何重にもリスクの備えとなる交通網を備えており、リニア中央新幹線建設は絶対に必要な事業ではない。

それどころか、新たなインフラ投資は、さらなる国民負担を招く。

民間事業であれば「使わない」ことも可能だが、東京ー名古屋間の移動は生活やビジネスにおいて国民の日常的な交通網になっている。

リニアを建設すると、のぞみを廃止し、こだま、ひかりを重視した輸送形態へと変革することを示唆している。東海道新幹線をこだま化するということ。鉄道の老朽化に伴うリニア建設と言いながら、東海道新幹線も使うといっており、説明に一貫性がない。

結果として、国民の東京ー名古屋間のインフラ負担は、強制的に二重になる。

事業者が自ら、土地を購入し、必要があれば補償するなどリスクを担い、建設するならともかく、大深度地下を土地収用させてまで行うべき事業ではない。

JR東海は、鉄道網を備えると3大都市圏が相互に一時間で結ばれ、国際競争力を向上させる好機をもたらすとして期待しているが、大都市圏が鉄道でつながることだけでは、国際競争力向上にはつながらない。

上越新幹線はじめ各新幹線が、地方都市の国際競争力を高めたという事例を聞いたことがない。

 

しかも、東京のみならず、名古屋ー大阪までもが、世界から人、モノ、カネをリニアで集め、世界を先導していくというが、人口減少という右肩上がりを望めない時に、都市部への集中政策をとれば、相対的に地方をさらに疲弊させるだけで、格差が広がる。

 

加えて、リニア中間駅の活用で、都会から人が訪れる地域を作ろうとしているが、リニア建設で自然を次々壊すことになる。(道路建設、残土の搬出入)観光資源を人工的に作っても観光資源にはならないし、あった自然はリニアを作ることで壊される。

リニアを開通させることで、洗足池の水が抜けるのではないかという心配があるが、JR東海の説明だけでは、納得のいく説明にはなっていない。

 

2・具体的な公益性の判断はメリットデメリットの双方を明らかにしたうえで、国民のメリットが大きいことを明らかにしたうえで判断されるべき

 

大深度地下利用は、鉄道事業法第7条第1公に規定する、鉄道事業の許可を受けた者の事業が対象だが、それでは、鉄道事業であれば、なんでも許可を与えるものではなく、使用認可の7つの要件をすべて満たす必要がある。なかでも、3号要件の公益性は、単に鉄道事業者だから認可されるべきものではなく、事業の個々について判断される。

 

人口減少社会に突入し、社会インフラそのものが対人口でみれば、過剰になっていくなかで、新たな投資は、格差をまねき、国民を疲弊させる。

 

そもそも公益性は、鉄道を建設することの必要性、財政負担、国民の可処分所得の推移と変化の予測、都市構造や人の流れの変化など、総体的に判断すべきだが、良いことだから行うべきになっていて、具体的な公益性について示されていない。

 

それどころか、営利事業者であるJR東海は、リニア事業を行う事で金儲けをするわけで、私益の事業。鉄道事業だから、とそこだけに公益性を見出す事には無理がある。

 

 

3・事業者の事業遂行の意思と能力の確認ができていない。事業者には質問したい。

 

JR東海は営利企業で、リニアはペイしないと言っている。

【質問1】
リニアで赤字になった場合、他の事業の利益をまわすなど、自己責任でどこまでこの事業を遂行するか明らかにされていない。JR東海には、事業採算が取れない場合、自己責任で事業運営する意思を確認したい。
すでに、3兆円の財政投融資が投入されており、資金調達において能力のないことが判明している。

【質問2】大阪までの開通を早めるためというが、大深度地下の認可を受ける前にすでに財政投融資3兆円受けて1年以上がすぎている。政府はアベノミクスで資本に対する配当が10%以上の上場企業が3社に一社になっていると言っており、3兆円で10%なら3000億円。5%でも1500億円で、工事着工前、あるいは、着工してもわずかなこの間に政府の3兆円が何に使われたか示してほしい。

 

大深度地下利用は、利用する事で鉄道事業という営利活動を行って利益を株主に配当するJR東海にとって、土地代を負担せず投資できる旨味のある事業だから、第三者が入って判断すべきだが、JR東海が【事業を遂行する十分な意思と能力を有するかどうか】を判断する事になっていて制度に不備がある。

 

4・大深度地下法の運用および解釈の誤りによる手続きの瑕疵

 

大深度地下法の認可はまだ取れていないにもかかわらず、地下の権利はないものとして事業が進められてきた。地域住民の中には、自分の家の真下をリニアが通るにもかかわらず知らされていない人が多すぎる。

大深度地下の利用が認められているならともかく、認められていないにも関わらず、大深度地下利用の権利を受けたかのごとく、これまで説明を行ってきており、国民の権利を侵害した事業の進め方は明らかである。

 

JR東海は、大深度地下利用の意見募集締め切り間際に、ようやく、大深度地下利用する計画経路上の全住宅にポスティングしたときく。しかも、中央新幹線という名称だけのため、気づかぬ住民もいたであろうことは想像にかたくない。

JR東海自ら、周知が足りなかった事を認めたかたちになっているにもかかわらず、この期におよんで、名称において「リニア」を使わず住民にきちんと知らせる誠実さを感じられない。

すくなくとも、大深度地下利用が認められていない中でこれまでの手続きは進められるべきで、再度説明会を開催すべき。

 

5・3兆円の財政投融資により公共事業となった現在、あらためて、公共事業としての必要な要件を備えているかどうかの点検をすべき

 

JR東海は、国鉄民営化により、いまや株主利益を追求する営利企業となっている。国鉄だった時と同じ気持ちでリニア中央新幹線建設を行っているようだが、鉄道事業を行えば公益性、ましてや公共性があるとは当然だが言えるはずがない。

3兆円という莫大な財政投融資をすでにJR東海は受けている。これは、日本再興戦略にROEが1割を超える企業があるということからも、国民の資産で、年に3000億円の投資利益をJR東海にもたらしていることになる。

JR東海は、営利企業でありながら、国民の財産によりこの事業認可を受けており、その公共的責務を自覚すべきである。

3兆円の財政投融資を受けたことで、リニア中央新幹線事業が公共性を持つ事業になっているが、それでは、リニア中央新幹線が、公共事業としての要件を備えているかと言えば、明らかになっておらず、明らかにすべき。

 

そもそも、地下の私権を民間の営利活動のために制限することは、憲法の規定からも、大深度地下法の趣旨からも不可能である。

仮にも土地収用法に基づくものであれば、公共交通としてのリニア中央新幹線の必要性を、精緻な調査と予測のもと、リニア中央新幹線がもたらす、国民の経済的財政的負担とともに示して初めて、大深度地下利用は認められる。

それを怠るなら、国民の権利の侵害も甚だしい憲法違反の事業となる。

よって、これまで提供された情報では不十分で、手続きにも不備があり、大深度地下利用は、させるべきではない。


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