■野球界では一時代を築いた大型選手の引退セレモニーが連続している変な収穫の秋です。萩本欽一さんとテリー伊藤さんの協力で桑田真澄投手の楽しい引退試合が埼玉県越谷市の小さな球場で行われ、いろいろあった相棒の番長・清原選手も少し遅れて、何と巨人に入るまでの長い腰掛だったライオンズの西武球場でも惜しむ拍手を受け、オリックスの試合では世界の王監督から大きな花束と長渕剛の熱唱を受けての男泣き引退試合となったそうですなあ。
■どこかの金持ち球団が、米国や韓国からだけでは飽き足らず、国内のセ・パ両リーグからも「即戦力」の選手を根こそぎ掻き集める御乱行におよんだので、高額年棒を取る有名選手が一斉に根無し草みたいに漂流し始めたので、チーム名前と選手の名前とがずたずたに切り裂かれ引き離されてしまったのは残念なことです。その金持ち球団は桑田・清原の両選手を使い捨てにして、ほとんど他人事みたいに知らん振り!世界の王監督にしたところで、輝かしい業績は金持ち球団の名前とは何の関係も無く讃えられるようになっているようです。福岡ホークスを蘇らせた名監督、WBCで世界一になった大監督、そして昭和のプロ野球を盛り上げた功労者。
■本来なら、その世界の王を引き継ぐはずの星野監督は大変な目に遭っておりますなあ。北京五輪から戻ってからの数週間は御本人が「イジメだ!」と弱音を吐くほどの批判の嵐が起きましたし、今週の『週刊文春』には「1500万円が紙くずに」などと、同誌9月25日号の「夢・星野スポーツ塾破産」という記事に続いての金銭問題が追及されているのであります。日本のマスコミが品位を失っていることも多少の影響はあるのでしょうが、星野さんには昔から金銭に関わる嫌な話がつきまとっていたようですから、これからも「水に落ちた犬」扱いが続く可能性が高いのでしょう。
■北京の後はWBCか?と野球ファンのみならず全国民が無理やり考えさせられたのは金持ち球団の親分が、「星野クン以外に適任者が居るのか!?」などと余計なことを先走って放言したからでしたなあ。その放言の翌日にはスポーツ関連のメディアには、「適任者は居るぞ!」とばかりに落合・野村・バレンタイン、中には長嶋という名前までが並んだのでした。ナベツネさんは国士なので「政局」の裏工作方が忙しいとかで、あれからWBCの監督については口を噤んでいるようですが……。
国際野球連盟(IBAF)が初めて発表した野球の世界ランキングで日本が1位になったことが30日、明らかになった。主要大会の成績を基に点数化し、ワールドカップ(W杯)、五輪、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝チームが100点、2位は90点、3位は80点となり、世界大学選手権とインターコンチネンタルカップはその半分の点数で算出する。日本は先の北京五輪でメダルを逃して4位に終わったが、2006年WBCで優勝し、07年W杯が3位、今年の世界大学野球選手権は準優勝するなど、245.5点だった。 2位の米国は239.9点で、3位はキューバ。北京五輪金メダルの韓国は4位となった。
2008年9月30日 時事通信
■星野監督が率いた北京五輪だけが「0点」という残酷な結果が出る計算方法を、一体、何処の誰が考え付いたのか?「どうして4位に70点付けないだ?」と星野さんは激怒しているかも?あるいは、もう怒る気力も流す涙も枯れ果てているのかも知れませんが、どちらにしても痛烈なダメ押しパンチになったのは確かでしょう。さてさて、次の次の五輪大会で正式競技として復活するのか?それよりも世界各地に野球文化を普及させる運動を起こすことが先決かも知れません。
■以前、チベット語留学をしていた時に、北京の国営テレビ局が制作した、人間・王貞治を特集する一時間番組を観た事がありました。あれほど充実した長いインタビューを日本で聴いたことがなかったので、今でもよく覚えているのですが、その中で「野球は一試合の中で必ず3回以上は打順が回て来るから、誰もがヒーローになれる競技なんです」と世界の王が優しい声で誠実に語った言葉が忘れられません。確かに多くの団体球技はポジションと役割が決まっていますから、自分の力で得点した!という体験が出来ない仕組みになっています。
■豊かになる前の日本では、文字通りの「草野球」が盛んで、ボールもバットも手製だったし、スパイクどころか靴さえ履かずに走り回っていたものです。人数や場所の関係で「三角ベース」も考案されたものです。それでも日本中の子供たちは野球選手に憧れ、投げたり打ったり走ったり、何にも変え難い子供時代の思い出を作ったのでした。立派なユニフォームや道具と設備が無ければ野球が出来なくなった日本ではなく、昭和30年代までの日本に広まっていた野球文化を基盤とする普及活動が必要かも知れませんなあ。
■残念ながら日本国内では、野球を楽しめる土地のある場所には子供がおらず、子供がたくさん居る都市部には「ボール遊び禁止」の公園しかありません。従ってキャッチボールをやった事がない男の子が非常に多くなり、中には実物を見た事もない子供も……。そんな状況で日本の野球が「世界一」になっても、目出度さも半分ぐらいというところでしょうか?
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■どこかの金持ち球団が、米国や韓国からだけでは飽き足らず、国内のセ・パ両リーグからも「即戦力」の選手を根こそぎ掻き集める御乱行におよんだので、高額年棒を取る有名選手が一斉に根無し草みたいに漂流し始めたので、チーム名前と選手の名前とがずたずたに切り裂かれ引き離されてしまったのは残念なことです。その金持ち球団は桑田・清原の両選手を使い捨てにして、ほとんど他人事みたいに知らん振り!世界の王監督にしたところで、輝かしい業績は金持ち球団の名前とは何の関係も無く讃えられるようになっているようです。福岡ホークスを蘇らせた名監督、WBCで世界一になった大監督、そして昭和のプロ野球を盛り上げた功労者。
■本来なら、その世界の王を引き継ぐはずの星野監督は大変な目に遭っておりますなあ。北京五輪から戻ってからの数週間は御本人が「イジメだ!」と弱音を吐くほどの批判の嵐が起きましたし、今週の『週刊文春』には「1500万円が紙くずに」などと、同誌9月25日号の「夢・星野スポーツ塾破産」という記事に続いての金銭問題が追及されているのであります。日本のマスコミが品位を失っていることも多少の影響はあるのでしょうが、星野さんには昔から金銭に関わる嫌な話がつきまとっていたようですから、これからも「水に落ちた犬」扱いが続く可能性が高いのでしょう。
■北京の後はWBCか?と野球ファンのみならず全国民が無理やり考えさせられたのは金持ち球団の親分が、「星野クン以外に適任者が居るのか!?」などと余計なことを先走って放言したからでしたなあ。その放言の翌日にはスポーツ関連のメディアには、「適任者は居るぞ!」とばかりに落合・野村・バレンタイン、中には長嶋という名前までが並んだのでした。ナベツネさんは国士なので「政局」の裏工作方が忙しいとかで、あれからWBCの監督については口を噤んでいるようですが……。
国際野球連盟(IBAF)が初めて発表した野球の世界ランキングで日本が1位になったことが30日、明らかになった。主要大会の成績を基に点数化し、ワールドカップ(W杯)、五輪、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の優勝チームが100点、2位は90点、3位は80点となり、世界大学選手権とインターコンチネンタルカップはその半分の点数で算出する。日本は先の北京五輪でメダルを逃して4位に終わったが、2006年WBCで優勝し、07年W杯が3位、今年の世界大学野球選手権は準優勝するなど、245.5点だった。 2位の米国は239.9点で、3位はキューバ。北京五輪金メダルの韓国は4位となった。
2008年9月30日 時事通信
■星野監督が率いた北京五輪だけが「0点」という残酷な結果が出る計算方法を、一体、何処の誰が考え付いたのか?「どうして4位に70点付けないだ?」と星野さんは激怒しているかも?あるいは、もう怒る気力も流す涙も枯れ果てているのかも知れませんが、どちらにしても痛烈なダメ押しパンチになったのは確かでしょう。さてさて、次の次の五輪大会で正式競技として復活するのか?それよりも世界各地に野球文化を普及させる運動を起こすことが先決かも知れません。
■以前、チベット語留学をしていた時に、北京の国営テレビ局が制作した、人間・王貞治を特集する一時間番組を観た事がありました。あれほど充実した長いインタビューを日本で聴いたことがなかったので、今でもよく覚えているのですが、その中で「野球は一試合の中で必ず3回以上は打順が回て来るから、誰もがヒーローになれる競技なんです」と世界の王が優しい声で誠実に語った言葉が忘れられません。確かに多くの団体球技はポジションと役割が決まっていますから、自分の力で得点した!という体験が出来ない仕組みになっています。
■豊かになる前の日本では、文字通りの「草野球」が盛んで、ボールもバットも手製だったし、スパイクどころか靴さえ履かずに走り回っていたものです。人数や場所の関係で「三角ベース」も考案されたものです。それでも日本中の子供たちは野球選手に憧れ、投げたり打ったり走ったり、何にも変え難い子供時代の思い出を作ったのでした。立派なユニフォームや道具と設備が無ければ野球が出来なくなった日本ではなく、昭和30年代までの日本に広まっていた野球文化を基盤とする普及活動が必要かも知れませんなあ。
■残念ながら日本国内では、野球を楽しめる土地のある場所には子供がおらず、子供がたくさん居る都市部には「ボール遊び禁止」の公園しかありません。従ってキャッチボールをやった事がない男の子が非常に多くなり、中には実物を見た事もない子供も……。そんな状況で日本の野球が「世界一」になっても、目出度さも半分ぐらいというところでしょうか?
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