長男フリーター 二男は中退

2006年08月02日 05時55分41秒 | Weblog
 50歳の主婦。24歳と22歳の2人の息子のことで悩んでいます。

 長男は親の言うことを聞かずに、専門学校に行きました。希望の職に就けず今はフリーターです。二男は大学進学しましたが、留年をきっかけに、今年退学してしまいました。

 夫が厳しく怖い存在だからか、2年前から家を出て、2人で生活しています。今までは二男が学生だったので、生活費の援助はしていましたが、先月からやめました。放っておくようにと夫が言ったからです。

 長男はお金にルーズで時々せびりにきます。借金されるのが嫌で、夫には内証で渡しました。二男は、バイトの貯金があり、今も安定した収入があります。

 今まで一生懸命子どもを育ててきました。でも夫は子育ての失敗を、私の育て方が悪かったからと責めます。夫の言うことは我慢して聞いていれば何とかなりますが、息子たちのこれからが心配で、夜も眠れません。どうしたらいいのかご助言をお願いします。(神奈川・A子)



 息子さんは24歳と22歳。成人して、家を出て2人で自活を始めたのですね。

 どうして、それが子育ての失敗なのでしょうか。

 息子さんたちが、あなたが望む選択をしなかったことは残念でしょうが、子育ての目標は、家という「巣」から、社会という「空」へ、子どもを飛び立たせることだと私は思います。


 その意味で、まずは子育ては成功したのではないでしょうか。母親のあなたは、きっと子どもが巣立って、さびしいのでしょうね。でも、後は存分に生きよ、と祈るしかありません。子どもにアドバイスはできても、生き方を決めるのは当人だと、思い切るしかありません。そう思い切っていないと、一生、息子さんのことで、悩み続ける人生になって、彼らを束縛します。

 ここは、自ら子育ての卒業を宣言し、あなた自身がどう楽しく、自由に生きるかを目指してはどうでしょう。その方が、息子さんたちを安心させ更なる自立へと促せますし、夫との間もしっくりいって、日々が明るくなるのではないでしょうか。

 (久田 恵・作 家)

(2006年8月1日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/kazoku/20060801sy11.htm