旅限無(りょげむ)

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解散・解党・憲法改正 其の四

2010-09-27 06:38:39 | 外交・情勢(アジア)
■政府は汚れ役を検察に押し付け、政府のリーダーはニューヨークで報告だけを受けて誰が書いたか知らない作文を記者の前で読んでいたようですなあ。

中国外務省は25日、尖閣諸島沖での漁船衝突事件で処分保留のまま釈放された……船長が帰国した後、「日本側は船長らを違法に拘束し、中国の領土と主権、国民の人権を侵犯した」と強く抗議する声明を発表し、日本側に謝罪と賠償を求める方針を明らかにした。……「釣魚島と付属の島が中国固有の領土で、中国は争う余地のない主権を有している」と改めて強調。「日本側の取った司法措置はすべて違法で無効で、日本側はこの事件について中国側に謝罪と賠償をしなければならない」と指摘した。その上で「中日両国が近隣として、戦略的互恵関係を発展させる方向を堅持することは両国民の利益に合致する。双方が対話と協調を通じて両国間の問題を解決し、両国関係の大局を維持するという中国側の立場に変更はない」と強調した。 
9月25日 時事通信 

■「対話と協調」を一切拒否して言いたい放題・やりたい放題の嫌がらせをしておいて、御丁寧に「謝罪と賠償」まで要求しているのですから、国民としては静かにチャイナ商品のボイコット行動を密かに「粛々と」始めるしか意志表明の方法は無いかも知れません。何処かの国のように某大使館にデモを掛けて国旗を踏んだり焼いたりして怒声を張り上げるとか、公館や学校に石やパチンコ玉を投げ込んだりするより、早期の解散総選挙を期待して明確な安全保障政策を掲げ堂々と「憲法改正」に言及する政党の出現を待つ方がよろしいかと思います。これまで以上に買い物の際は商品の製造元表示をじっくり読むことにしましょう。

■初の国連総会に出席するというのに菅アルイミ首相は出発する時から元気がなく、タラップ上から振り返って振る手も縮んでいましたが、出発間際まで対北京政府の対応に苦慮していたことが原因だったようです。


「『超法規的措置』は、取れないのか」
22日の訪米を控えた菅首相は、周囲にいらだちをぶつけた。沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、中国の対抗措置の報告が次々に上がってきていた。首相は「民主党には(中国で副首相級の)戴秉国(国務委員)と話せるやつもいない。だからこういうことになるんだ」とこぼした、と関係者は語る。首相とその周辺が中国人船長の扱いをめぐる「落としどころ」を本気で探り始めたのは、船長の拘置期限が延長された19日以降のことだ。この日を境に中国政府は、日本人4人を拘束し、レアアース(希土類)の対日輸出禁止の動きに出るなど、本格的な「報復カード」を相次いで切った。実際に「船長釈放」に動いたのは、仙谷官房長官と前原外相だったとされる。23日朝、ニューヨーク。日中関係の行方を懸念するクリントン米国務長官と向かい合った前原外相は、こう自信ありげに伝えた。
「まもなく解決しますから」
那覇地検が船長を釈放すると発表したのは、その半日余り後の日本時間24日午後2時半だった。東京・霞が関の海上保安庁に、寝耳に水の一報が入ったのは、そのわずか10分ほど前。 

■領土問題が火を噴く危険性が高い「逮捕」を決意しておいて、事が縺れたら検察に責任を押し付けて「釈放」させることが「国内法に従って粛々と進める」という意味だったのか?!そんな人物に外相などやらせて大丈夫なのでしょうか?海上保安庁の「ビデを観た」と前原前国交省がテレビカメラの前で語った時、民主党代表を自任せざるを得なくなった「偽メール事件」を思い出した人も多かったのではないでしょうか?完全なる偽物だったメールを見て「本物だ」と断言した時の前原代表の冷めた口調と今回の「証拠ビデオ」を有力な証拠だと言った時の口調がそっくりでしたから、トンデモない終わり方をするのではなかろうかと嫌な予感がしたものです。


「戦争になるよりはいい。このまま行けば、駐日大使の引き揚げ、国交断絶もありえた」――。首相に近い政府筋は24日夜、船長釈放に政治判断が動いたことを、周囲に苦しげに認めた。「那覇地検の判断なので、それを了としたい」仙谷官房長官は24日夕の記者会見で、ひたすら「地検の判断」を繰り返し、政治の介入を否定した。柳田法相もこの後すぐ、法務省で記者団を前に「法相として検察庁法14条に基づく指揮権を行使した事実はない」とのコメントを読み上げた。質問は一切受けつけなかった。…… 

■「内閣の一員」という立場を前面に押し立てれば、政治家個人の資質が暴露される危険は無くなり、官僚が卒なく上手に書き上げた「コメント」を読み上げて「質問は一切受けない」で任期を全うすれば済む、というのは自民党政権が有権者からそっぽを向かれ始めた頃の醜態を再現しているようなものです。三権分立を便利に使って「検察の判断」を金科玉条にするのなら、大阪地検の大失態にも目を瞑って組織防衛用に作られた不埒なシナリオを黙認するのでしょうか?検察と抱き合い心中を覚悟で法務省がバレバレの田舎芝居を続けるのなら日本の司法は本当に崩壊してしまいそうですなあ。

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