旅限無(りょげむ)

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中国洗浄法 其の弐

2006-03-18 02:05:47 | 外交・情勢(アジア)
■中国に開いた大穴の実態を1月9日のFujiSankei Businessから引用してみましょう。

非合法な民間金融「地下銀行」の中国での融資規模が昨年末現在で、7405億~8146億元(約10兆3670億~11兆4044億円)と、正規の金融機関による融資規模の3割近くに上ることが初の実態調査で明らかになった。中国では、国有商業銀行などから融資を受けられない中小企業や個人が高金利の地下銀行に依存する傾向が強まっており、不正資金の温床や金融政策が機能しにくい原因となっている。

■日本にも莫大なアンダーグラウンド・マネーが蠢いていると言われますが、正規の経済の3割になどはならないようです。こんな闇金融が活動していたら、計画経済など成り立つはずが有りません。簡単に言ってしまえば「闇金融」が国家の経済政策に支障を来たすほど巨大化しているという事です。


新華社電によると、この調査は北京の中央財経大学が実施した。全国の20省の82市・県および206村の中小企業110社、個人事業主1203人に対して直接調査したほか、金融機関や司法当局からも聞き取りした結果をまとめた。中国の地下銀行の実態を明らかにしたのは、この調査が初めて。 それによると、中国政府が昨年4月からの景気過熱抑制策として、資金の供給などを抑えている炭鉱や石油、鉄鋼、セメントの分野での調達資金の多くが地下銀行から出ていることがわかった。政府の金融引き締め策の影響で昨年から、地下銀行の活動が活発化している実態が浮き彫りになった。

■つまり、政府がいくら金融政策で赤字企業を整理しようとしても、闇から湧き出す黒いカネで延命してしまうという事です。しかし、慢性的な赤字企業は高利貸しから得た資金をどうやって返済する心算なのでしょう?結局は地方政府の役人と結託して違法な税金を取り立てて返済に回して貰うしか無いでしょうなあ。逆に、政府が投資した予算も、この大穴に投げ込まれたら二度と戻っては来ないのでしょう。どうやって帳簿を調整していることやら。


金融引き締めにより、商業銀行などから融資が受けにくくなっている中小企業経営者の約3分の1や農民の半数以上が地下銀行から資金を調達。また、正規の金融機関に対する地下銀行の融資額の割合は、黒龍江省が53・4%と全国で最も高かったほか、遼寧省や福建省、山西省が30%を超えていた。

■沢山ある中国の省の中でも、黒龍江省はすっかり日本の皆さんに馴染み深い地名になってしまいましたなあ。千葉県の農家に嫁いで来た整形エステ嬢の鬼嫁さんの故郷です。上の省政府が闇金融からの借金で省予算の半分以上を賄っているのですから、手段を選ばず海外に逃亡しようとする娘さんが出て来ても何の不思議も有りません。そんな場所に大金を払って嫁探しに行く人こそ、良い面の皮、葱を背負ったカモでしょうなあ。どうしても農家の嫁不足解消には大陸からの花嫁が必要ならば、出身地別の離婚率や家庭争議のサンプルを集計するべきでしょう。少しはリスクを回避できるかも知れません。


中国証券報は、中国では地下銀行が一定の役割を担っていると指摘。浙江省など沿海部では中小企業でも正規の銀行との取引比率が高いが、地方や農村では地下銀行に依存せざるを得ないと分析するとともに、地下銀行から高利融資を受けた企業が株式投資に失敗し、巨額の損失を出したケースを紹介しリスクの高さを警告している。一方、中国国家外貨管理局は地下銀行がマネーロンダリング(資金洗浄)の温床になっているとして、公安省と協力。昨年1年間で地下銀行や取引場所47カ所を摘発し、3300万元(約4億3400万円)の現金を押収した。これらの地下銀行が関与した資金総額は100億元(約1400億円)にのぼるという。このほか、同局は2000あまりの銀行口座で1億7000万元(23億8000万円)相当の資金を凍結しているが、これらは「氷山の一角」(同紙)とみられている。

■眩暈(めまい)がするような天文学的な闇金融の規模です。高利貸しから借金して株に投資している企業まで居るのなら、これはもう市場経済の末期症状です。もしも株で儲けても決して従業員には還元されず、経営陣は持ち逃げしてしまうのでしょうし、失敗したら夜逃げ騒動の末に、大量の失業者が吐き出されるのでしょうなあ。しかし、この闇の大穴は海外に通じる穴でもあるので、中央政府はほとほと困っているようです。

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