「心理学と錬金術Ⅰ」を読む。カール・グスタフ・ユング著。人文書院。
まず、まえがきに驚かされる。協力者に対する謝辞が述べられているのだが、M・L・フォン・フランツ嬢、R・シェルフ嬢、L・フライ夫人、O・フレェーベ・カプテイン夫人、J・ヤコービ夫人、L・フルヴィツ・アイスナー夫人、と、オンナだらけなのにゃ。ハーレム状態で執筆したのは間違いない。一方、本文は・・・。
「わけても背理は、極めて貴重な精神的財産の一つである。これに反して一義性は、弱さのしるしである。従ってもし宗教が、その背理性を失ったり弱めたりするようなことがあれば、それは内面的に貧困化し、背理性が強められる場合にはそれは豊かになる。というのも充溢せる生をおおよそなりとも捉えうるのはひとり背理のみであって、一義的な明白さとか矛盾の無さとかいうものは物事の一面にしか通用せず、従って把握し難いものを表現するには不向きだからである」。
にゃあ。先が思いやられるのにゃ。(つづく)