「褸紅草」の「褸」は一縷の「る」。細い糸のような葉を持つ。その花は小さいけれど、朝顔や昼顔のような長い花筒に星形の鮮烈な赤い花を咲かせる可愛い花。それだけで「赤子」に通じて来て連想の妙を思うが、だからこそ「溜息に」に驚く。溜息は思い悩んだり、苦しみ、失望、落胆などを思わせて、天真爛漫な赤ちゃんと無縁のもののように思われた。調べて見ると、赤ちゃんの溜息は深呼吸のようなもの。若しくは、ママの真似だそうで、コロナ禍で溜息の多い今だけれど、赤ちゃんの仕草はもれなく可愛い。まるで魔法のように褸紅草を咲かせた赤ちゃんにみんな笑顔。そんな句だと思いたい。(博子)
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