■ブッシュ政権が北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除に踏み切る10日前、産経新聞に重要なインタヴュー記事が掲載されまして、これを下敷きに過去のブログを検証しようと考えていた矢先に、指定解除!の呆気ない幕切れとなってしまったのでした。インタヴューに応じているのは米中央情報局に25年間在籍し、1996年から北朝鮮分析を担当。2003~2005年には東アジア部長としてブッシュ大統領に北朝鮮情勢を直接報告していた、アーサー・ブラウン氏です。
金正日総書記の健康状態が注目される中、北朝鮮は寧辺の核関連施設の再稼働に向けた動きを加速させている。……20年にわたり北朝鮮分析を担当したアーサー・ブラウン氏(57)は産経新聞と会見し、「金正日氏は元の執務状態には戻れない」とする一方、「北朝鮮はすでに核弾頭の小型化に成功している」と述べ、強い懸念を表明した。……
■核弾頭の「小型化」に関しては韓国の情報筋からも話は出ておりました。妙に呑気な日本ですが、これ見よがしに巨大なミサイルに載せなくても、高速不審船に取り付けて英雄的決死隊が日本海を渡って来る悪夢もイメージしておいた方が良いかも知れません。偽札を詰め込んでいた外交官の手荷物に納まるほど小さくなってはいないでしょうからなあ。
--金正日総書記の病状は
「深刻な脳卒中で左側にマヒが残った。手術をやったかどうかはわからない。……北朝鮮は中国に連絡し中国は北朝鮮に医者を送ったが、1日か2日かかったため、病状が悪化した。元の執務状態には戻れない。しかしダメージの程度は不明だ。5人の中国人医師と2人のフランス人医師が担当した。6カ月は危ない状況が続く」
■どうやら米国では「もう死んでいる」説を採用していないようです。治療を担当した医師からの情報を北京政府がどれほど米国に流しているのかは分かりませんが、フランスからも医師が飛んで来たという事実には注目すべきでしょうなあ。日本にも優秀な脳外科医がたくさん居るのに、遠い欧州から医師が呼ばれるという事は、日本人が考えるよりも遥かに北朝鮮と欧州諸国との間には緊密な関係が構築されている証拠です。地下資源ビジネスの先陣争いが始まっているという話は有りましたが、大きな軍需産業を抱えているフランスの動きには要注意でしょうなあ。
--米国は「ポスト金正日」についてどう、分析しているか
「まだ『ポスト金正日』という段階ではない。80%の回復で彼が(執権を)続けるかもしれない。……もし彼(金総書記)が死亡したらどうなるのか。3人の息子の一人が継ぐのか、集団指導体制になるのか、(第4夫人といわれる)金玉氏や義弟の張成沢氏が実権を握るのか。いずれにしても実際にはわからない。向こうがまだ、決めていないからだ。分析は推測だ」
--「ポスト金正日」で北朝鮮が改革開放に向かう可能性は?
「金総書記が生きている間に改革開放はない。むしろ強硬になるだろう。自信を持って表に出せる後継者がいない段階で解放政策には向かわないだろう」
--金総書記の健康問題で北朝鮮の核管理の不透明に懸念が高まっているが
「金総書記が生きているか死んでいるかとは関係なく、(CIAは北朝鮮による)核拡散があると考えている。長期的な計画として(北朝鮮が核兵器を売却することは)あると考えている」
■どうやら、ブッシュ政権が慌てて指定解除に踏み切ったのは、芝居かもしれない第二回核実験に驚いたからではなく、対テロ戦争の中で最悪のケースと考えられている「核拡散」の可能性が高まっている事実をつかんでいたからのようです。任期が切れる前に、少なくとも核拡散の芽を摘んでおかねば、後々、世界中に禍のタネをばら撒いて去ったバカ大統領という評価が固まりますからなあ。そのためにも、将軍様には交渉相手として何としても生きていて貰わねばならないわけです。
金正日総書記の健康状態が注目される中、北朝鮮は寧辺の核関連施設の再稼働に向けた動きを加速させている。……20年にわたり北朝鮮分析を担当したアーサー・ブラウン氏(57)は産経新聞と会見し、「金正日氏は元の執務状態には戻れない」とする一方、「北朝鮮はすでに核弾頭の小型化に成功している」と述べ、強い懸念を表明した。……
■核弾頭の「小型化」に関しては韓国の情報筋からも話は出ておりました。妙に呑気な日本ですが、これ見よがしに巨大なミサイルに載せなくても、高速不審船に取り付けて英雄的決死隊が日本海を渡って来る悪夢もイメージしておいた方が良いかも知れません。偽札を詰め込んでいた外交官の手荷物に納まるほど小さくなってはいないでしょうからなあ。
--金正日総書記の病状は
「深刻な脳卒中で左側にマヒが残った。手術をやったかどうかはわからない。……北朝鮮は中国に連絡し中国は北朝鮮に医者を送ったが、1日か2日かかったため、病状が悪化した。元の執務状態には戻れない。しかしダメージの程度は不明だ。5人の中国人医師と2人のフランス人医師が担当した。6カ月は危ない状況が続く」
■どうやら米国では「もう死んでいる」説を採用していないようです。治療を担当した医師からの情報を北京政府がどれほど米国に流しているのかは分かりませんが、フランスからも医師が飛んで来たという事実には注目すべきでしょうなあ。日本にも優秀な脳外科医がたくさん居るのに、遠い欧州から医師が呼ばれるという事は、日本人が考えるよりも遥かに北朝鮮と欧州諸国との間には緊密な関係が構築されている証拠です。地下資源ビジネスの先陣争いが始まっているという話は有りましたが、大きな軍需産業を抱えているフランスの動きには要注意でしょうなあ。
--米国は「ポスト金正日」についてどう、分析しているか
「まだ『ポスト金正日』という段階ではない。80%の回復で彼が(執権を)続けるかもしれない。……もし彼(金総書記)が死亡したらどうなるのか。3人の息子の一人が継ぐのか、集団指導体制になるのか、(第4夫人といわれる)金玉氏や義弟の張成沢氏が実権を握るのか。いずれにしても実際にはわからない。向こうがまだ、決めていないからだ。分析は推測だ」
--「ポスト金正日」で北朝鮮が改革開放に向かう可能性は?
「金総書記が生きている間に改革開放はない。むしろ強硬になるだろう。自信を持って表に出せる後継者がいない段階で解放政策には向かわないだろう」
--金総書記の健康問題で北朝鮮の核管理の不透明に懸念が高まっているが
「金総書記が生きているか死んでいるかとは関係なく、(CIAは北朝鮮による)核拡散があると考えている。長期的な計画として(北朝鮮が核兵器を売却することは)あると考えている」
■どうやら、ブッシュ政権が慌てて指定解除に踏み切ったのは、芝居かもしれない第二回核実験に驚いたからではなく、対テロ戦争の中で最悪のケースと考えられている「核拡散」の可能性が高まっている事実をつかんでいたからのようです。任期が切れる前に、少なくとも核拡散の芽を摘んでおかねば、後々、世界中に禍のタネをばら撒いて去ったバカ大統領という評価が固まりますからなあ。そのためにも、将軍様には交渉相手として何としても生きていて貰わねばならないわけです。