“知恵を得たいのだったら謙虚になりなさい。知恵が自分のものになったら、もっと謙虚になりなさい。”

2006年08月12日 04時10分21秒 | Weblog
 “知恵を得たいのだったら謙虚になりなさい。知恵が自分のものになったら、もっと謙虚になりなさい。”

 ヘレナ・ペトロヴァ・ブラヴァツキー(ロシア人作家。「神智学協会」の共同設立者)
 1831年8月12日生まれ

8月12日(土)~18日(金)のあなたの運勢

2006年08月12日 04時07分40秒 | 占い
 バブルがはじけたら、そのバブルをはじいた針に感謝してください。最近あるできごとが起こり、あなたは自分の生き方を見直す必要に迫られました。昔のやり方はもう通用しません。今まで追い求めてきたものが光彩を失ってしまいました。そんなわけで、今あなたはちょっぴりへこんでいるかもしれません。しかし、実のところあなたの状況は上々なのです。

 これまで、あなたの目の前には「希望的観測」という名の目に見えないベールが垂れていました。あなたは「見たいもの」だけを見ていたのです。それというのは楽しいことではありますが、現実的ではありません。今やあなたは自分の状況をよく理解しています。今週、新たに得た理解を元に行動を起こしてください。自分の目を開いてくれたものを嫌悪しないように。むしろ感謝してください。真実が明らかになったら、お祝いを打ち上げたい気分になるでしょうから。


2006/8/14-2006/8/20 かに座の空模様。

2006年08月12日 04時02分14秒 | 占い
2006/8/14-2006/8/20 かに座の空模様。

週報をねらえ。>>
先週分をねらえ。>>


動き回るのはそれだけでも楽しいはずですが
そこに、すきなものやすきなことが
どんどん巻き込まれてきます。

スキだな、とか、楽しいな、とか、心地よいな、とか、おいしいな、とか。
けっこう意識していないと感じることができない感覚です。
自然にわかる
意識しなくても来る
ものって、意外と少ないのです。
なにかに夢中になっていると、痛みを感じないときもありますし
自分で自分の疲れに気づかないこともあります。

身体や心が喜んでいるかどうか、が
今週は状況を動かすための一つのカギになりそうです。
動き回って、その中で
刻々と状況が変化していくのですが
分岐点に来ると必ず
それが判断基準になるはずです。

誰かに感謝されたり大切にされたりすることが
何よりもだいじな蟹座です。
だから、自分がどう感じているか、が
だれかのために、どこかに吹っ飛んでしまうこともしばしばあります。
感情の星座・蟹座の人は
「感覚」がおろそかになってしまいがちなのです。

スキだな、とか、楽しいな、とか、心地よいな、とか、おいしいな、とか。
自分のなかにそれがあるかどうかを
探してみて下さい。
難しい2タクでも
基準をそこに据えるだけで
案外簡単に選べてしまうのではないかなと思います。

http://www.st.sakura.ne.jp/~iyukari/week/060814cancer_w.html

8月5日(土)~11日(金)のあなたの運勢

2006年08月12日 04時00分56秒 | 占い
 今週は「無視できないこと」、「避けられないこと」、もしくは「理解できないこと」に取り組まなければなりません。言うまでもありませんが、この中で最も扱いにくいのは「理解できないこと」です。義務や必然だったら、あなたは文句を言わずに取り組むはず。でも、説明は貴重です。理由を知らない限り、何かを変えることは困難ですから。

 というわけで、情報を集めてください。その情報は貴重です。それに合わせて順応し、調整してください。そうこうしているうちに肉体的・精神的なパワーがゆっくりとあなたの中に蓄積されていくでしょう。そのパワーを持ってすれば、一見したところ動かしようのない障害物をどけることが可能です。

http://stars.metawire.com/japan/cancer1.htm

2006/8/7-2006/8/13 かに座の空模様。

2006年08月12日 03時58分52秒 | 占い
得体の知れない不安は
ときどき、確かめようのないことから生まれます。
受験勉強中、一番不安で知りたくなるのは
「合格するかどうか」
ですが、
こればっかりは絶対に知りようがありません。
彼が「スキだよ」と言ってくれたとしても
それがほんとなのかどうかは
彼の心を見るためにメスで彼の身体をぶったぎってみても
絶対に知ることができません。

よく考えてみると
我々の周りは、知りようがないことばかりでできています。
自分の気持ちだってよくわからないわけですが
それも、確かめてみることができません。
だから、占いをしてみたくなったりしますが
占いだって、それが当たるかどうかは
そのときが来てみないとわからないわけです。
黙って座っただけで、こちらの過去を全てお見通し!にしたすごい占い師がいたとしても
その人が語る未来が果たして正解なのかどうかは
時が経ってみないと、判断できません。

でも。
今週、ひどく不思議な方法で、貴方は
「本来、絶対に知りようがないこと」
についての情報を手に入れるかもしれません。
そのことは、貴方の心に
具体的確信となって深く根を下ろし
この先長いこと、貴方の実質的な生活を支えるでしょう。

それがどんな情報なのかはわからないのですが
貴方が今一番必要としている情報であることはたしかです。
http://www.st.sakura.ne.jp/~iyukari/week/060807cancer_w.html

愛する人とが1番 描写「きれいでハッピー」なら

2006年08月12日 02時37分15秒 | Weblog
 ブロンドの髪をかき上げる男性、その厚い胸板にうっとりとよりかかる女性。かなりセクシーな場面だが、絵のせいか生々しくはない。

 「この表紙がいいんですよ。イメージをかき立てられますから」

 京都市の主婦山川栄子さん(29)は十数年来のロマンス小説ファン。看護婦の仕事をやめて育児に追われる今も、月に20冊は読む。新婚旅行にも10冊ほど持って行った。

 「どれも同じようなものだと悪口を言う人がいますが、主人公の職業も個性も、出会いや設定も全部違う。その違いを楽しむんです。ああ、自分がこうだったらいいなと夢に浸っている時が最高」

 男女が恋に陥り、必ずハッピーエンドで終わる欧米発のロマンス小説。カナダに本社があるハーレクイン社のシリーズがこの種の小説のいわば代名詞となっているが、ミステリーや歴史大河小説などの分野でもロマンス的作風の女性作家が活躍している。

 実は、ロマンス小説にはけっこう濃厚なセックス描写が多い。「シリーズや作家によってはかなりセクシーなものもあります。夢物語より女性たちの現実の生活を反映した作品が増えてきていることも背景にあります」とハーレクイン・マーケティング部。

 大のファンの山川さんも、「ハードな描写が多くなったなあ」と実感している。しかし、男性向けの娯楽小説と決定的に違うのは、ロマンス小説のセックスは必ず「愛」に裏付けられており、暴力はもちろん、無理強いのセックスも登場しないことだ。

 「私が気に入っているのはきれいでハッピーなセックスが描かれているから。愛する人とが1番なんだなあと実感できる。私が教師なら、若い人の性教育に使いたいくらい」と山川さんは言う。

 日本でも小説と映画が相次いで大ヒットした「マディソン郡の橋」。「中年の純愛」を描いているとされるが、決して「手も握らない」純愛ではなくセックスの場面も出てくる。女性は夫持ちだから、いわゆる不倫なのだが、お互いの恋愛感情に裏付けられたセックスは指弾されず、「純愛」と表現された。

 「肉体関係を持つことが本当に簡単な世の中になった。だからかえって、女性がセックスに愛とか心とかを強く求めるようになったのかもしれませんね」とフリージャーナリストの中井清美さん(35)は分析する。

 中井さんがロマンスと並んで注目するのが、男性間の同性愛を扱った女性読者向けの小説。少女漫画から発した「少年愛青春小説」の人気はこの10年余りで広がり、複数の小説誌が競合、角川書店では「角川ルビー文庫」としてシリーズ化されるほど。栗本薫さんの「終わりのないラブソング」は8巻続く。男性同士の肉体関係に翻弄(ほんろう)されてきた主人公が、たった1人との精神的なきずなに救いを求めていく物語だ。

 「魂の救済、愛による成長物語というのが、この分野の基本テーマ。私は“変形ハーレクイン”と呼んでいますが、1人が1人を守り抜く、肉体の上ではどんな性体験を経てきたとしても、一種の処女性、純粋さを再生したいという思いは共通するのでは」

 中井さんは、2年前、男性向けポルノ小説を150冊読破して分析、その結果を「わたしのエロ本考察 寂しい男と悲しい女」という本にまとめたことがある。

 「ポルノはすべて性の商品化」と決め付けるつもりはなかったし、女性にとって面白い作品もあるのではと読み始めた。しかし、一般の書店で手軽に買える本ですら、あまりに暴力的な内容であることに驚いた。言葉と行為で女性に対する憎悪を表現し、人種や職業の差別がからんだものも多かった。

 もちろん、すべての男性がレイプやSMを好むわけではない。しかし、女性の性的幻想が恋愛や、時には結婚と分かちがたく結びついているように、暴力や憎悪が男性の性的幻想の底に沈んでいるように見える。「男性のストレスはそれだけきついのかなあ。みんな疲れてますもんね」と中井さんはつぶやく。

 現実の性生活だけでなく、つかの間の性的幻想についても、男女のすれ違いは大きくなっているようだ。
(1996年9月12日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/sfuukei/fe_sf_19960912_01.htm

スローセックス 脱AV「過程」楽しむ

2006年08月12日 02時33分38秒 | Weblog
◆男も女も“演技”から解放

全身への優しいタッチはスローセックスに欠かせない。手の動かし方や力の加減をインストラクターから学ぶタカシさん(東京・港区のセックススクールアダムで)

 関東地方に住む会社員のタカシさん(32、仮名)は、看護師の新妻(25)と週に2~3回、たっぷりと時間をかけてセックスを楽しむ。髪や顔、背中、足など、互いの体を優しくなで合い、寄りそっている時間が最も長い。

 「愛する人と肌を重ねることがこんなに心地よく、幸せなことだと思わなかった。結果だけにこだわっていた自分がバカみたいです」

 こう話すタカシさんは20歳代のころ、自分のセックスに自信が持てなかった。手本にしていたアダルトビデオ(AV)の男優は皆タフで、「その通りにできない」自分はふがいないとずっと思っていた。

 約2年前、タカシさんは30歳を前に「自信を持てるようになりたい」と、東京都内のセックススクールを訪れた。指導役のインストラクターから「AV的なやり方は男性本位。女性には苦痛なだけ」と教えられ、驚いた。女性の体のメカニズムやタッチの仕方、心を通わせることの大切さなどを学ぶうち、AV男優のようにしなければならないという、呪縛(じゅばく)は解けていったという。

 料理だけでなく、作る手間も楽しもうという「スローフード」や、自然と調和しながらゆったり生きようという「ロハス」の考え方が最近、浸透してきた。セックスでも、AVに代表される男性主導の即物的なセックスからの脱却を促すように、「スローセックス」が注目されている。ゆっくり時間をかけ、互いをいたわりながら肌を重ねる時間を楽しもうというものだ。

 作家の五木寛之さんが2002年、著書「愛に関する十二章」(角川書店)で紹介した「ポリネシアンセックス」がきっかけの一つになったと言われる。「ファストフードを摂取するかのような手軽」なセックスに代わる形として南太平洋の島々に伝わる技法を紹介した。肌を密着させて眠るだけでも精神的な満足を得られると、説いている。

 「結果を求める従来のセックスと違い、過程を大事にするスタイルがあってもいいのではという提案だった。反響は予想以上でした」と編集担当の伊達百合さんは言う。

 「お陰で気持ちが楽になった」「試してみたい」などの声が数多く寄せられ、その後、女性誌などでも特集された。性能力が低下しつつある中高年層からの注目度も高い。

 AVにとらわれているのは男性だけではない。東京都内の女性会社員(29)は、セックスの際、つい大げさに感じたふりをしてしまう。「AVを見ると、ああいう風に反応しないといけないのかな、と思ってしまう。自然に振る舞えたら」と言う。

 古代インドの性愛論書「カーマ・スートラ」を基に、20~50歳代の米国人カップル5組が手ほどきをする同名のDVD(アップリンク)が5月末、大手CD店に並んだ。スローセックスのヒントにしたいと、主に女性が購入していくという。監修した米国人セックスセラピスト、ロリー・バックリーさんは「二人にとって幸せなセックスの形を作っていってほしい」と話す。

 偏った性情報から植え付けられたセックス観に、息苦しさや違和感を持つ人たちが、等身大のセックスを探し始めている。



 「くらし家庭面」で1996年に連載した「性の風景」は、性の問題を正面から取り上げて、大きな反響を得た。この10年で、インターネットや携帯電話が急速に普及し、アダルト画像や性体験談などを入手することは容易となった。だが一方で、これまでにない混乱や不安が人々に広がっているように見える。今日の「性の風景」をリポートする。
(2006年7月11日 読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/feature/sfuukei/fe_sf_20060711_01.htm

セックスなんて大嫌い アダルトビデオの幻想

2006年08月12日 02時22分53秒 | Weblog
◆「想像と全然違う」

 「マグロみたいで、ちっとも面白くない」

 ベッドを共にした後、彼からこう言われた。涙が止まらなかった。

 ミニスカートにセミロングヘアのその女性が、ぽつりぽつりと話し始めた。OL、23歳。婚約者がいることは聞いていたが、そんな悲しい秘密があるとは想像もしなかった。取材中にそこまで話す気になったのは、話せば自分の気持ちが少しは楽になると思ったからだろうか。窓の外に、日が沈んでも熱気の残る東京の街がかすんで見えた。

 彼とはそれまでも何回かセックスを経験していたが、彼女はすっかり自信をなくしていたという。セックスで快感があるということ自体がどうしても分からない。自分はセックスに向かないのだろう、とも思っていた。

 しかし、彼の方にはセックスの時「女性はこうする」という思い込みが強かった。大きな声を出すことも、大げさに反応することもない彼女が不満だったらしい。あれこれと工夫しようとするが、彼女には苦痛なだけだった。

 「セックスなんか大嫌い」。吐き捨てるように言った。婚約も解消しようかと悩んでいる。自分のような不感症では結婚生活もうまくいかないだろうから、という。心の傷は大きく、深い。

 神奈川県の21歳の保母も、1人で悩んでいた。「実際のセックスは、想像していたのとは全然違う。自分が悪いのかなあ」

 取材で会った10人近い20代前半の女性が、同じような言葉を繰り返した。

 「頭の中が真っ白になる」「電流がビリビリ流れる」。彼女たちがイメージする絶頂感についての表現も画一的だ。友達の話や雑誌の記事、アダルトビデオなどからそう思っているらしい。「でも、不感症じゃ彼に悪いからビデオを見て勉強して感じたふりをする」(埼玉県のOL、22歳)というのも共通していた。

 男性たちも、別の幻想に苦しんでいる。

 1年前。20代後半の会社員が、神奈川県立厚木病院泌尿器科医長の岩室紳也さんの診察室に現れた。結婚を前提に交際している女性と旅行に出かけたが、セックスできなかった。その後も、失敗ばかり。「いざというと、できなくなる」とうなだれる。

 医学的には問題がなかった。心理的な要因を探るためのカウンセリング中、アダルトビデオに強い執着を示す。「よく見るの?」

 うなずいてから男性が言った。「でも、僕は駄目です。ビデオの男優のようにがんがんできないから」

 「でも、あれは演技だから誇張もあるし、本当のセックスとは違う」と岩室さん。

 すると、その男性は「えっ、あれはうそなんですか」「ビデオとは違うんですか」と繰り返す。ひどくショックを受けた様子だった。

 ビデオは興味をかき立てるために男優も女優も演技がオーバーだし、人によってセックスは違うと一時間近く説明した。しかし、「男はビデオのように女性を満足させなければならない」と強迫観念のように信じ込んできた男性は納得できない顔だった。

 半年後、男性がまた訪ねてきた。相手の女性と結婚していたが、やはりセックスはできない。「妻が待ってくれているうちに」と訴える。しかし、再度のカウンセリングでも実際のセックスがどういうものか想像できないらしかった。「次は奥さんと一緒に」と言ったが、現れない。

 性についての講演をよく頼まれる岩室さんは、会場の若者にアダルトビデオについてどう思うかよく尋ねてみる。見たことがあるのかどうか、中学生は「100パーセント信じる」。高校生は「多少疑う」。大学生以上は一般に「見せ物」と理解している。

 しかし、「映像などを通して流れてくる情報を鵜呑(うの)みにする傾向は年齢を問わず強くなっている」と岩室さんは危惧(きぐ)する。

 1994年に総務庁が発表したアダルトビデオに関する調査によると、中・高生約1900人のうち男子高校生の約8割が見たことがあると回答。女子も4人に1人の割合だった。

 実際の人とのふれあいよりも、まず情報で頭の中をいっぱいにする。セックスも情報化社会の枠外ではない。



 性の解放が言われて久しいのに、性のイメージはかえって混乱している。はんらんする情報の中で自分は正常なのか、他人はどうなのか不安がつのる。現代人にとってセックスは本能でもなく楽しみでもなく、一種のストレスになっているかのようだ。心身ともに癒(いや)し癒されるような関係はもはや不可能なのだろうか。さまざまな風景から性の現在を考えてみたい。

 (このシリーズは西島大美、白水忠隆、福士千恵子、永原香代子が担当します)
(1996年9月3日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/sfuukei/fe_sf_19960903_01.htm

男性から見ると、女性=セックスは気持ちいいものという
固定観念は捨てて、まず、相手の気持ちを言葉や態度で
気持ちさせないとセックスは良くならないと思う

夫婦はいつまでも“男と女”

2006年08月12日 02時14分38秒 | Weblog
◆古い観念見直し、楽しい老後を

 さわやかな朝の潮風を受けながら、八木義雄さん(65)忠子さん(61)夫妻が散歩を楽しんでいる。日本海に臨む新潟県青海町。6年前、夫が中学校の校長を定年退職して以来の日課になった。

 近所の人と会えば、「おはようございます」とあいさつする。そのあいさつが、初めは気が重かった。だれもが決まって「おまんた(あなた方)、いつも2人でええね」と奥歯にものがはさまったように言うのだ。

 「おら、2人しかおらんもん」と夫は何度でも繰り返した。若い夫婦ならまだしも、この年齢でいつも一緒というのは奇異に映ったらしい。

 買い物や月2回のソーシャルダンス教室、週1回の高齢者体操教室なども一緒。ふろにも必ず2人で入る。以前は夫の背中を着衣の妻が黙って流したが、いまはお互いに流し合ったりもする。そのためにふろ場は畳3枚分ほどもある。退職直後の改築の際、特に注文した。

 「生活の場面を共有するほど生きることへの共感が生まれるからね」と夫。妻も「こんなに楽しい毎日が定年後に待っているとは思いませんでした」と笑みを浮かべる。

 保健体育の教師だった夫はクラブ活動の顧問をいくつも引き受け「授業はきっちり、試合には勝つ」がモットーの猛烈教師だった。同僚教師だった妻と結婚してからも「おい、あれ持ってこい」と、出産で退職した妻に命ずる亭主関白。何でも男がリードするものと思っていたから、セックスも一方的だった。



 こんな夫が突然変わったのは、定年を3年後に控えた9年前のこと。望まない妊娠をテーマにした教師向けの性教育講演を聞いたのがきっかけだった。きちんとした知識を与えないまま教え子たちを卒業させたら、様々な性の問題に苦しむことになりはしないか心配になった。性科学の本をむさぼり読み、卒業前の3年生に自ら性教育の授業を行った。

 その後も自分で性教育の勉強を続けたが、壁も感じ始めた。「自分が変わらなくては人には教えられない」と。そこで、まず台所に入ることにした。妻と一緒に魚を焼き、刺し身を盛り付け、後片付けをする。夫が学び、夫婦で話し合ううちに「何でも一緒」に行き着いた。

 セックスについての考えも変わった。お互いにどう感じているか確かめ合い、嫌なときは嫌とはっきり言える新たな関係が生まれた。

 セックスに定年はないと言う夫は「ベッドで妻が一方的に夫に従わせられるような付き合いでは長い老後はもちません」と力をこめる。

 八木さん夫妻は、一つの理想を実現したと言ってもいいだろう。だが、大半の高年者は依然として古い性的観念に縛られている。

 聖徳大学保健センター助教授の荒木乳根子(ちねこ)さん(臨床心理学)らが1990年に、東京都と神奈川県の60歳以上の男女計428人に性行動などについてアンケートしたことがある。男女とも半数以上が「性は口に出してはいけないことと教えられた」(複数回答)と答えた。男性は「老人になったら性欲はなくなる」、女性は「夫の性的な欲求に従うのが妻の心得」と教え込まれていた。

 男性の42%が「望ましい性的関係とは性交を持つこと」と答えたのに、そう答えた配偶者のある女性はわずか8%。男女の意識のずれは大きい。月一回以上性交をしていると答えた配偶者のある女性の3分の2は、望まないのに夫の要求に合わせていた。

 荒木さんは「女性の性欲が乏しいのは、男性が性行為イコール性交というワンパターンの思い込みがあって、一方的な行為になるからではないか。老年期は、特にコミュニケーションの手段としての性行為を大切にしてほしい。性交をしなくても、まくらを並べ、互いの肌のぬくもりを感じることで親密度は深まるはず」と指摘する。

 年を取るにつれ、性機能は衰える。特に女性は性交痛が起こるなどさまざまな体の変化が現れる。それを乗り切るには、それなりの知識と工夫が必要になる。長い老後をより楽しいものにするには、性意識と性知識の両面から2人の関係を見直すことが欠かせないと言えそうだ。
(1996年9月13日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/sfuukei/fe_sf_19960913_01.htm?from=yoltop

相手の身になって考える。昔から言われていることなのに
実践するのは難しい。だから、努力しなきゃね