転換期迎える住宅事情に思う。

2007年12月27日 | 住まいづくり
 信濃毎日新聞に「転換期迎える住宅事情」で日本開発構想研究所理事の小畑晴治氏のインタビュー記事が載っていた。

 都市や中核都市の駅前で高層マンションが急増する一方で、高齢者しか住んでいない団地が増え始めており、住宅事情は転換期を迎えている。という前置きである。

 現実にこの佐久平駅周辺も今マンションブームだ。毎週のように折込が入り、ポスティングも度々だ。夜には電話も入る。売れている物件と、そうでない物件があるようだ。噂によると、売れていない物件はグレードがよくないということだ。立地もよくないから、価格で勝負でもかけたのだろうかと、通りすがる度に思う。

 記事は、今のマンションの多くは、安くて見栄え良く造るという論理がまかり通り、「価値」の持続性がない。豪華なロビーなど共有部分の派手な付加価値で売っていて、押入などの収納部分が少なく、普通の生活の水準にあわない。

 住居としての価値がどんどん下がり、新築でも10年毎に大規模修繕が必要で、30年後には建替えなくてはならない。60歳の人だと、老後の安心のために入居したのに、年金生活の中で10年毎の修繕積立金の心配をしなければならない。

 短期の資金回収を目的にしたマンションは、コストがぎりぎりに切り詰めてあり、20年以上耐久性がある建材や技術がたくさんあるのに、それを使わない。
 こうした問題は専門家にはすぐわかるが、初めて買う人にはわからない。
あと1割値段をあげれば、品質の高いマンションを造れるのに。

 記事はこの後、世帯の変化に移っていくのだが、本日は上記まで。

 当社の社長がいつも行くサウナで知人に声をかけられたとのこと。灯油の高騰により、家のランニングコストについてのところから話は始まったらしい。
そして最後に「中島の家で建てればよかった」と。価格が高いという思い込みで、声がかけられなかったが、最近中島の建てた建物の評判を聞くにつれ、後悔しているとのことだった。高気密高断熱ではない家で、家中床暖房ではたまらないだろうとお気の毒な気持ちになった。

 信州エコ住宅構想もいよいよ予算がつきそうだ。寒冷地でいかに燃費を使わなくて暖かくくらせるか、遅ればせながら官も動き始めた。

                        依田 美恵子
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする