富谷教会ホームページ・礼拝説教

富谷教会は宗教法人の教会です。教会は礼拝室と二つの茶室からなる和風の教会です。ゴルフ場に接する自然豊かな環境にあります。

真の救い主の誕生 ルカによる福音書2章1~20節

2014-12-14 22:36:06 | 聖書

〒981-3302宮城県黒川郡富谷町三ノ関字坂ノ下120番地12 TEL:022-358-1380 FAX:022-358-1403

日本キリスト教 富谷教会 

 待降節第3主日     2014年12月14日(日) 5時~5時50分 

礼   拝    

前 奏           奏楽 辺見トモ子姉

讃美歌(21)  267(ああベツレヘムよ)

交読詩編      30(主よ、あなたをあがめます)

主の祈り    93-5、A

使徒信条    93-4、A

聖 書  ルカによる福音書2章1~20節       

説 教   「真の救い主の誕生」 辺見宗邦牧師

讃美歌(21) 248(エッサイの根より)

献 金

感謝祈祷          

頌 栄(21)     24(たたえよ、主の民)

祝 祷

後 奏

                  次週礼拝 12月21日(日)夕礼拝 午後5時~5時50分 

                    クリスマス礼拝

                    聖 書 マタイによる福音書2章

                     説 教  「メシアの誕生とヘロデ大王」

報告 12月13日(土)に開催したクリスマス茶会は盛会裏にお終わることができました。50名で礼拝いたしました。

本日の聖書 ルカによる福音書2章1節~20節

1そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。2これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。

3人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。 4ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。 5身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。6ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、7初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。

8その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。 9すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。

10天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。11今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。12あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」 13すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。 14「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」

15天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。16そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。 17その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。

19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

本日の説教 

 救い主、メシア誕生の預言は、イエスが誕生する700年も前に、預言者イザヤによって語られていました。「見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエル(神は我々と共におられる)と呼ぶ」(イザヤ書7:14)と。イザヤと同じ頃に活動した預言者ミカも、「エフラタのベツレヘムよ、お前はユダの氏族の中でいと小さき者。お前の中から、わたしのためにイスラエルを治める者が出る」(ミカ書5:1)と語っています。預言によれば、メシア(救世主)はダビデの出生地であるベツレヘムで生まれる、と言われていました。

主イエスが誕生したのは、ローマ時代です。イスラエルがローマ帝国の支配下にあった時代です。神が人類を救う計画は、人類の祖アダムとエバが罪を犯し、楽園を追われたときから始まっていると言えます。「人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、ただイエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです」(ローマ人への手紙3:23)。

歴史上で始まったのは、神がユダヤ民族の始祖となるアブラハムを選んで、カナンの地の地に行くように命じられた時から始まったと言えるでしょう。「わたしはあなたを大いなる国民にし、あなたを祝福し、あなたの名を高める。祝福の源となるように。…地上の氏族はすべて、あなたによって祝福に入る。」(創世記12:2,3)アブラハムは主のことばに従って、ロトと共に、ハランを旅立ち、カナン地方に入りました。紀元前1950年頃、エジプト第12王朝の時代です。

 アブラハムは、父と共に、メソポタミアのウル(現在のイラク南部)から、ハランに移り住んだ人です。ハランから部族を引き連れて「カナンの地」(現在のイスラエル、パレスチナ付近)に移住 したことから、彼らは「移住民」という意味の「ヘブライ人」と呼ばれました。カナンの地で、アブラハム、イサク、ヤコブの三代のわたり、三人の族長が300年ほど過ごしました。ヤコブは神からイスラエルという名を与えられたので、それ以来、ヘブルライ人は「イスラエル人」と呼ばれるようになります。

 ヤコブの時代、カナンの地は干ばつに襲われ、食糧を求めて、ヤコブ一族はカナンの地を離れ、エジプトの移住しました。紀元前1650年頃から,420年間もの長い間、エジプト王国に寄留し、ついにはエジプトの奴隷のような状態にまでなりました。それを救ったのが、神に命じられて指導者になったモーセです。モーセは民を引き連れてエジプトを脱出し、シナイ半島の荒れ野を40年かかって、カナンの地(パレスチナ)へと導きました。モーセの後継者ヨシュアは、カナンの先住民た戦い、ついに、カナンの地を分割して、イスラエル12部族が定住しました。紀元前1020年頃から、ほぼ100年間、サウル王、ダビデ王、ソロモン王と三代にわたり統一王国を築きました。神がイスラエルを神の民として選ばれたのは、「あなたがたがどの民よりも数が多かったからではない。事実、あなたがたは、すべての国々の民のうちで最も数が少なかった。しかし、主があなたがたを愛されたから」(申命記7:7~9)なのです。預言者イザヤやミカの時代に、統一王国は分裂し、北イスラエル王国と南ユダ王国の二つの王国になっていました。この後、イスラエルの民は、キリストの誕生まで、700年の間に、5つの大帝国に次々と支配されることになるのです。

北イスラエルは、イザヤ・ミカの時代に、アッシリア帝国の滅ぼさ、南ユダは支配され属領となります。その100年後、南ユダは、次にオリエント世界の覇者となったバビロ二ヤ帝国によって滅ぼされます。民はバビロンに連行され、凡そ50年間捕囚の民となります。次に当時の世界を支配したのはぺルシャ帝国です。捕囚の民イスラエルは故国に帰ることを許されました。しかし、ぺルシャ帝国の属国であり、その支配は200年間続きました。次に世界を支配したのは、アレキサンドロス王によるマケドニヤ帝国です。マケドニヤ帝国は、紀元前332から紀元前37年まで100年ほど続きました。しかし、その末期の時代、イスラエルは反乱を起こし、紀元前167~63年まで、ユダヤ人による独立王国を築きました。次に登場した世界の覇者がローマ帝国です。

古代ローマは、紀元前509年の王政打倒から、紀元前27年の帝政の開始までの期間、イタリア中部の都市国家から、地中海世界の全域を支配する巨大国家にまで飛躍的に成長した共和政をとっていました。ローマのポンペイウス将軍によって、紀元前37年にエルサレムは占領され、滅びました。紀元前27年にオクタヴィアヌスが元老院から、「アウグストゥス(尊厳者の意味)」の尊称を与えられ、ローマの初代皇帝となりました。

ローマはヘロデ大王をユダヤの王として、イスラエルを統治しました。ユダヤを含むシリア州の総督が、ローマから派遣されたキリニウスです。ルカ福音書を書いたルカは初代のアウグストゥス皇帝の勅令によって、イエスはベツレヘムで生まれることになったと記しています。メシアは神が預言者を通して語れた場所で生まれたのです。イスラエルは5度も大帝国によって支配された民でしたが、このイスラエルの末から、救い主が誕生します。神の約束は成就するのです。

「彼ら(ヨセフとマリア)がベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた」とあります。神はその子を極貧の中で、最も卑しい者として生まれさせました。イエスは生まれたときから、十字架への道を歩むことになるのです初代教会はここに神の恵みを見ました。

当時の人々はローマ皇帝を救い主と呼びました。ルカは皇帝アウグストゥスと幼児イエスを比較しています。主の天使が、羊飼いたちにダビデの町で生まれた「この方こそ主メシアである」と告げます。

 ルカは武力で支配するローマ皇帝がメシアではなく、イエスこそメシアであり、その支配は永遠に続くと宣言するのです。

紀元前27年から始まったローマ帝国は、西暦395年に西ローマ帝国と、イスタンブールを首都とする東ローマ帝国に分裂し、西ローマ帝国は紀元476年、東ローマ帝国はオスマン帝国によって滅亡しました。

「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである、」(ヨハネ3:16)とあります。

神の御子イエスは、私共のために来られ、私共に代わって、私共のために十字架にお架かりになり、三日目によみがえられました。十字架の死と復活をもって私共の死を滅ぼされ、永遠の命への希望に生きる道を拓いてくださいました。主イエスは、すべての民のまことの王として来てくださいました。クリスマスが成立したのはかなり後の時代のことで、最初の300年から400年間、教会でクリスマスは祝われていませんでした。教会が重要視したのは、教会を成立させたキリストの復活と聖霊降臨でした。

私たちを救うために世に来られ、マリアから生まれたイエス・キリストをほめたたえる、今、父なる神と共に支配している主をほめたたえ、やがて来たりたもう主イエスをほめたえましょう。今、わたしたちの心のうちに、御霊のイエスを迎えることこそが、最大のクリスマスを祝う意義であり、大きな喜びなのです。

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