「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

三太郎の小径素風のプラタナス 長岡ゆう 「滝」1月号<滝集>

2015-01-25 05:45:41 | 日記
 三太郎の小径とは、東北大学名誉教授で哲学者の阿部次郎
の代表作「三太郎の日記」にちなんで名付けられた、仙台市
博物館から始まる青葉山への小径である。私事ながら故兄白
石が私の中学校入学祝いに送ってくれたのが「三太郎の日記」
である。真剣に読んだが暗い話のような記憶しかない。今思
えば人生という哀切が綴られていたのかもしれない。さて、
句意としては「三太郎の小径」は秋風の中のプラタナスの葉
のようですねとでも訳せばいいのでしょうか。秋風に吹かれ、
高い木からプラタナスの葉が揺れる様は哀愁が漂うものであ
る。更にその奥には晩秋へ向かいながらその葉は枯葉に染ま
り舞い散る事をも思いださせる。俳句ならではの切れ字を使
い、人生の哀愁がひしひしと伝わる秀句である。(赤間学)

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