うろ覚えライフ。

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引き籠もりネット廃人

2010年04月19日 | 時事社会ログ

 

○愛知・豊川の家族5人殺傷:「ネット競売、借金300万円」 父、警察に相談

 

 ◇長男トラブル、父が警察に相談

 愛知県豊川市の一家5人殺傷事件で、殺害された会社員、岩瀬一美さん(58)が事件直前、県警豊川署に「長男が自分のクレジットカードを勝手に使い、ネットオークションなどで200万~300万円の借金を作った。どうすればいいか」と相談していたことが17日、分かった。捜査幹部が明らかにした。一美さんはその後、自宅の電話を止めてインターネットを使えなくしたという。同署は長男の高之容疑者(30)=殺人未遂容疑で逮捕=がこれに激高して家族を襲ったとみて調べている。

 ◇けがの家族、刺し傷10カ所以上

 捜査幹部や親族によると、高之容疑者は引きこもり状態にあった事件前、ネットに一日中没頭したうえ、ゲームなどをオークションなどで購入しては一美さん名義のカードで支払っていた。一美さんら家族は12~15日に計8回、購入などに関するトラブルを巡って110番したり「これ以上エスカレートさせないためにはどうすればいいか」と同署に相談していた。

 一方、一美さんの遺体には顔や首などに4カ所▽孫の金丸友美ちゃん(1)の遺体には額や左腕などに3カ所の刺し傷や切り傷があることが同署の調べで分かった。司法解剖で一美さんの死因は出血性ショックだった。

 さらに妻正子さん(58)=1カ月の重傷=は顔や太ももなど10カ所▽三男文彦さん(22)の内縁の妻、金丸有香さん(27)=同=は首や手など17カ所▽文彦さん=2週間の軽傷=も顔や首など10カ所の傷があった。正子さんは顔に殴られた跡もあった。

 高之容疑者は一美さんだけでなく他の4人も執拗(しつよう)に襲って自宅に火を放つなど、家族全員への殺意をうかがわせる行動を取っており、同署は動機の解明を急ぐ。

 ◇直前の12~15日、警察に8回相談

 家族が事件直前の12~15日に計8回相談していた、高之容疑者とのトラブルについて、同署は8回とも、話し合いによる解決を助言したが、結果的に事件を防げなかった。高之容疑者の暴力や家族のけがは一度も確認されなかったうえ、11日以前には相談や通報は一度もなかったという。

 同署によると、12日夜、岩瀬さんの次男(24)が「兄が父と口論して怖い」と署に通報。家族は駆け付けた署員に、高之容疑者のネットオークションでの借金を説明。署員の仲介で「借金はこれ以上せず、少しずつ返す」ことで和解したという。

 13日夜には署で「クレジットカード会社から警察に被害届を出すよう言われた」と相談。署は「親族間の金銭トラブルは被害届を受理できない」と説明した。

 15日にも「兄が物を投げたりして暴れている」などと110番があったが、けが人はなかった。

 

 

 これもやっぱり、“絶望”の果ての行為だったんだろうな。結局、“絶望”するしか手段が見つけられなかったんだろう。

 自分の部屋という王国、たった一人の王国だが、ここから出るのが、ものすごく怖かったんだろう。容疑者は15年ほど前から引き籠もり状態にある、という。現在の年齢が30歳だから、普通なら中学3年生時頃からだ。多分、高校進学もせず、社会に出たことはないのだろう。15年前というと、95年あたりか。ある時期からインターネットに没頭したんだろうな。多分、2000年代に入ってからネットのゲームに夢中になり始めて、挙句は多分、2000年代半ばから“ネトゲ廃人”様だったんだろう。

 15年間もの長き間、親の家の自分の部屋で引き籠もり状態で、一度も働いたことがない、社会に出たことがない、という状況で、外に出るというのは本当に怖いものだろうな。引き籠もり期間が長くなればなる程、引き籠もり者が歳を取れば取る程、外に出るのは難しく、さらに難しくなって行く。

 たいていは親がすごく優しいんだよね。中流以上の家庭環境で。

 いつか、TVである識者が、昔はグレて、だっけか、子供がおかしくなると、家出をしたが今は引き籠もる、とか言ってた。今でも家出する子供も居ようが、昔は住宅事情と兄弟の多さ、生活費の余裕から“引き籠もり”する子供はあまり見掛けなかった。“引き籠もり”になる子供が出始めたのは、80年代に入って総中流時代と言われてからだろう。社会問題になって来たのは、バブル後で、90年代後半くらいからか。顕著な社会問題としてメディアで取り上げ始めたのは、21世紀に入ってからですね。インターネットの発展と平行している、といえばそうも言えるけど。携帯電話のパソコン化とか、ともね。

 中三頃からの引き籠もり。この子は登校拒否だったんじゃないかなあ。高校進学出来ないような家庭環境にも見えないし。一度逃げて、自分の部屋へ逃げ込んじゃって、出れなくなったんじゃないかなあ。出る機会を失ったんだろう。自分では見えない(気付かない)親の庇護が続いていて、三度三度の食事があって、自分だけの狭い自由があって、孤独だが束縛がなく、眠りたいだけ眠れて、多分TVとかオーディオとかもあって、インターネットという友達も居て、確かに限定された狭い空間の中だけだが、ある意味不自由なく安心して暮らして行ける。

 そりゃあ勿論、イロイロと考えるだろう。大いに悩むだろう。これでいいのか、これでいいのか(いい訳がない)、と気が狂うくらい悩むだろう。でも、最終的には完全庇護者である親が居てくれる。悩み悩みの堂々巡りの中で、安心して生活して行ける。悩みの爆発は親に八つ当たる。悩み悩んで、世間が社会が運が神様が悪いと、大いに嘆く。しかし、どうしても一歩外に出る勇気が出来ない。外に出れない。

 30歳という大人の年齢では、ものすごく短絡的ですよね。およそ思考がないくらいに短絡的。ネットのハイテクゲームの世界では、高度なゲーム空間の中で、自分の分身を操って、相当アタマを使ってるだろうに。ゲームの仮想空間では、息つく暇もない程頻度高く、高度な(?)思考を繰り返しているだろうに。実際の、現実問題に対しては思考停止状態で短絡的行動に出てしまう。ゲーム脳は、現実問題に際しては、全く役に立たない、というコトか。毎日毎日ゲームで遊んで、それで相当に脳味噌を使っても、ゲームの仮想空間と現実社会は全く違うから、ゲームで作った脳は実人生では何の力もないんだろう。ゲームがうまくなっても、それで飯が食える訳じゃないし。当然だろうが、引き籠もり生活の期間、まだ片っ端から本を読んで行った方が、そりゃあ役に立つ訳だ。

 引き籠もってたら本を読み続けたら良いのに。でも、そういう心の余裕が出来ないんだろうな。だがしかし、ゲームには熱中する。というかゲームに没頭する。ネットのゲームはある種、病気だからな。ゲームは依存症ですね。

 インターネットゲームの没頭は、社会問題になってますからね。

 普通は、高校生時と大学生時の期間にいっぱいアルバイトして、社会に慣れて免疫を作っておいて、実社会の組織の中に入って仕事するのが良いんだろうね。それが一番良い、子供から社会人への成り方だろう。

 企業の組織の中で、社会生活をして行くのは慣れると何でもない普通の日常生活だけど、長いこと引き籠もり者生活をやっていて、いきなり企業組織内で働くのは、そりゃあメチャメチャ厳しい大変な世界だろう。実際、現実社会とは厳しい。免疫がなければ超キツイ世界だ。長年の引き籠もり者がいきなり入って行くには難し過ぎる世界だろう。こういう人たちは、もう一種の病気状態なんだから、最初は更生施設から始めた方が良いと思う。

 そういった更生施設を作り、既にそういうふうなものが現にあるのかどうか僕には解らないが、最初は一度、全寮制の更生施設内で暮らし、毎日、規則正しい生活を送り、自分一人だけの自由気ままな生活空間を忘れ去り、それに比べれば規則や規制が多い、比較的厳しい実社会の生活に慣れて行き、仕事もまた、責任度のゆるいものから入って行く。要するに、厳しい現実社会に慣れて行く期間を過ごす場所が必要だろう、と僕は提唱するのだ。で、ないと免疫のない者がいきなり実社会の荒波は無理だよ。それこそ、現実の人間関係や上下関係、厳しい命令社会にアタマがおかしくなって殺人事件を起こしたり、高速回転する機械に身体ごと突っ込んで大怪我したり、工場ビルの屋上から飛び降りて自殺したりしちゃうよ。

 家出も心配だが、まだ家出の方が、普通一般の常識的社会人に成るには立ち直りが早いような。でも家出はグレてる訳だから、闇社会と関係を持つのがものすごく心配だよねえ。家出は、犯罪と隣り合わせになることに近い、だろうからね。

 ご両親には気の毒だが、親の態度としか言えないよなあ。やっぱり家庭での親の態度なんだろうなあ。

 学校教育もものすごく大事だが、家庭環境も大切だなあ。何だかんだ言っても、子供を育てるのって難しい。

 

※(真相)他の方のサイトで無断リンクなのですが‥ 愛知・豊川の家族5人殺傷事件 岩瀬高之被告の控訴審判決 懲役30年(求刑・無期懲役)2012-08-10 | 社会
・・・ 殺傷犯の長男(事件当時30歳)は、知的障害を持っていて自閉症の障害もあるんですね。記事を読む限り、知的障害は軽度と思われますが。一、二年くらいですが、実社会での労働経験もあるようです。事件直後の、僕の、上記コメント文は、事件家族の詳細や真相を知らなかった事があり、当事件に対しては少々、とんちんかんな感想コメントになっているようです。

 

コメント
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