「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

暖かや江戸の駱駝の瘤ひとつ 小林邦子 「滝」5月号<瀑声集>

2013-05-23 05:17:40 | 日記
 「江戸の?」と、何やら気になる駱駝である。ネットを繰
ると、江戸時代に親しまれた見世物や大道芸の様子を描いた
浮世絵のことを「見世物絵」といい、「動物見世物」が描か
れた物もあり駱駝はその中の一つ。開帳の神仏を拝むように、
厄払いになるとか、悪病が避けられると考えられていたよう
です。ご利益への期待から排泄物が薬として売られていたこ
ともあったようで、歌川国安が描いた「駱駝之図」には尿を
薬にすると瀕死の病気から人を救う霊薬になると記されてい
るそうです。この古く伝わる風習・伝承に、「暖か」の季語が
何ともいいですね。(H)

2 コメント

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瘤ひとつ (今村征一)
2013-05-23 08:29:44
作者は展示会に行って詠まれたのでしょうね。
江戸時代はひとこぶラクダが珍しかったのでしょうね。
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楽しい句でした。 (博子)
2013-05-23 12:36:40
 「見世物絵」はいろんなのがあって面白かったです。
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