計り知れない未知の空間が広がっているとされる宇宙。その宇宙の構造や歴史・未来、宇宙の法則を明らかにしようと挑むのが宇宙科学(天文学)だが、掲句は生も死も、宇宙と一体とする仏が説いた教法に基づくものだろう。美しい碧色の龍の玉がまるで地球のように配されて、その中に作者と、作者の視線があるように景をしぼって詠まれた句。どなたか大切な方を亡くされたのだろうか。姿がなくても一緒に要る。そんな感覚は私にもあって、そんな時思い出すのが金子みすゞの「星とたんぽぽ」。<見えぬけれどもあるんだよ/見えぬものでもあるんだよ>。は、『ちゃんと見てるから頑張りなさい』と、背中を押してくれる。(博子)