格差の拡大や貧困が大きな問題になっているにもかかわらず、財政的視点から社会保障の伸びを大幅に抑制する政府の「骨太方針2015」のターゲットは医療です。となると気になるのが無保険者数。
ところが、大田区始め行政は無保険者数のデータがありません。
そこで、試算したところ2,839人という数字になりました。
知り合いの、大田区で路上生活者を支援している医師に、この試算結果をお伝えしたところ、実感としてそのくらいいるのではないかと言っておられました。
75歳以上といえば、個人差はあるものの、健康に不安を抱える年齢です。
74歳以下は、企業や組合の保険に加入している人も多く、それらの人数の把握が困難なことから、無保険者数を出すことは簡単ではありません。
一方の後期高齢者医療制度は75歳以上の医療保険を一元化しているため、人口から後期高齢者医療制度の被保険者数を引き、そこから、生活保護受給者をとその中の住所不定者を加味すれば、おおよその大田区の75歳以上の後期高齢者医療制度に加入していない人数を試算することができるのではないかと考えました。
データは平成26年度末
75歳以上人口 75,044人
75歳以上後期高齢者医療制度被保険者数 △71,207人
75歳以上生活保護受給者数(住所不定者除く) △998人
2,839人
合わせて、国民健康保険も、人口が増えているにもかかわらず、被保険者数が減っている。
国民健康保険の加入割合が減っている。
国民健康保険、後期高齢者医療保険以外の人が増えているという結果がよみとれます。
後期高齢者医療制度と国民健康保険を合わせた加入者の割合もどんどん下がっています。
行政は、莫大な金をかけてコンサルやシンクタンクに調査を委託しますが、政策に必要なデータをとっていないこうした状況をみるたび、本気で取り組む気があるのだろうか、と思います。