「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

遠汽笛草刈鎌の研ぎせて 塗 守

2020-08-12 03:22:03 | 日記
遠汽笛と鎌の間に広大な青田が見える。と言っても遠汽笛は思い出の中に聞こえているように思う。草刈鎌は当店でも扱っているが、年に二丁くらいしか売れない。砥石に至っては草刈鎌以上に売れなくて、不良在庫になっている。草刈機が主流になり、刈刃も殆どチップソーという研ぐ必要のない刃を使っている。刃物を研げる人がいなくなっているのだ。昔は掌に収まるほどの砥石を腰袋に入れて、何度も研ぎながら草刈りをした。そんなお父様のお姿かと田園風景を思った。(博子)