今日は大丈夫だった?

2005年05月17日 11時26分59秒 | Weblog
この人に直撃! 加賀まりこ「六本木ヒルズなんて全然興味ないわ」 (ゲンダイネット)

“プチB・B”と異名をとった18歳の銀幕デビューから43年――。

 女優・加賀まりこ(61)の一本ピンと筋の通った言動は、今も少しも変わるところがない。そんな彼女に、最新作の話から気になる私生活のことまでを聞いた。

●14日から出演映画が公開される

「こういう作品こそヒットして欲しいと思うし、私はこの主人公が愛(いと)しいの」

 今月14日から渋谷・シネクイントで公開される最新映画「タナカヒロシのすべて」への素直な思いを語る。物語は世間とうまく折り合えないおたく風会社員の日常を淡々と描くという、一風変わった内容。主人公の青年役を、軍服姿で戦時標語を絶叫する特殊芸人・鳥肌実が演じ、加賀はその母親役を演じている。

「私、要領よく世間を渡れない人って好きなのよ。だから、作品の世界観が特殊だとは全然思わない。いわゆるニートや引きこもりにしても、それぞれ事情があるはずで、それをただ単に怠け者とくくってしまう風潮がおかしいと思うの」

 マイノリティーへのシンパシーや、固定観念・権力の押し付けに対する嫌悪感は筋金入りだ。

「立場をかさに『オイ、○○、バカヤロウ』みたいに意味もなく威張るやつには黙っていられない性分(笑い)。映画やドラマの現場だって、深夜に寒い中を必死にアタマ下げて道路で車両を止めてくれるオネェちゃんがいるから撮影できるわけでしょ。そういうコにはついつい“頑張れ”って言っちゃう性質(たち)なのね」

●日だまりのような恋をしてます

 ただ、最近は昔と比べ撮影現場の雰囲気もずいぶん変わってきたという。

「怒号が飛び交わなくなったわね。ちょっと怒られてそのままプイと帰っちゃうADも1人や2人じゃないし。親にも一度も叱られたことがないんだよね。そういう人間はたしかに増えてるわよ」

 加賀といえば「六本木族」。“たまり場”だったレストラン「キャンティ」には高校生の頃から出入りし、丹下健三や三島由紀夫など当時、最先端の価値観を持つ面々の話に耳を傾けた。そんな彼女に、今の「ヒルズ族」はどう映るのか?

「六本木ヒルズなんて全然興味ないわ。人に聞いた話だけど、あそこは独自に採用された電気供給システムがひどく高いんだってね。電気代がひと月に10万円だとか。冗談じゃないわよっ」

“日本を変える”と豪語する「ヒルズ族」への視線もさめている。

「いいんじゃない、別に。そうやって勘違いしていられるの。要は品がいいかどうかってことよね」

 最近は自宅(東京・神楽坂)周辺を小1時間かけて散歩するのが楽しいという。

「ひとりでコツコツやってるいいラーメン屋さんがあるのよ。看板も出してないのに11時開店で午後2時には売り切れちゃうのね。そこ見つけた時はうれしかったなぁ。着飾ってヒール履いて高級レストランなんて疲れてまっぴら。今はラーメンが大好き」

 女性誌で“最後の恋”と報じられた男性について聞くと、「やっぱり聞くのね」という表情の下で、瞬間、ポンとテンションが上がった。いい関係なのだろう。

電話で『今日は大丈夫だった?』って言い合う、その『大丈夫だった?』にすべてが凝縮されるわけよね。一緒に花札したり、麻雀したり……。ほんと、穏やかな日だまりを歩いているような恋をしてますよ」

【2005年5月12日掲載記事】
http://news.www.infoseek.co.jp/gendainet/story.html?q=15gendainet07117093&cat=30