傾いた城のある森?、何処?。と、我が無知に笑ってしまった。傾城森(けいせいもり)と山伏森が並んであるそうで、悲恋物語が伝わっている。およそ300年前、楼主に抱えられて自由のない芸妓と、厳しい掟に縛られた山伏との恋は、世間に認められるはずもなく、二人は手を取って京都へ逃げ出し長旅の末、この地にたどりつき、人目を忍びながらも楽しい日々を送ったそうなのです。しかし、それもつかの間のこと、女性は重い病気にかかりました。男性は、回復するように一心に祈り、薬を求め、一生懸命看病した甲斐があって、病は少しずつ快方に向かいましたが、所持金が乏しくなってきて、生活に困るようになり、将来を危ぶみ自ら命を絶ってしまいます。そして、後を追って女性も死んでしまいました。だいぶ省略しましたが、そんな物語のある場所が通い路。激情的なほととぎすの声に思い出した物語だったかも知れませんね。(博子)