仲のよい夫婦、親子だったのに、気がつくと会話のない冷たい雰囲気の家庭になっていた……。それは、家族だからこそうっかり言ってしまう、冷たい印象を与える口ぐせのせいかもしれません。口ぐせに気づき、家庭に温かな会話を取り戻すための方法を考えてみましょう。
掲載日:2011年05月27日
..理想とかけ離れた家庭になってしまうのはなぜ?
結婚当初はどんなことでも話し合い、愛し合っていた夫婦が、どちらともなく会話を避けるようになる。幼いころには、うるさいほどまとわりついてきた子どもたちが、いつしか何も話をしなくなり、部屋から出てこなくなる。食卓ではみんなテレビを眺めるだけで、何の話もない。それどころか、最近では同じ時間に食卓を囲むことを意図的に避けてしまう……。
残念なことですが、10年以上の「ベテラン家族」は、時としてこんな姿になってしまうこともあるようです。
家庭の「温度」は、時を重ねれば冷めていくもの。とはいえ、目も合わさず、あいさつも交わさないほど冷めた関係になっているなら、しっかり考えなければならない問題が潜んでいるのかもしれません。
暮らしの中で薄れがちになる家族への尊敬
人は、家族などの近しい間柄の人に対して、無遠慮になってしまうものです。
「家族の絆」への過信があるからこそ、「多少きつい言葉を発しても受け止めてくれる」「相手を傷つけているはずがない」と思い込んでしまうもの。しかし、どんなに近しい間柄でも、遠慮のない言葉をかけられれば、やはり深く傷つきます。
「クールな口ぐせ」が口をついてしまうのは、生活を共にしているうちに相手への尊敬が薄れてしまうからなのかもしれません。
例え相手が外では一目置かれている人でも、家では会話もなく、掃除や台所に立つ後ろ姿や、休日はゴロ寝姿ばかり見ていると、世間での頑張りや評判は実感できなくなってくるもの。さらに近しい間柄だからこそ、相手には「手の届く存在であってほしい」「いつまでも変わらないでいてほしい」という期待がつい生まれてしまうものです。
こうした思いが絡むと、会話をすればつい相手を傷つけてしまうような「クールな口ぐせ」が出てしまうことが多いよう。ちょっとした一言から家族の気持ちをバラバラにしないためにも、言葉への配慮は大切です。では、家族を傷つける「クールな口ぐせ」にはどんなものがあるのか、次のページで考えてみたいと思います。
..大切な人を傷つけてしまう、4パターンの口ぐせ
家族などの近しい間柄の人に、思わず発して傷つけてしまう「クールな口ぐせ」の代表的なものには、次の4パターンがあると思います。
1. 否定ぐせ
よく聞きもしないうちから相手の意見ややりたいことなどに、否定的な発言をする。
例:「やめておけ」「意味がない」「そんなの無駄」「くだらない」
2. 決めつけぐせ
根拠はないのに、一方的に決めつける発言をする。
例:「お前には無理だよ」「それをやっても仕方がない」「できるはずがない」
3. 中断ぐせ
最後までしっかり聞かずに、途中で会話を一方的にやめてしまう。
例:「あ、そう」「だからどうしたの?」「なにそれ?」
4. 要求ぐせ
自分にとっては常識、当たり前だと思っていることを相手がしないと非難する。
例:「なんでやらないの?」「そんなの常識でしょう」
近しい間柄こそ、こうした「クールな口ぐせ」を遠慮なくかけてしまうもの。しかし、言われた側は一方的に否定されたり、軽視されているように受け止めてしまいます。結果的に、相手が大切にしていた家族への思いや、愛情や信頼、期待が薄れていってしまうのではないでしょうか。
会話復活の方法は? 家族再生のチャンスはいくらでも訪れる
いったん家族の心の溝が深くなると、なかなか素直な気持ちでは向き合えなくなってしまうものです。
しかし、そこは一緒に人生を歩む者同士。ひょんなことからまたじっくり話し合う機会を持てたり、悩む時間を共有したり、笑顔や涙を交し合ったりする場面も訪れるはず。
そのきっかけは、冠婚葬祭、進学、就職、引越しなどのライフイベントかもしれません。ペットや新しい友人との出会いかもしれません。もっと身近な生活上のイベントかもしれません。いずれにしても、一緒に歩んでいれば家族再生のチャンスはたくさん訪れるはず。要はそのチャンスを大切にし、チャンスを生かせるかどうかなのです。
家族再生のチャンスに気をつけたい3つのこと
家族再生のチャンスとなる「じっくり会話をする時間」を持てたら、3つのことに気をつけましょう。
1. 「クールな口ぐせ」を絶対に発しないと心に決める
言ってから、「あれは照れ隠しだった」なんて、もっともらしい言い訳をしても効果はありません。自分が言われて傷つく言葉は、やはり家族も傷つくのです。
2. 相手の言うことを最後までしっかり聞く
相手の話の内容にすぐに反応せず、「話したい」という気持ちを受け止めましょう。具体的には、相手の言うことを最後までしっかり聞くこと。自分の意見は、話し手が自分の話を言い終わった後に伝えればいいことです。「しっかり聞いてもらえた」という思いが重なれば、信頼の気持ちはまた生まれてきます。
3. 傷ついた気持ちはその場で伝える
相手から「クールな口ぐせ」を言われて傷ついたときは、「ひどい」「傷ついた」という気持ちをその場で伝えることも大切。口ぐせは無意識的に口についてしまうため、相手は無自覚なことが多いのです。思っている感情は、きちんと口に出して言わなければ、伝わりません。
これらの3つのポイントを押さえた会話は、冷えた家族関係を温めるきっかけになるはず。ぜひ試してみていただければと思います。
http://allabout.co.jp/r_health/gc/380615/
掲載日:2011年05月27日
..理想とかけ離れた家庭になってしまうのはなぜ?
結婚当初はどんなことでも話し合い、愛し合っていた夫婦が、どちらともなく会話を避けるようになる。幼いころには、うるさいほどまとわりついてきた子どもたちが、いつしか何も話をしなくなり、部屋から出てこなくなる。食卓ではみんなテレビを眺めるだけで、何の話もない。それどころか、最近では同じ時間に食卓を囲むことを意図的に避けてしまう……。
残念なことですが、10年以上の「ベテラン家族」は、時としてこんな姿になってしまうこともあるようです。
家庭の「温度」は、時を重ねれば冷めていくもの。とはいえ、目も合わさず、あいさつも交わさないほど冷めた関係になっているなら、しっかり考えなければならない問題が潜んでいるのかもしれません。
暮らしの中で薄れがちになる家族への尊敬
人は、家族などの近しい間柄の人に対して、無遠慮になってしまうものです。
「家族の絆」への過信があるからこそ、「多少きつい言葉を発しても受け止めてくれる」「相手を傷つけているはずがない」と思い込んでしまうもの。しかし、どんなに近しい間柄でも、遠慮のない言葉をかけられれば、やはり深く傷つきます。
「クールな口ぐせ」が口をついてしまうのは、生活を共にしているうちに相手への尊敬が薄れてしまうからなのかもしれません。
例え相手が外では一目置かれている人でも、家では会話もなく、掃除や台所に立つ後ろ姿や、休日はゴロ寝姿ばかり見ていると、世間での頑張りや評判は実感できなくなってくるもの。さらに近しい間柄だからこそ、相手には「手の届く存在であってほしい」「いつまでも変わらないでいてほしい」という期待がつい生まれてしまうものです。
こうした思いが絡むと、会話をすればつい相手を傷つけてしまうような「クールな口ぐせ」が出てしまうことが多いよう。ちょっとした一言から家族の気持ちをバラバラにしないためにも、言葉への配慮は大切です。では、家族を傷つける「クールな口ぐせ」にはどんなものがあるのか、次のページで考えてみたいと思います。
..大切な人を傷つけてしまう、4パターンの口ぐせ
家族などの近しい間柄の人に、思わず発して傷つけてしまう「クールな口ぐせ」の代表的なものには、次の4パターンがあると思います。
1. 否定ぐせ
よく聞きもしないうちから相手の意見ややりたいことなどに、否定的な発言をする。
例:「やめておけ」「意味がない」「そんなの無駄」「くだらない」
2. 決めつけぐせ
根拠はないのに、一方的に決めつける発言をする。
例:「お前には無理だよ」「それをやっても仕方がない」「できるはずがない」
3. 中断ぐせ
最後までしっかり聞かずに、途中で会話を一方的にやめてしまう。
例:「あ、そう」「だからどうしたの?」「なにそれ?」
4. 要求ぐせ
自分にとっては常識、当たり前だと思っていることを相手がしないと非難する。
例:「なんでやらないの?」「そんなの常識でしょう」
近しい間柄こそ、こうした「クールな口ぐせ」を遠慮なくかけてしまうもの。しかし、言われた側は一方的に否定されたり、軽視されているように受け止めてしまいます。結果的に、相手が大切にしていた家族への思いや、愛情や信頼、期待が薄れていってしまうのではないでしょうか。
会話復活の方法は? 家族再生のチャンスはいくらでも訪れる
いったん家族の心の溝が深くなると、なかなか素直な気持ちでは向き合えなくなってしまうものです。
しかし、そこは一緒に人生を歩む者同士。ひょんなことからまたじっくり話し合う機会を持てたり、悩む時間を共有したり、笑顔や涙を交し合ったりする場面も訪れるはず。
そのきっかけは、冠婚葬祭、進学、就職、引越しなどのライフイベントかもしれません。ペットや新しい友人との出会いかもしれません。もっと身近な生活上のイベントかもしれません。いずれにしても、一緒に歩んでいれば家族再生のチャンスはたくさん訪れるはず。要はそのチャンスを大切にし、チャンスを生かせるかどうかなのです。
家族再生のチャンスに気をつけたい3つのこと
家族再生のチャンスとなる「じっくり会話をする時間」を持てたら、3つのことに気をつけましょう。
1. 「クールな口ぐせ」を絶対に発しないと心に決める
言ってから、「あれは照れ隠しだった」なんて、もっともらしい言い訳をしても効果はありません。自分が言われて傷つく言葉は、やはり家族も傷つくのです。
2. 相手の言うことを最後までしっかり聞く
相手の話の内容にすぐに反応せず、「話したい」という気持ちを受け止めましょう。具体的には、相手の言うことを最後までしっかり聞くこと。自分の意見は、話し手が自分の話を言い終わった後に伝えればいいことです。「しっかり聞いてもらえた」という思いが重なれば、信頼の気持ちはまた生まれてきます。
3. 傷ついた気持ちはその場で伝える
相手から「クールな口ぐせ」を言われて傷ついたときは、「ひどい」「傷ついた」という気持ちをその場で伝えることも大切。口ぐせは無意識的に口についてしまうため、相手は無自覚なことが多いのです。思っている感情は、きちんと口に出して言わなければ、伝わりません。
これらの3つのポイントを押さえた会話は、冷えた家族関係を温めるきっかけになるはず。ぜひ試してみていただければと思います。
http://allabout.co.jp/r_health/gc/380615/