旅限無(りょげむ)

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去るもの日々に疎し 其の七

2008-10-06 22:50:38 | 日記・雑学
■別の人を取り上げる心算でしたが、どうやら横綱の引退がぐっと近づいたようなので、共に去るかも知れない人達も含めて「八百長」疑惑を取り上げます。でも、大相撲の八百長疑惑と言えば、四半世紀も前に週刊ポストが社運を賭けるような大キャンペーンを張ったことを思い出した人も多かったのではないでしょうか?あの時の「胴元」は当時の横綱千代の富士、今の九重親方だったはずです。スポーツ新聞も週刊誌も毎日、毎週のように書き立てて、「注射」という業界用語が知らない者が無いほど知れ渡ったのはあの時でした。

■今回は週刊現代が第二次疑惑戦争を仕掛けていて、今回の「胴元」は横綱の朝青龍だそうです。裁判の証人に呼ばれた御本人は「注射」という相撲界の業界用語を知らないと断言したそうですが、相撲協会の講習会で使われる教科書には掲載されていないのでしょうし、留学した四国の高校でも習わなかったということで知らぬ存ぜぬで押し通せそうな気配です。本当に「注射」という業界用語の蔓延度を知りたかったのなら、裁判に九重親方を呼んだ方が話は早かったかも?


大相撲に八百長が存在すると報じた週刊現代の記事をめぐり、発行元の講談社などを日本相撲協会が名誉棄損で提訴した民事訴訟の口頭弁論が3日、東京地裁で行われ、原告として横綱朝青龍(28)=高砂部屋=が出廷し、記事が報じた06年九州場所などでの八百長を否定した。現役横綱の出廷は極めて異例。講談社側弁護士に「あなた誰?」と名前を名乗らせるなど裁判所でも“朝青流”を貫いた。

■八百長騒ぎは何度も起きている相撲業界ですが、何を考えたのか北の湖理事長は正式に訴訟を起こしてしまったのには多くの関係者は驚いたのではないでしょうか?御本人としては理事長の地位を守る延命工作の一つだったのかも知れませんが、とんでもない置き土産を残したものであります。


……朝青龍は笑っていた。……口元を緩ませて傍聴席の一人一人の顔を見回した。宣誓文を読み上げると、直前に1人がけから3人がけの長いすに取り換えられた証人席に、どっかりと腰掛けた。……八百長を意味する隠語“注射”についての質問にも「聞いたことありません」。……講談社側弁護士の一人が腕を組み、やや高圧的な態度で立ち上がると、すかさず「あなた誰?」と質問を遮った。別の弁護士に最近のけいこ不足を指摘されると「何であなたに答えなきゃいけないの?」と不快感をあらわにした。本場所と同様にマイペースを貫く姿に、裁判長が苦笑いを浮かべる場面が多々あった。

■事前に出廷練習をしたという報道がありましたが、付け焼刃で「横綱の品格」が身に付くはずもないのですから、ねちねちだらだらと質問を続けて行けば、もしかしたら面白い開き直り発言を引き出せたかも?

 
06年春場所千秋楽で対戦した大関千代大海が、あっさり自分から土俵を割ったと指摘された際は、「あなたは相撲を取ったことはありますか?相撲を取ってみますか」と逆質問。弁護士に「私は素人ですから」と返されると「真剣勝負ですから。見る目がないですね」と皮肉を込めた。

■朝青龍の日本語能力は大したもののようですなあ。もしかしたら「八百長」の語源についても熟知しているかも知れませんぞ。変なクイズ番組が安易に流行しているようですから、外国人力士だけ集めて相撲に関する言葉や文化や歴史について問う企画などは如何でしょう?日本人力士よりも勉強している実態が露呈したら、不祥事を外国人力士に押し付けているとの疑惑に対しても新たな光が当たるかも?


八百長の記事を執筆した武田氏とはこの日が初対面。武田氏によると証人席から満面の笑みで手を挙げ、尋問の最中も時折、視線を送り愛嬌を振りまいていたという。大きな失言や暴言もなく、約50分の尋問を“朝青流”で乗り切ると、入廷時と同じように含み笑いを浮かべて退廷した。……
10月4日 デイリースポーツ

■法廷での証言が、この後でどんなに厳しく記憶されて吟味され続けるのかを知らない朝青龍なのかも知れません。録画も録音も許されない日本の法廷であっても速記と記憶で簡単に50分程度の質疑応答ならば寸分違わず復元されてしまいますから、後々、「そんな事は言っていない」などと言い逃れは出来ませんぞ。まあ、その頃にはモンゴルで大実業家に収まっているのでしょうが……。





アップ済み

去るもの日々に疎し 其の八■巨人軍びいきの報知新聞となると、法廷での朝青龍の態度に対して厳しい視線を浴びせているようです。永久に不滅の巨人軍は野球界の横綱みたいなものだからでしょうか?そんな時代もずっと前に終わっているはずなのですが……。

……尋問では被告の現代側弁護士に「(俺と)相撲を取るか!」と切れたかと思えば、被告席にメンチ切りを連発。……法廷で朝青龍の怒声が響いた。「あなた! 相撲取ったことあるんですか!」現代側の喜田村洋一弁護士から06年九州場所千秋楽の千代大海戦の攻防への疑惑を尋ねられブチ切れた。「相撲取りますか!」勢いづき弁護士に対戦を要求だ。……

■弁護士も静か上着を脱いで「取りましょう」と穏やかに答えればよかったのに!勝ち負けの問題ではなく、疑惑の取組みと同じ体勢になってから素人の弁護士が数秒間でも足を踏ん張って見せれば話は別の方向に流れたかも知れません。素人相手にムキになって朝青龍が千代大海に対してとは違うパワーを爆発させても同じことですからなあ。そもそも爪先立ちになっての突っ張りか、最も面白くない立会い時の叩き込みしか決め技がない千代大海が大関を張っているのが不思議なのですからなあ。引退までには見事な投げ技を見たいものです。


優勝した06年春場所の白鵬との優勝決定戦への疑惑も問われたが「真剣勝負です」。現代側が提示した具体的な取組への疑惑を胸を張って完全否定した。……現代への思いを問われ「とても悲しい」と2度にわたり武田氏へにらみをきかした。30分の間の尋問では八百長を否定する「ありません」を7回、記事の虚偽を主張する「ウソです」を4回も繰り返し全面否定を貫いた。……

■7回と4回という数字は後になって効いて来るかも?ぺらぺらと流暢に答えてしまったのですから、後で「日本語が分からない」では通りませんからなあ。八百長の概念すらも知らないと誰が言わせたのかは知りませんが、あまり上手な対応ではありません。「意味は知っているけれど耳にするのも汚らわしい」ぐらいに答えさせたらどうだったのでしょう?


……喜田村弁護士からけいこ不足で優勝を重ねた事実を問われ「答える必要ない」とキレた。対戦相手が的場徹弁護士に代わると「あなた誰?」と挑発。懸賞金の管理を問われ「言う必要ない。いくらとかスポーツ新聞に出ている」とお金の管理は自分でやっていると言い切った。弁護士からの「横綱自らが銀行に行っているのか?」には「毎日、銀行に行ってる」と押し切ると法廷が爆笑に包まれた。

■銀行に「毎日」通っているとは、見上げた経営者ですなあ。でも、朝青龍クラスになると支店長が飛び出して来て奥の部屋でケーキと紅茶ぐらいは出るのかも知れませんから、朝稽古の後に「午後のティータイム」に丁度良いかも?でも、地方巡業中は機械振込みでしょうから、茶は出ないかも?巡業中も「毎日」預金や振込みをしているのなら、やっぱり郵便貯金口座を使っているのでしょうか?まあ、どうでもよいことではありますが、民営化後の宣伝に朝青龍が「わたしも毎日使っています」の一言を使いたいのではないかと……。


強引な答えは無気力相撲への認識でも貫いた。主尋問で「知っている」と答えたが反対尋問では「知らないか知っているか分からない」と強引に方向転換。裁判長から指摘され「知っている」と寄り切った。……出廷は今回が最初で最後。物的証拠がない限り当事者の証言が重要になるだけに「合格です。我々が勝訴する」と吉川弁護士は評価。退廷後は両国の協会に戻り武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)に報告した朝青龍は「正々堂々とハッキリ言った」と勝利を確信していた。
10月4日 スポーツ報知

■吉川弁護士の言う「われわれ」というのは誰のことを指しているのでしょう?仮に相撲協会と力士全員のことだとすると、決して前面的な勝利とは言えないでしょうなあ。皆様のNHKでさえも「八百長」疑惑を朝も昼も夜もニュース番組内で報道しなければならなくなったのですから、来場所からはこれまで以上に「今のは八百長だあ!」の野次が頻繁に飛び交いそうですし、テレビ観戦している人達の気分を反映してスポーツ紙なども「検証記事」の連載を始めざるを得なくなりそうですからなあ。「昨日の八百長疑惑」などという特集記事が出たら洒落になりませんぞ。

■政権を投げ出してしまった福田ホイホイ前首相以上に、格好悪いことが大嫌いな朝青龍ですから、裁判での証言について根掘り葉掘りと揚げ足記事が氾濫したら、さっさとモンゴルに引き上げてしまうでしょう。そうなれば、歴代横綱を回顧する時に「強かったなあ」ではなくて「怪しかったなあ」と言われるのは必定なのですが……。それにしも前々から疑惑が報じられていた元横綱の曙には、何処のスポーツ氏も取材に行かないのは何故でしょう?

去るもの日々に疎し 其の七

2008-10-06 22:24:26 | 日記・雑学
■別の人を取り上げる心算でしたが、どうやら横綱の引退がぐっと近づいたようなので、共に去るかも知れない人達も含めて「八百長」疑惑を取り上げます。でも、大相撲の八百長疑惑と言えば、四半世紀も前に週刊ポストが社運を賭けるような大キャンペーンを張ったことを思い出した人も多かったのではないでしょうか?あの時の「胴元」は当時の横綱千代の富士、今の九重親方だったはずです。スポーツ新聞も週刊誌も毎日、毎週のように書き立てて、「注射」という業界用語が知らない者が無いほど知れ渡ったのはあの時でした。

■今回は週刊現代が第二次疑惑戦争を仕掛けていて、今回の「胴元」は横綱の朝青龍だそうです。裁判の証人に呼ばれた御本人は「注射」という相撲界の業界用語を知らないと断言したそうですが、相撲協会の講習会で使われる教科書には掲載されていないのでしょうし、留学した四国の高校でも習わなかったということで知らぬ存ぜぬで押し通せそうな気配です。本当に「注射」という業界用語の蔓延度を知りたかったのなら、裁判に九重親方を呼んだ方が話は早かったかも?


大相撲に八百長が存在すると報じた週刊現代の記事をめぐり、発行元の講談社などを日本相撲協会が名誉棄損で提訴した民事訴訟の口頭弁論が3日、東京地裁で行われ、原告として横綱朝青龍(28)=高砂部屋=が出廷し、記事が報じた06年九州場所などでの八百長を否定した。現役横綱の出廷は極めて異例。講談社側弁護士に「あなた誰?」と名前を名乗らせるなど裁判所でも“朝青流”を貫いた。

■八百長騒ぎは何度も起きている相撲業界ですが、何を考えたのか北の湖理事長は正式に訴訟を起こしてしまったのには多くの関係者は驚いたのではないでしょうか?御本人としては理事長の地位を守る延命工作の一つだったのかも知れませんが、とんでもない置き土産を残したものであります。


……朝青龍は笑っていた。……口元を緩ませて傍聴席の一人一人の顔を見回した。宣誓文を読み上げると、直前に1人がけから3人がけの長いすに取り換えられた証人席に、どっかりと腰掛けた。……八百長を意味する隠語“注射”についての質問にも「聞いたことありません」。……講談社側弁護士の一人が腕を組み、やや高圧的な態度で立ち上がると、すかさず「あなた誰?」と質問を遮った。別の弁護士に最近のけいこ不足を指摘されると「何であなたに答えなきゃいけないの?」と不快感をあらわにした。本場所と同様にマイペースを貫く姿に、裁判長が苦笑いを浮かべる場面が多々あった。

■事前に出廷練習をしたという報道がありましたが、付け焼刃で「横綱の品格」が身に付くはずもないのですから、ねちねちだらだらと質問を続けて行けば、もしかしたら面白い開き直り発言を引き出せたかも?

 
06年春場所千秋楽で対戦した大関千代大海が、あっさり自分から土俵を割ったと指摘された際は、「あなたは相撲を取ったことはありますか?相撲を取ってみますか」と逆質問。弁護士に「私は素人ですから」と返されると「真剣勝負ですから。見る目がないですね」と皮肉を込めた。

■朝青龍の日本語能力は大したもののようですなあ。もしかしたら「八百長」の語源についても熟知しているかも知れませんぞ。変なクイズ番組が安易に流行しているようですから、外国人力士だけ集めて相撲に関する言葉や文化や歴史について問う企画などは如何でしょう?日本人力士よりも勉強している実態が露呈したら、不祥事を外国人力士に押し付けているとの疑惑に対しても新たな光が当たるかも?


八百長の記事を執筆した武田氏とはこの日が初対面。武田氏によると証人席から満面の笑みで手を挙げ、尋問の最中も時折、視線を送り愛嬌を振りまいていたという。大きな失言や暴言もなく、約50分の尋問を“朝青流”で乗り切ると、入廷時と同じように含み笑いを浮かべて退廷した。……
10月4日 デイリースポーツ

■法廷での証言が、この後でどんなに厳しく記憶されて吟味され続けるのかを知らない朝青龍なのかも知れません。録画も録音も許されない日本の法廷であっても速記と記憶で簡単に50分程度の質疑応答ならば寸分違わず復元されてしまいますから、後々、「そんな事は言っていない」などと言い逃れは出来ませんぞ。まあ、その頃にはモンゴルで大実業家に収まっているのでしょうが……。