■総選挙中、小泉さんは郵便局で働いている公務員は自衛隊より多いんだ!と無意味な数の比較を口走っていました。「何だその比較は?」「だから、何なんだ?」と水を差して冷静な議論に導く声は報道されませんでしたなあ。小泉さんが郵便局員の数と自衛隊員を比較したのは重要な論点です。但し、その結論はまったく逆でなければなりません。そのくらい、自衛隊員が少ないんだ!と言わねばなりませんなあ。何が何でも郵政民営化だあ!と小泉さんが叫んでいた時、尖閣列島周辺に完全武装した中国の駆逐艦やミサイル巡洋艦らしき船がうろうろしていたのですから、それを放置して郵便局の「改革だ!」などと言っている場合ではなかったのです。
■そして、やっぱり総選挙が終わって自民党が大勝して、何を言われようと決定的な打撃になんかならない圧倒多数を手に入れてから、こんな話が急に飛び出してきました。
自衛官の3割、退官日に昇進…退職金17億かさ上げ
防衛庁が、定年退職する自衛官を退職日に1階級昇進させる特別昇任制度を設け、退職金をかさ上げ支給していたことが、読売新聞の調べでわかった。
対象は退職者の30~40%に上り、そのために2003年度は17億円余りの税金が余分に支出されていた。
国家公務員一般職の退職時の「特別昇給制度」は昨年、「お手盛り」批判を受けて全面廃止されたが、自衛官の特別昇任については財務省も実態を把握していなかったといい、「今後見直す必要がある」としている。
防衛庁によると、退職当日の昇進は、「自衛官の昇任に関する訓令」に基づくもので、公務で死亡するなどした場合のほか、「退職者のうち勤務成績が優良な者」を特別昇任の対象としている。さらに、この資格要件として、昇任前の階級で一定年数を勤務していることや、勤務評定がA~Eの各段階のうち「Cの上」以上であることなどが定められている。
同庁によると、03年度、陸海空自衛隊を定年退職した自衛官は計約1万4000人だったが、このうち、「勤務成績が優良」との理由で退職日に1階級昇進したのは、全体の約34%に当たる約4800人。退職金は、1人平均35万円程度増額されていた。
自衛官の階級は、下位から3士、2士、1士、士長、3曹、2曹、1曹、曹長、准尉、3尉、2尉、1尉、3佐、2佐、1佐、将補、将の17階級に分かれる。3尉以上が幹部とされるが、「勤務成績が優良」として特別昇任する自衛官の4分の3はそれより下の階級だという。退職者全体に占める昇進者の割合は例年、3割を超え、01年度は約34%、02年度は約36%。04年度は約30%だった。
防衛庁人事教育局は「能力はあるが、定員に空きがなくて昇進できなかった人の功労に報いるため行っている。自衛官にとって、階級は単なる役職と違い名誉の称号であり、退職後のOB同士の人間関係などにも影響がある。退職金の増額につながるが、自衛官は事務官より定年が5、6年早いという背景事情もある」と説明している。
公務員の給与制度を巡っては、退職の際に基本給を上げる「退職時特別昇給」が長年にわたり、多くの国家公務員や地方公務員に適用されていたが、人事院は昨年5月から、この制度を国家公務員の一般職で全面的に廃止し、地方自治体にも廃止を求めた。
国家公務員の特別職である自衛官は人事院の直接の管理対象ではないが、同様の特別昇給制度があり、特別昇任と合わせ二重に適用される退職者もいた。しかし、退職時の特別昇給については、一般職と同時に廃止となっていた。(読売新聞) - 9月17日
■「お手盛り」で退職金の割り増し支給制度を悪用していたのは明らかですが、撃たれても撃ち返さない軍隊に勤務している軍人ではない自衛官は、長い間「税金泥棒」「憲法違反」と罵(ののし)られていました。御巣鷹山にジャンボ機が墜落した時も神戸大震災の時も、最後の頼りは自衛隊の出動なのは誰の目にも明らかでしたが、かつてのソ連軍機が繰り返した領空侵犯に対する体を張った撃退飛行を毎日やっていた航空自衛隊や、先制攻撃が禁じられているゆえに、北海道に海と空から戦車軍団が侵攻した場合にも、専守防衛で標的同然の任務に就かねばならなかった陸上自衛隊にしても、命を捧げる名誉は与えられない立場に耐えていたのですから、特に階級の低い隊員に、少しでも報いようと考える上層部が居たのは、ちょっと他の官庁とは事情が違うような気がします。
■イラクに派遣されている陸上自衛隊も、インド洋で給油作業を続けている海上自衛隊も、そして秘密の輸送作戦に就いている航空自衛隊も、「名誉の戦死」にはならない身分で、ひたすら「事故死」に遭わないように日々神経を磨り減らしていることを多くの日本人は気にも留めずに暮らしています。万一の「事故」が起こった時、国民もマスコミも「知らなかった!」と騒ぎ出すのでしょうが「、郵便局をどうするか」よりも「自衛隊をどうするか」を先に議論しておかなかった事を後悔する時が必ず来るでしょう。靖国参拝や憲法改正の方が先行するのも奇妙な話で、日本がどんな軍事的な危機に晒されているのかを明らかにしないまま、60年前の戦争が良かった悪かったなどと不毛な喧嘩をしている場合ではないのです。
■拉致・工作員侵入は事実として発生していますし、中国が日本の領海を認めないと主張している。ソ連が残した北方領土の不法占拠問題と米国が絶対に手放さない占領政策の残滓(ざんし)としての基地設備、どれも早急に解決しなければ憲法も靖国も議論など出来ないはずなのですが、何故か、これらは先送りしたままで、靖国参拝が政治利用され、憲法9条を守るか返るかの意地の張り合いばかりが先行していますなあ。このまま憲法改正に突っ走ってしまえば、本末転倒の結果が出るに決まっているのに、まるで国際紛争とは無縁のまま日本はこの先100年、暢気に暮らしていけると誰もが安心しているようですなあ。今の憲法では解決出来ない問題が有る!議論はここからしか始まりません。自衛隊員が退職金を水増ししていた、そんな事で騒いでいる場合ではないのですがなあ……
■憲法9条を独占しているつもりの社会党(社民党)が、自民党と組んで首相を出した時に、自衛隊を合憲と認めたのですから、今更、その話は無かったような顔をして、「平和と憲法」を語る資格など無い事を、今回の選挙ではっきりと突きつけられました。土井たか子さんは、自分が落選した事実を認識出来ないほど頭が混乱しているし、執行猶予の身分で復活当選したオネエちゃんも、国会を遊園地か何かと勘違いしているようです。日本が「平和」をきちんと議論できなくなったのは、自分達の罪だと気が付かないまま、次の占拠まで空騒ぎを続けるつもりなのでしょう。自民党にした所で、女性初の主計官などと祭り上げられて、防衛政策のイロハも知らないくせに、防衛費を削って自己満足していた程度のオネエちゃんを起用して議員にしてしまったのですから、日本の防衛を真剣に考えてはいない事を白状したようなものです。
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防衛庁が、定年退職する自衛官を退職日に1階級昇進させる特別昇任制度を設け、退職金をかさ上げ支給していたことが、読売新聞の調べでわかった。
対象は退職者の30~40%に上り、そのために2003年度は17億円余りの税金が余分に支出されていた。
国家公務員一般職の退職時の「特別昇給制度」は昨年、「お手盛り」批判を受けて全面廃止されたが、自衛官の特別昇任については財務省も実態を把握していなかったといい、「今後見直す必要がある」としている。
防衛庁によると、退職当日の昇進は、「自衛官の昇任に関する訓令」に基づくもので、公務で死亡するなどした場合のほか、「退職者のうち勤務成績が優良な者」を特別昇任の対象としている。さらに、この資格要件として、昇任前の階級で一定年数を勤務していることや、勤務評定がA~Eの各段階のうち「Cの上」以上であることなどが定められている。
同庁によると、03年度、陸海空自衛隊を定年退職した自衛官は計約1万4000人だったが、このうち、「勤務成績が優良」との理由で退職日に1階級昇進したのは、全体の約34%に当たる約4800人。退職金は、1人平均35万円程度増額されていた。
自衛官の階級は、下位から3士、2士、1士、士長、3曹、2曹、1曹、曹長、准尉、3尉、2尉、1尉、3佐、2佐、1佐、将補、将の17階級に分かれる。3尉以上が幹部とされるが、「勤務成績が優良」として特別昇任する自衛官の4分の3はそれより下の階級だという。退職者全体に占める昇進者の割合は例年、3割を超え、01年度は約34%、02年度は約36%。04年度は約30%だった。
防衛庁人事教育局は「能力はあるが、定員に空きがなくて昇進できなかった人の功労に報いるため行っている。自衛官にとって、階級は単なる役職と違い名誉の称号であり、退職後のOB同士の人間関係などにも影響がある。退職金の増額につながるが、自衛官は事務官より定年が5、6年早いという背景事情もある」と説明している。
公務員の給与制度を巡っては、退職の際に基本給を上げる「退職時特別昇給」が長年にわたり、多くの国家公務員や地方公務員に適用されていたが、人事院は昨年5月から、この制度を国家公務員の一般職で全面的に廃止し、地方自治体にも廃止を求めた。
国家公務員の特別職である自衛官は人事院の直接の管理対象ではないが、同様の特別昇給制度があり、特別昇任と合わせ二重に適用される退職者もいた。しかし、退職時の特別昇給については、一般職と同時に廃止となっていた。(読売新聞) - 9月17日
■「お手盛り」で退職金の割り増し支給制度を悪用していたのは明らかですが、撃たれても撃ち返さない軍隊に勤務している軍人ではない自衛官は、長い間「税金泥棒」「憲法違反」と罵(ののし)られていました。御巣鷹山にジャンボ機が墜落した時も神戸大震災の時も、最後の頼りは自衛隊の出動なのは誰の目にも明らかでしたが、かつてのソ連軍機が繰り返した領空侵犯に対する体を張った撃退飛行を毎日やっていた航空自衛隊や、先制攻撃が禁じられているゆえに、北海道に海と空から戦車軍団が侵攻した場合にも、専守防衛で標的同然の任務に就かねばならなかった陸上自衛隊にしても、命を捧げる名誉は与えられない立場に耐えていたのですから、特に階級の低い隊員に、少しでも報いようと考える上層部が居たのは、ちょっと他の官庁とは事情が違うような気がします。
■イラクに派遣されている陸上自衛隊も、インド洋で給油作業を続けている海上自衛隊も、そして秘密の輸送作戦に就いている航空自衛隊も、「名誉の戦死」にはならない身分で、ひたすら「事故死」に遭わないように日々神経を磨り減らしていることを多くの日本人は気にも留めずに暮らしています。万一の「事故」が起こった時、国民もマスコミも「知らなかった!」と騒ぎ出すのでしょうが「、郵便局をどうするか」よりも「自衛隊をどうするか」を先に議論しておかなかった事を後悔する時が必ず来るでしょう。靖国参拝や憲法改正の方が先行するのも奇妙な話で、日本がどんな軍事的な危機に晒されているのかを明らかにしないまま、60年前の戦争が良かった悪かったなどと不毛な喧嘩をしている場合ではないのです。
■拉致・工作員侵入は事実として発生していますし、中国が日本の領海を認めないと主張している。ソ連が残した北方領土の不法占拠問題と米国が絶対に手放さない占領政策の残滓(ざんし)としての基地設備、どれも早急に解決しなければ憲法も靖国も議論など出来ないはずなのですが、何故か、これらは先送りしたままで、靖国参拝が政治利用され、憲法9条を守るか返るかの意地の張り合いばかりが先行していますなあ。このまま憲法改正に突っ走ってしまえば、本末転倒の結果が出るに決まっているのに、まるで国際紛争とは無縁のまま日本はこの先100年、暢気に暮らしていけると誰もが安心しているようですなあ。今の憲法では解決出来ない問題が有る!議論はここからしか始まりません。自衛隊員が退職金を水増ししていた、そんな事で騒いでいる場合ではないのですがなあ……
■憲法9条を独占しているつもりの社会党(社民党)が、自民党と組んで首相を出した時に、自衛隊を合憲と認めたのですから、今更、その話は無かったような顔をして、「平和と憲法」を語る資格など無い事を、今回の選挙ではっきりと突きつけられました。土井たか子さんは、自分が落選した事実を認識出来ないほど頭が混乱しているし、執行猶予の身分で復活当選したオネエちゃんも、国会を遊園地か何かと勘違いしているようです。日本が「平和」をきちんと議論できなくなったのは、自分達の罪だと気が付かないまま、次の占拠まで空騒ぎを続けるつもりなのでしょう。自民党にした所で、女性初の主計官などと祭り上げられて、防衛政策のイロハも知らないくせに、防衛費を削って自己満足していた程度のオネエちゃんを起用して議員にしてしまったのですから、日本の防衛を真剣に考えてはいない事を白状したようなものです。
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