を読んでいる。トゥールのグレゴリウス著。まだ3分の1くらいしか読めていないが、引っかかるのは・・・。
フランク王クロドヴェクスは、妻のクロトキルディスからキリスト教に改宗するよう説得されたが、拒否した。だが、アラマニー人との戦いで窮地に陥り、彼は神キリストに助けを求める。すると、戦局は逆転した。これが、フランク人がキリスト教徒になるきっかけとなった(2、29~31)。
果たして、このエピソードは史実なのか。どうも、疑わしい。なぜなら・・・。
妻のクロトキルディスは、こんな風に夫を説得している。「あなたたちの崇める神々は無意味なものです。・・・たとえばサトゥルヌスは王国を失わないように自分の息子から逃れて身を守りました。あのユピテルなど、放蕩者の最たる者です」。以下、マルス、メルクリウスを彼女はこきおろしている(2、29)。
おかしくないか。どれもギリシア~ローマ神話の神々だ。フランク人はゲルマン系。彼らの神々といえば、オーディン、トール、ニョルズ・・・、なのだが。エピソード全体が、怪しく見えてくる。
今となっては、実際のきっかけが何だったのかは、知りようがないのにゃ。