「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

人波の湯気かきまはす戎笹 石母田星人

2020-02-05 04:12:57 | 日記
一月十日に行われる新年初の戎祭。「人波の湯気」は熱気の具象化だろうか。「湯気」とすることで、笹との色の対比が目に鮮やかで「かきまわす」という動きが「♪年のはじめのえべっさん、商売繁盛で笹もってこい♪」そんな踊り出しそうなリズムに揺れる笹が思われる。笹は縁起物の松竹梅の竹の葉で「節目正しく真直に伸び」「弾力があり折れない」「葉が落ちず常に青々と繁る」といった特徴から家運隆昌、商売繁盛の象徴となったそうだ。去年の笹に感謝を込め返納し今年の笹をいただいて来るのだそうだが、関西で特に盛んなお祭り。私にはあまり馴染みがないが、我が家は商店なので、祖父が、雑魚を捕ってきて神棚に備えていた。水を入れた容器に雑魚が泳いでいたように記憶しているが、幼かったのでそれしか覚えていない。(博子)

※十日戎の一週間後が「関西震災忌」。もう25年になるんですね。その間にも大きな地震や豪雨が相次ぎ、復興の文字ばかり見て来たような気がします。今年はなんの災害もなく過ごせますように・・・。