一読目に感じた絶望感からしばらく逃れられなかった。「風死す」の息苦しさを感じる耐え難い暑さは、ペガサスの夢を阻害しているかに思われた。が、「夢」とは何だ、と思った時、ペガサスは自由を象徴する存在であり、今そのペガサスの夢は、コロナ禍で自由を奪われた耐え難い地上を一新する夢を抱いて、大きな真っ白な翼を羽ばたかせて、地球に向かっているのかもしれない、と、天と地のあわいに「吾」置く句ではないのかと思えて来た。羽風がもうすぐ無害な空気をもたらして息苦しさから解放されるのかもしれないと少しのあいだ呑気にもなれた句だった。(博子)
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