旅限無(りょげむ)

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原爆が使われる日 其の八

2008-10-21 21:14:20 | 外交・世界情勢全般
■立派な核保有国として欧米に認められた北朝鮮は、それを大々的に祝おうと思っていた矢先に将軍様の健康に異常が発生!100万人単位で餓死者が出ていても、世界中から山海の珍味を集めて暴飲暴食を続けていたとの悪評は以前からありますし、何かとストレスが多い殺伐としたお国柄なので酒とタバコに加えて色事にも熱心だという何処まで本当だか分からない噂も盛んに流されていた人ですから、どんな病気になろうとも誰も驚くはずもないのですが……。生きているのか死んでいるのか?生きていても世界を破滅させないようにする知恵が働いているのか?或いは破滅へと暴走する物騒な命令を下してしまうほど不安定な心理状態なのか?それ以上に現体制を維持して国内を統治している主体が誰なのか?見事に情報が統制管理されているので、1ヶ月以上もの間、恐ろしい憶測ばかりが流れているのであります。

グリーン前米国家安全保障会議アジア上級部長は10日、北朝鮮の金正日総書記の健康悪化説に関し、「金総書記が権力の座からいなくなれば、情勢の不安定化を招く恐れがある」と述べ、体制崩壊の可能性も視野に入れて関係国が核兵器管理などの対応策を準備しておく必要があるとの考えを示した。……グリーン氏は体制崩壊への備えとして、
(1)危険な核・生物・化学兵器の管理
(2)北朝鮮軍のゲリラ化防止
(3)北朝鮮国民への人道支援
(4)日本を含む近隣国への流出が予想される難民対策-を挙げ、6カ国協議参加国や主要8カ国(G8)の間で水面下の検討を進める必要があると強調した。
9月11日 時事通信

■リーマン・ブラザースの破綻から始まった世界的な金融危機で、有るのか無いのか分からない北朝鮮の原爆モドキの事など、あっと言う間に二の次、三の次扱いになってしまいましたが、北朝鮮という国は世界の注目が自国に集まらなくなることに敏感で、世界中が内向きになってそれぞれの国内経済に集中しようとすれば、何とかして御心配をお掛けしようと危険な遊戯を始めるという悪い癖があります。拉致犯罪を自白した時にように、「一部の冒険主義者が暴走した」という一言で、手下に核・生物・化学兵器を悪用するような命令を下して一騒動起こし、毎度の如く白を切り通してやろう、などと考えないで欲しいものです。

■この9月10日には、何故か米国から北朝鮮関連の物騒な予測が同時に出されております。これは間も無くテロ支援国家指定を解除するための迂遠な予告だったのか?或いはライス国務長官の譲歩政策に反対する勢力が必死に巻き返しを図っていた証拠なのか?今となっては判断が付きかねますが、ブッシュ政権の断末魔となった金融危機対策で見せた根元からの政策転換ぶりを見れば、「話がぜんぜん違うぞ!」と怒り狂った声が近しいところから出て来ても不思議ではありませんなあ。


米シンクタンク、グローバルセキュリティーのジョン・パイク所長は10日、北朝鮮が北西部で新たな長距離ミサイル発射施設の建設を進めているとの情報を明らかにした。衛星写真を分析した結果判明したもので、1、2年以内に完成する可能性がある。長距離ミサイル・テポドン2号の実験施設とみられ、稼働すれば同ミサイルの性能向上に役立つ見込みという。……06年7月5日、北東部・舞水端里の実験場からテポドン2号を発射。ミサイルは沿岸に落下し、実験は失敗に終わったと分析されているが、新たな施設で実験を再開する可能性が出てきた。
9月11日 時事通信

■食糧問題もエネルギー問題もまったく解決しようと努力せず、ひたすら核と長距離ミサイルの開発だけに乏しい国力を集中している様子がよく分かる話であります。これこそ文字通りの「切り札」と呼ぶべき物でしょうなあ。露骨に言ってしまえば将軍様の1人や2人死のうが生きようが、ここまで核兵器とミサイルの技術を進めてしまえば、あれこれと芝居がかった脅しのパフォーマンスを繰り返して欲しい物は何でも手に入れらそうです。もしも、親子二代にわかって数百万人の犠牲を払って手に入れた核保有国の立場が、後々、南北統一が成った暁には偉大な業績として半島の歴史に刻まれることになるかも?

■そうなっても日本は核武装を考えず、不思議な憲法を後生大事にしているのでしょうなあ。日本国内で核兵器反対を叫ぶのも、日本の核武装を邪魔するのも簡単なのに、隣国の核武装は止められないというのも考えてみれば不思議な話ではあります。

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