■普通は「三者三様」「十人十色」と言うべきなのですが、この数日、まったく同じ意味の発言が連続したので、それを表現するには「三者一様」になります。でも、この物言いは小泉時代から日本中に蔓延しているような気がしますなあ。
NHKと民放で組織する「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の放送倫理検証委員会から、不二家報道で「重大な放送倫理上の問題があった」として番組制作の改善を求められたTBS系の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」は、7日朝の同番組内でアナウンサーがあらためて一連の報道について謝罪。改善の取り組みについて説明した。司会のみの氏は夏休み休暇中のため「反省すべき点を踏まえ、よりよい番組作りに邁進(まいしん)したい」と文書でコメントした。
8月7日 産経新聞
朝青龍問題で大揺れの大相撲でも、毎日マスコミに追い回されている高砂親方とは対照的に、一切顔を表に出さない北の海理事長は気配を消したまま「予定通り」に夏休みに入って完全にプライベート体制に入ってマスコミから逃げ出したのだそうです。みのもんたさんは、夏休み中でも録画映像やら録音音源を使って生放送の番組中に自分の存在感を浸み込ませているようです。張りぼての頭を被った偽みのもんたも番組に出ているとか……。先日も、朝っぱらの番組なのに東国原宮崎県知事と「酒飲み話」をしている録画映像を流していたようです。本人の独断にしても、放送局の品性と常識を疑う話です。
■「不二家」問題では、事件と無関係な取材映像を強引にコジツケて嵩に掛かって攻撃を加えたのが問題とされているわけですが、正義の味方を任じて、何でも大仰に怒って見せるみのもんたさんのお蔭で視聴率が上がっていると思っているTBSの放送姿勢にも大いに責任が有るはずですが、放送事業に直接関わるペナルティーも無く、放送はこれまで通りで、「改善の取り組み」に関する(代読)発表も抽象的な内容に終始していたようです。「TBSは死んだ」と身内の筑紫さんに斬って捨てられたオウム真理教事件では、迅速に「ワイドショーからの撤退」を決定して、今も続く純朴な「生活情報番組」に切り替えています。それが瓢箪から駒で、案外な視聴率を稼いでいるのでその枠は一般的なワイドショーに戻していませんが、その後ろに早めの昼ワイドショーを組み込み、更に、朝の5時半から「ワイドショー」そのもののニュース番組を置いて挟み込んでしまいました。考えようによっては、随分とあざといやり方をしていますなあ。
■「反省すべき点」を分かり易く言い直せば、「みのもんたの軽率な暴言を無くす」という事になりますから、みのもんたの進退問題にも関連する責任問題という事でしょう。しかし、そんな事をしたら再びTBSはジリ貧ですから、そんな話はオクビにも出しません。不二家パニックを大きくして再建の妨害をしたのは間違いはないのですが、お詫びの印として当該番組の控え室には不二家製品を常備すると、みのもんたが悪びれもせずに冗談ごかして約束したそうな……。不二家の経営が改善するほど莫大な量を消費できるわけでもないのに、日本テレビの昼ワイドショーで全国的な夕食前の買い物に影響を及ぼしている「業績」を過信して、自分が「食べてます」と一言すれば、忽(たちま)ち不二家の人気が回復するとでも思っているのでしょうか?
■「反省すべき点は反省し……」という枕詞はこれからも濫用されるに違い有りませんから、後用心、ご用心。これはまったく反省などしていない時にこそ使われる言い回しですからなあ。少し前までは、最高責任者が愛用した「この混乱を一刻も早く収拾して皆様の信頼を回復するのが自分の責務と……」という逃げ口上と実質的にはまったく同じ意味ですから、ジャーナリズムがこれを聞き流しているのは問題でしょうなあ。
2場所出場停止などの処分を受けた横綱朝青龍(26)の師匠の高砂親方(51)=元大関朝潮=が1日、師弟での復活を誓った。同親方も4カ月間30%の減俸処分を科されたが、これまでの指導力不足を認めた上で、「もう一度2人で頑張る」。苦境に立たされた弟子を再起させることを宣言した。……再三の朝青龍のわがまま行為で、これまでも横審メンバーなどから「師匠の指導が甘い」などと指摘されてきた。今回の不祥事が発覚した際にはモンゴルの朝青龍に国際電話で「巡業に出られるなら出ろ。出られないなら入院しろ」と通告した上で、協会には「わたしの監督不行き届きでもある」と謝罪した。……今回の処分を契機に、今後はより一層、朝青龍に対して厳しく指導することを宣言した。朝青龍の謹慎4カ月の間は、厳しい態度で腰、左ひじの治療に専念させる。「けいこできるまでは水中歩行とかで補う。そのうち若い衆とけいこができるようになってくれればいい」。自由に許してきたモンゴルへの帰国についても「今までは見逃してきたが、首根っこをつかんででも引き戻す」と話した。……
8月2日 サンケイスポーツ
■「もう一度頑張る」という言葉と、「自由に許してきたモンゴルへの帰国」とは矛盾します。高砂親方も「反省すべき点は反省して」という流行の言い回しを口にしていたようですが、本人以上に崖っぷちに追い込まれてしまった親方にしては、「監督不行き届きでもある」という発言の「も」に甘さ強く出てしまっていますなあ。「に尽きる」と言うべきでしょう。この報道の後、高砂親方がいくら力んでもどうしようもない精神疾患騒動になってしまい、「首根っこをつかんで」などと勇ましい事は出来なくなってしまいました。後手後手に廻ってしまう所も、言葉に実が無いところも安部首相によく似ています。
安倍晋三首相は6日夜、参院選後の報道各社の世論調査で内閣支持率の低下が続いていることについて、「1つ1つ実績を積み上げていくことで、信頼を回復していかなければならないと決意している。選挙の結果もそうだが、わたしも反省すべき点は反省しなければならない」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。
8月6日21時 時事通信
■「実績」「信頼」「決意」「反省」という、どんな順番で組み合わせても支離滅裂な話にしかならないのに、御本人はそこに「反省」を加えても平気なようです。そもそも「反省すべき点」とは何だ?と身内からも突き上げられ出した安部首相ですが、答える気が無いのか、能力が無いのか、黙して語らず、マスコミには鸚鵡(おうむ)になって意味不明の「反省」を喋り続けているようです。恐らくは、この奇怪な「反省」の弁が一度放送される度に、支持率は1%ずつ減って行くのではないでしょうか?支持率が一桁になり、長期金利と同じような数値になる日も近いのかも?
■東京電力の社長やら、社保庁OBなど、似たような空疎な「反省」を発表しながら、実質的には何も反省などしない無責任なエライ人があちこちに居るようですが、これが学歴社会に高齢化社会が接木された新しい社会現象なのかも知れません。不思議な「責任」論を振り回す人は、そろって有名な大学を卒業して立派な経歴を持っている人ばかりです。今の日本では、学歴を積むと無責任な人間になってしまうのかなあ?と疑問に思いますが、「教育再生」を掲げているのが安部首相で、その専門委員会の座長だったヤンキー先生が職責を果たさないまま参議院議員になってしまいましたなあ。やれやれ……。
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8月7日 産経新聞
朝青龍問題で大揺れの大相撲でも、毎日マスコミに追い回されている高砂親方とは対照的に、一切顔を表に出さない北の海理事長は気配を消したまま「予定通り」に夏休みに入って完全にプライベート体制に入ってマスコミから逃げ出したのだそうです。みのもんたさんは、夏休み中でも録画映像やら録音音源を使って生放送の番組中に自分の存在感を浸み込ませているようです。張りぼての頭を被った偽みのもんたも番組に出ているとか……。先日も、朝っぱらの番組なのに東国原宮崎県知事と「酒飲み話」をしている録画映像を流していたようです。本人の独断にしても、放送局の品性と常識を疑う話です。
■「不二家」問題では、事件と無関係な取材映像を強引にコジツケて嵩に掛かって攻撃を加えたのが問題とされているわけですが、正義の味方を任じて、何でも大仰に怒って見せるみのもんたさんのお蔭で視聴率が上がっていると思っているTBSの放送姿勢にも大いに責任が有るはずですが、放送事業に直接関わるペナルティーも無く、放送はこれまで通りで、「改善の取り組み」に関する(代読)発表も抽象的な内容に終始していたようです。「TBSは死んだ」と身内の筑紫さんに斬って捨てられたオウム真理教事件では、迅速に「ワイドショーからの撤退」を決定して、今も続く純朴な「生活情報番組」に切り替えています。それが瓢箪から駒で、案外な視聴率を稼いでいるのでその枠は一般的なワイドショーに戻していませんが、その後ろに早めの昼ワイドショーを組み込み、更に、朝の5時半から「ワイドショー」そのもののニュース番組を置いて挟み込んでしまいました。考えようによっては、随分とあざといやり方をしていますなあ。
■「反省すべき点」を分かり易く言い直せば、「みのもんたの軽率な暴言を無くす」という事になりますから、みのもんたの進退問題にも関連する責任問題という事でしょう。しかし、そんな事をしたら再びTBSはジリ貧ですから、そんな話はオクビにも出しません。不二家パニックを大きくして再建の妨害をしたのは間違いはないのですが、お詫びの印として当該番組の控え室には不二家製品を常備すると、みのもんたが悪びれもせずに冗談ごかして約束したそうな……。不二家の経営が改善するほど莫大な量を消費できるわけでもないのに、日本テレビの昼ワイドショーで全国的な夕食前の買い物に影響を及ぼしている「業績」を過信して、自分が「食べてます」と一言すれば、忽(たちま)ち不二家の人気が回復するとでも思っているのでしょうか?
■「反省すべき点は反省し……」という枕詞はこれからも濫用されるに違い有りませんから、後用心、ご用心。これはまったく反省などしていない時にこそ使われる言い回しですからなあ。少し前までは、最高責任者が愛用した「この混乱を一刻も早く収拾して皆様の信頼を回復するのが自分の責務と……」という逃げ口上と実質的にはまったく同じ意味ですから、ジャーナリズムがこれを聞き流しているのは問題でしょうなあ。
2場所出場停止などの処分を受けた横綱朝青龍(26)の師匠の高砂親方(51)=元大関朝潮=が1日、師弟での復活を誓った。同親方も4カ月間30%の減俸処分を科されたが、これまでの指導力不足を認めた上で、「もう一度2人で頑張る」。苦境に立たされた弟子を再起させることを宣言した。……再三の朝青龍のわがまま行為で、これまでも横審メンバーなどから「師匠の指導が甘い」などと指摘されてきた。今回の不祥事が発覚した際にはモンゴルの朝青龍に国際電話で「巡業に出られるなら出ろ。出られないなら入院しろ」と通告した上で、協会には「わたしの監督不行き届きでもある」と謝罪した。……今回の処分を契機に、今後はより一層、朝青龍に対して厳しく指導することを宣言した。朝青龍の謹慎4カ月の間は、厳しい態度で腰、左ひじの治療に専念させる。「けいこできるまでは水中歩行とかで補う。そのうち若い衆とけいこができるようになってくれればいい」。自由に許してきたモンゴルへの帰国についても「今までは見逃してきたが、首根っこをつかんででも引き戻す」と話した。……
8月2日 サンケイスポーツ
■「もう一度頑張る」という言葉と、「自由に許してきたモンゴルへの帰国」とは矛盾します。高砂親方も「反省すべき点は反省して」という流行の言い回しを口にしていたようですが、本人以上に崖っぷちに追い込まれてしまった親方にしては、「監督不行き届きでもある」という発言の「も」に甘さ強く出てしまっていますなあ。「に尽きる」と言うべきでしょう。この報道の後、高砂親方がいくら力んでもどうしようもない精神疾患騒動になってしまい、「首根っこをつかんで」などと勇ましい事は出来なくなってしまいました。後手後手に廻ってしまう所も、言葉に実が無いところも安部首相によく似ています。
安倍晋三首相は6日夜、参院選後の報道各社の世論調査で内閣支持率の低下が続いていることについて、「1つ1つ実績を積み上げていくことで、信頼を回復していかなければならないと決意している。選挙の結果もそうだが、わたしも反省すべき点は反省しなければならない」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。
8月6日21時 時事通信
■「実績」「信頼」「決意」「反省」という、どんな順番で組み合わせても支離滅裂な話にしかならないのに、御本人はそこに「反省」を加えても平気なようです。そもそも「反省すべき点」とは何だ?と身内からも突き上げられ出した安部首相ですが、答える気が無いのか、能力が無いのか、黙して語らず、マスコミには鸚鵡(おうむ)になって意味不明の「反省」を喋り続けているようです。恐らくは、この奇怪な「反省」の弁が一度放送される度に、支持率は1%ずつ減って行くのではないでしょうか?支持率が一桁になり、長期金利と同じような数値になる日も近いのかも?
■東京電力の社長やら、社保庁OBなど、似たような空疎な「反省」を発表しながら、実質的には何も反省などしない無責任なエライ人があちこちに居るようですが、これが学歴社会に高齢化社会が接木された新しい社会現象なのかも知れません。不思議な「責任」論を振り回す人は、そろって有名な大学を卒業して立派な経歴を持っている人ばかりです。今の日本では、学歴を積むと無責任な人間になってしまうのかなあ?と疑問に思いますが、「教育再生」を掲げているのが安部首相で、その専門委員会の座長だったヤンキー先生が職責を果たさないまま参議院議員になってしまいましたなあ。やれやれ……。
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